【観光】浜離宮恩賜庭園、江戸の風情を今に伝える庭園、菜の花と梅に彩られた休日
2017年2月26日、都内に春の息吹が吹き荒れ、冬の終わりが訪れました。
山はまだ厳冬期といえども都内の雰囲気は早春。
一ヶ月のうち3回ほど週末必ず県境を越えている生活を続けていたのですが
ふと立ち止まって関東、都内の観光へ出掛けることになりました。
登山に行けない、けれども外に行きたい。
いろいろ見たい知りたいという気持ちを満たしてくれる観光スポットは都内にも沢山あります。
今日はその一つ、浜離宮恩賜庭園の観光記録です。
さて、本日は浜離宮恩賜庭園となりますが。
まずは浜離宮ってなんぞやというところから説明します。
- 1.浜離宮のざっくりとした歴史
- 2.浜離宮のざっくりとした見所
- 3.浜離宮に行くために新橋へ
- 4.浜離宮観光開始
- 5.浜離宮の一番の見所「菜の花畑」
- 6.浜離宮の近くの築地市場へ
- 7.浜離宮観光を終えて
1.浜離宮のざっくりとした歴史
江戸時代、甲斐甲府藩主徳川綱重によってそれまで芦原だった地に屋敷が建てられる。
6代将軍徳川家宣時代にそれが将軍家別邸となり、茶園などが作られる、
それ以後は将軍家の鷹狩りの場となり、幕末は幕府海軍の伝習屯所となる。
明治維新以後、宮内庁管理となった後東京都に移管され1946年に都立庭園として開園する。
つまり、とてもざっくりというと元をたどれば江戸徳川将軍家に由来のある庭園ということです。
歴史の長い庭園で、幾つかの茶屋が中にあったようで、現在も復元工事が行われています。
2.浜離宮のざっくりとした見所
1.潮入の池、東京湾の水を引き入れて表情の変化する池を作っている。
江戸時代に使用していた水門などが未だに残っていたり、池の上の橋がとても綺麗。
2.季節に合わせた色とりどりの花
2月であれば梅、菜の花、椿といった花をいち早く見ることができる。
その他桜の季節には桜、コスモスやボタンといった花も見ることができる。
大きくこの二つが見所では無いでしょうか?
特に花に関してはオススメで、浜離宮といえば春満開の菜の花畑というイメージ。
手軽に梅園や菜の花畑を楽しめるのがこの庭園のいいところです。
それでは早速行ってみましょう。
3.浜離宮に行くために新橋へ
2月の後半ともなれば都内では梅が咲き誇り、
椿、水仙、菜の花と色とりどりの色彩が街角を賑わせます。
浜離宮は高層ビルを背景とした菜の花畑、梅林といったものが広がり、
カメラを片手に歩いてみればとても楽しい観光地。
2月26日、午後12時30分新橋駅。
浜離宮歩きは新橋からスタートです、本当は早朝に来たいところでしたが今日は遅めのスタート。
立ち並ぶ高層ビル、ビルの風景といえばフォトヨドバシとかデジカメウォッチの記事。
ああいったサイトでよく見るような写真がたくさんとれます。
普段は山中でしか写真を撮らないので新鮮です。
新橋には電通ビルや資生堂があったり、日本の代表的企業がたくさん集まっているエリアです
ベイエリアにある企業は従業員が田舎に住めない立地であることが多いので、通勤が大変そう……。
出来ればつくばEXでつくば秋葉原通勤とか、立川の会社に青梅から通勤。
もしくは八王子の会社に山梨から出社とかしてみたい。
朝御飯を食べていなかったので朝食タコスを、都内ともなればご飯もお洒落です。
汐留には大戸屋や吉野屋的な飯屋は無いようです。
タコス屋のある広場には不思議なオブジェが。
これはZ級映画として天下に名を轟かせたムカデ人間のオブジェです。
ムカデ人間の上に腰を掛けるとあっという間に「悪役っぽい、倫理観に訴え掛ける写真」
を撮ることが出来ます、因みにムカデ人間の下りは嘘です。
これは日テレのキャラクターでシオタマというオブジェらしいです
外国人アーティストの風刺の効いた彫刻作品か何かかと勘違いしそうになりました。
ジブリ時計です、あいにく動き出す時間ではありませんでした。
こちらの時計は宮崎駿がデザインしたもので、日テレ観光の目玉なんだとか。
幅が18メートルほどあり、1200枚近い銅板を一枚一枚加工しているという気合いの入りよう。
新橋駅から汐留へ歩く途中でも結構東京観光ができますが、浜離宮はさらにこの先にあります。
4.浜離宮観光開始
午後1時25分、浜離宮庭園入口。
汐留から少し歩けば目の前に浜離宮、都内に現れた自然溢れる観光地です。
江戸時代に作られた庭園で、梅園や巨大な池等風光明媚な景色が広がっているらしい。
このときは浜離宮=上野公園みたいなもんで元宮内庁管轄の恩賜庭園なんだろうと思ってました。
まずは入場料を支払いますよ、入場料は大人一人300円となります、家族連れも多いですね。
カップルも多く、春の日差しの中花を見に来た方で賑わっているようです。
パンフレットをいただいたら観光開始です。
山に行く前に山の歴史や土地の文化を調べたら何倍も楽しめるように。
こういった観光地も事前の知識次第では楽しみかたの角度がついて非常に面白くなります。
逆になにも知らずにくると結構つまんないです……。
園内に入ると驚きました、思ったよりも広い!
よく整備された砂利道と江戸の絵画に登場しそうな松がその辺に植えられています。
それでもビルが眩しい、ここは都内なんだなっていう息苦しさまでは払拭できないですね。
湾岸エリアのビルの隙間にこんなでかい庭園があるっていうのもとても不思議です。
1.花木園を見よう
今回は反時計回りに回ります、梅園が最後になってしまうので、おすすめは時計回りです。
花木園を最後に見るルートがおすすめです。
でも、今回は花木園を最初に見ます、だって最初は何も知らなかったから。
花木園で最初に待ち受けているのは梅の花。
白梅紅梅と茶屋という江戸時代的な景色が広がる場所です。
日本人的に花見といえば桜でしょうけども、
豊臣秀吉が桜の花見を始める前は梅の花を愛でるのが花見でした。
ビルと庭園と花という、普段山ばかり撮影している僕からすると違和感を感じる景色。
梅の種類はそれなりです、手入れがしっかり行き届いております。
白い椿、花木園というだけあり梅以外にも様々な花が添えられています。
春の時期が終われば花菖蒲やサツキといった花々が咲くらしいです、
一年中何かしらの花が見れるようになっているとのこと。
2月3月の主役は梅と菜の花、山に行かずとも身近な場所で花を愛でるのであれば
この恩賜公園はおすすめでしょう。
更に徳川家に関する知識があれば尚の事楽しいのではないでしょうか、
徳川家に詳しければ大河ドラマ見るときも色々捗るような気もします。
梅の花以外で目立っていたのは椿です、女性的な花々がそこかしこに咲き乱れる。
玉ボケを作りたいなと思いf/2.0で撮影してみました、この写り好きです。
使用レンズはAF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED、解像度とボケを良質したイケてる単焦点です。
僕が草木に夢中になっている頃、周りではプロカメラマンがポートレート撮影をしたり、
鴨や小鳥を撮影しに来た方々で園内は賑わいを見せてました。
花を撮影しているとマクロレンズが欲しくなりますね高山植物を超拡大して撮影したりしてみたい。
意外とそういう写真のある登山ブログは見たことがないので…。
紅梅ですが白梅に比べると本数が少なめでした、白梅はちょうど全盛と言った感じですが。
紅梅は終わりかけているものもちらほら見受けられました。
至るところに花が植えられており、適当にふらついていても被写体には困りません。
花木園の茶屋「濱見世」です、時代劇に出てくる茶屋を彷彿とさせる作り。
お茶や団子を購入して梅を見ながら楽しむのも一興です、
都民のいこいの場として多くの方が団欒の時間を過ごしています。
休憩所の隣に売店があり、三色だんごとかを売ってくれます。
花木園を抜けて富士見山へ向かいます、
途中鴨場と呼ばれる鴨刈りの遺構などがあるのですが、地味なので見なくてもいいかな…。
鴨場へ向かうルートはいくつかありますので、地図を見て歩きたい場所を抜けていきましょう。
2.特徴的な池は東京湾から
僕は水場付近が好きなので池の周りを通っていくことに、
湾岸沿いの景色と日本式の庭園といういかにも現代東京的な景色です。
この池は東京湾の海水を引き込んでいる汽水となり、
ボラ、セイゴ、ハゼ、うなぎなどが泳いでいたりするらしいです。
松の茶屋、浜離宮は江戸時代などの建造物を復元中。
この松の茶屋もそうしたものの一つですが、中にはいることなどはできません。
ガイド付きで中を見学することもできるらしいので、興味のある方はどうぞ。
池ですが、茶色い……
いうほどきれいな池ではないですね、魚は見当たりませんでした。
池のど真ん中を抜けてゆく橋の雰囲気が非常によし、
池に浮かぶ小島と小島を結ぶ木造の小橋に情緒を感じる。
橋っていいよね。
中島のお茶屋、ここいらでお茶菓子休憩するのもありですね。
この茶屋は明治時代に明治天皇が客を招き謁見するのに使われた歴史があります。
中からの眺めがいいというのですが、僕らはそのまま東京湾側へ行ってしまいました。
池の上に浮かぶようになっている中島のお茶屋、外から見ても楽しいですし、中でくつろいでもいい時間が過ごせそうです。
富士見山、富士見山というからには富士山が見えるのかな?
と思いましたが、丘ですらない盛土程度の小さな山でした…。
もちろん富士山は見えません。
浜離宮という庭園を楽しむのであればこのスポットはお勧めです。
浜離宮は東京湾の一部に隣接しており、遊覧船の姿やジェットボート遊びの方々などが沢山。
遊覧船に乗れば浅草まで行けるので、朝早くから浜離宮を観光し、
帰りは浅草まで遊覧船というのもいいかもしれません。
ボートを楽しむ方々が海の上を駆け抜けていきます、気持ち良さそう。
池に海水を引き込むための水門です、こちらは現役で使用されております。
潮の満ち引きを利用して池に海水を引き込んだりしているんですね。
山道みたいな藪の中を抜けて梅林へ、日が暮れてきたのですが、菜の花は見れるんだろうか。
3.梅園を歩く
浜離宮梅林、花木園よりこちらのほうが規模が大きく様々な梅が生えているので、
菜の花と梅が見たい人は最初にこちらに来るべきでしょう。
なぜなら午後2時を越えると梅林自体が日陰になるからです!
なんとか日当たりの良いスポットを探していい感じの梅を探す。
梅は満開、多くのカメラマンが梅見を楽しんでいた一日、
梅をじっくりと眺めひたすらカメラで撮る僕はちょっと変な人だったかもしれない。
しかし梅は可愛らしく、そして気品に溢れた香りを放つ。
花は毎年見ていたいですね、季節を敏感に感じ取りたい。
雪山は終わり、花シーズンが始まる。
残雪期でもあるので、いろいろ行ってみたい気がするのですが
2016-2017シーズンは結構雪山に登ったので満足してしまいました、
逆に低山に行きたくてたまらない感じに。
午後の昼下がり、日も傾き始めた頃合いですが西日を浴びた梅はそれはそれできれいなものでした。
猫とかが道端で普通に寝ているのもいいところ、
三毛猫にオスはほとんどおりません、3万分の1の確率でオスも生まれるらしいけども。
5.浜離宮の一番の見所「菜の花畑」
梅園の先には浜離宮名物、菜の花畑がやってきました。
菜の花特有の香りが少しきついけどもあたり一面を覆い尽くす黄色の花々はなかなかのものです。
汐留のビルと菜の花畑、東京というコンクリートジャングルのど真ん中に現れた
菜の花畑はなんともミスマッチな景色を生み出している。
これもまた東京らしい景色なんでしょう。
都会の菜の花は江戸の香りを今に伝える庭園で力強く咲き誇っていました。
多くの観光客でにぎわう浜離宮、皆さん目当ては菜の花です。
この時期のテレビではレポーターがここで天気予報の中継をすることも多いので、
皆さん同じ場所を訪れてみたくなるんでしょうか?
浜離宮で花々を楽しんだ後は、歩いて築地市場へ。
移転問題で色々と荒れている築地市場ですが、
近いうちに見ることができなくなるのは間違いありません。
なので今のうちに築地周辺は楽しんでおきたいところです。
6.浜離宮の近くの築地市場へ
休日の午後の築地市場はガランとしています、ちょっと寂しい雰囲気が漂う築地市場。
場内市場は終了しているので場外市場へ。
ここは年中お店がやっており、観光地値段ではありますが美味しいご飯にありつくことができます。
歩いているとマグロの頭がデーンと置いてありました、
何も買わなかったとしても見て歩くだけで楽しめますよ。
どこでご飯を食べようか迷ったのですが、すし三昧に入ることにしました、もちろん本店に。
社長の等身大フィギュアが店先で愛想の押し売りを仕掛けてくる、再現度がなかなか高い。
築地ということもありお魚は美味しい、マグロセットみたいなものを頼んだり、
目の前で捌かれていく真鯛を頼んだりしました。
寿司は頑張れば出費も最小限に抑えられるし、美味しいしで、
お金のない若年層には心強い味方。
しかし、写真を見ているだけでお寿司が食べたくなりますね…。
マグロ以外にも頼んだ鯛、歯ごたえがよく甘さを感じる非常に美味しい鯛でした。
マグロの炙りも非常に脂が乗っていて口溶けまろやか、たまに食べるお寿司っていいですね。
サラッと食事を済ませた後、折角だから築地本願寺も見ていこう!と思い築地本願寺へ。
築地本願寺、日本建築史で必ず習う日本近代建築の父である伊東忠太の建築物です。
アジアンテイストな雰囲気が彼らしい雰囲気を醸し出します。
明治期の建築はチャレンジングなものが多いので追いかけると結構楽しいのでお勧めです。
外見は中々年季が入っていますが、中はとてもきれいな築地本願寺、
きらびやかな室内で椅子に座りお経を聞くというのもいい経験です。
ちなみにXジャパンファンにとっては聖地らしい…、ファンノートみたいなものが置いてあります。
最後は東京駅まで歩いて帰ります、帰り道には歌舞伎座や銀座の街、浜離宮でのお花見から始まり
築地本願寺、歌舞伎座、銀座と東京観光をガッツリして変えるコースになりました。
東京、普段生活していてあまり気にもかけない街ですが、修学旅行生がたくさんいるだけあって
観光地がそこかしこに存在しているんだと気付かされます。
毎週登山に出かけるような生活をしていますが
足元に目を向けて住んでいる街をよく知り、楽しむというのもいいものです。
まるで登山をしたかのような心地よい疲れを足に感じながら、東京駅に向かうのでした。
浜離宮恩賜庭園
徳川将軍徳川家宣が将軍家別邸として整備し、現代に至るまで歴史を伝える庭園。
江戸の遺構を今に残す庭園は多くの花に彩られた都民の憩いのスポットとなっています。
冬になれば山は雪山、里山も足元は氷に閉ざされてしまいますが、下界では一足先に春が訪れます。
毎週登山に出かけるのにもつかれた休日、
身近な場所にある春を楽しんでみるのもありかなと思います。
7.浜離宮観光を終えて
都内の観光スポットや花を追いかけるのも、登山とはまた違った楽しみがあるのかもしれません。
毎週登山で朝早く起きることに疲れた方などには、昼からでも楽しめる浜離宮はとてもオススメです。
今回撮影で使用しているカメラ
NIKON D750+AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
NIKON D810+AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED
広角のみつけていくという狂気の装備。
flickr
写真をまとめてみたい方はflickrからどうぞ。
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