【奥武蔵】丸山、静かな森林と日向山の節分草に癒される、奥武蔵登山の旅
2017年3月19日、埼玉県横瀬町にある丸山へ言ってきました、標高は960m。
奥武蔵エリアに分類される低山となります。
春の息吹が吹いた2月。
雪山シーズンから花の季節ということで、里山で花を見る登山がしたくなりました。
今年は花の雰囲気がよく、節分草や蝋梅がとても綺麗だったということで、狙うは節分草。
今まで僕が春を意識する花であるミツマタ、蝋梅、梅、河津桜、カタクリに
節分草を足していこうというわけです。
去年よりもより豊かにをテーマに花も一つ一つ増やしていきたい、
そんなわけで節分草自生地がある横瀬町丸山〜日向山周回登山へ行ってきました。
電車周回と縦走が可能でとても登りやすい丸山は肩慣らしにはもってこい!
奥武蔵の低山を楽しむ休日の始まりです。
静まり返った樹林の中を歩いている、森全体がスポンジのように音を吸い込み
あたりには空気の振動一つともない、時が止まったような景色が置かれている。
歩みを留めれば耳鳴りがきこえ、体の奥から川の流れるような音だけが静かに聞こえる。
低山は不思議なもので、一人で訪れれば内省的な気持ちを湧き上がらせ
思考は渦潮の底へ沈んでいくように深くなってゆく。
ふと視線の先に現れる苔や草の一つ一つのディテールが視覚を刺激し、
小さな感動や言葉に言い表せない不思議な感覚が心を支配してゆくのだ。
はい、今回は奥武蔵エリアにある丸山です。
芦ヶ久保にある丸山から日向山にかけてを歩いてきました。
何があるかと言われれば、節分草!
同時期であれば四阿屋山の節分草園が満開なのですが
次の日に行く予定が立ってしまっていたので丸山に行くことを決めました。
奥武蔵の渋い低山で待っていたのはいつも通りの杉林と冬枯れした木々、
しかし足元に目を凝らせばきれいなものだってある。
そんな心持ちで久々の森林浴を楽しみます。
丸山自体はとても初心者に優しい山で、
武甲山の展望もあるため夏に向けてのウォーミングアップにはもってこいです。
それでは春の芦ヶ久保、丸山登山の始まりです。
1.奥武蔵 丸山について
丸山の登山口、芦ケ久保駅へのアクセス
【電車】池袋→飯能 470円
【電車】飯能→芦ヶ久保 340円
往復交通費 1,620円
奥武蔵は非常にコストパフォーマンスの良いエリアです、花もたくさんあるしオススメ。
奥武蔵丸山周回登山のコースタイム
芦ヶ久保駅7:15→登山口7:50→丸山山頂9:15→山の花道入り口10:15→日向山山頂10:35→
節分草自生地11:00-11:15→山の花道入り口11:30→芦ヶ久保駅12:05
合計登山時間 4時間50分
久々に気持ちの良い登山でした、コースタイムも短くていいですね。
この登山で使用しているカメラとレンズ
NIKON D750+AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
NIKON D810+AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
しばらくはこの組み合わせで歩きます、日本一山の中で58mmを使う人になりたいですね。
1.芦ヶ久保駅から登山口へ
2017年3月19日、大宮駅。
早朝家を出た僕は久々の電車登山へ、電車登山は時間がきっちりとしているので、
電車にさえ乗ってしまえば気分がいいものです。
今日の目的地へは川越→飯能→芦ヶ久保と乗り継いでいくことになります、僕はね。
都民の方は池袋から飯能へ向かい、そこから芦ヶ久保へ向かう形になります。
始発の川越行きホーム、最初降りる場所間違えた??と思いました、
暗黒世界が目の前に広がってるやないか。
朝日が登るのを薄目で眺めながら電車内で就寝…、
目的地まで寝れるというのが電車登山のいいところです。
午前6時35分、飯能駅。
西武秩父線の電車を待ちます、まだ肌寒い朝の空気に身を震わせる。
朝の鋭い空気を一杯に吸い込んで気合を入れます。
午前7時10分、芦ヶ久保駅到着。
本日のスタート地点にして、ゴール地点でもある芦ヶ久保に到着しました。
ゴール地点を横瀬にしても良かったのですが、帰りに節分草を見る場合は周回になります。
芦ヶ久保駅のトイレはすごくきれい、横瀬も神がかった美しさでした、
西武秩父線のトイレは今のところ全部綺麗だ。
ウォシュレット完備、温水便座のパーフェクトトイレでした、星3です。
駅前にはハイキングマップが、代表的な登山コースはこちらに書いてあるので撮影しておきましょう。
午前7時20分、プレイボールです。
今日は赤谷・大野峠コースから登ります、
登山口は少し駅から離れた場所にあるのでまずはそちらに移動します。
霞んだ空を照らす薄い朝日に照らされた山道を30分程歩きます。
住宅街の中を通り抜けて登山口へ、所々に指導標があるので迷うことはないでしょう。
こんな感じに、頭に鳥が止まった指導標が曲がり角ポイントに配置されています。
午前7時50分、登山道入り口。
民家の脇から登山スタートです、低山シーズンスタートって感じがするぜ!
2.登山口から山頂へ向けて
最初はシダっぽい草が生い茂る杉林を抜けていきます、
春に歩くのであれば点鼻薬必須のコースである。
僕の雪山シーズンは終わり、残雪無しで春山へ。
奥武蔵の低山は鬱蒼とした杉林が広がっています、これぞ関東って感じの山道だ。
途中岩場が現れたり、駅から近い割には景観が豊かな山ですね。
コース上の指導標の状態はよし、朽ちている様子もなく新しめのものが設置されています。
この日は数名の登山者がこの山を歩いていました、
僕は撮影しながらだったのでどんどん追い抜かれていくのみ。
小川なんかもあります、低山だと思い水場はないものだと思っていました。
朝日を浴びる杉林、木漏れ日の中を歩くのは気分がいいものです、
基本的に樹林が好きなので苦痛ではありません。
しかし杉林は暗い、晴れていても全然日の光が差し込んでこないのは驚きです。
沢にかけられた小橋を渡ります、増水さえしていなければ使う必要はなさそう。
くるぶし付近まで包んでくれる普通の登山靴があればこれを使わなくても大丈夫でしょう。
ひたすら杉林、空気はひんやり。
途中に現れる苔や草がいい味出しています。
薄暗い林の中だけども、目を凝らせば面白いものがたくさんあります。
水場を過ぎてからは上り一辺倒で一気に標高を上げていきます。
視線の先はずーっと杉林、不思議なことに杉林の中にいると花粉の影響をあまり受けません。
これが林を抜けたりコンクリの上に来るとめちゃくちゃくしゃみが出るようになる。
木漏れ日を受けた山道を歩く。
低山ハイクの静かな時間が流れ、一人で歩いていると思考がどんどん深くなっていくのがわかる。
午前8時45分、大野峠。
尾根道手前で道路とぶち当たります、ここが大野峠というスポットです。
休憩ポイントも併設されているのでここで休憩するのもいいでしょう。
僕が車道に上がってきたタイミングでバイクが一台颯爽と駆け抜けていきました。
ツーリングのスポットにもなっているのかな?
白石峠を越えて丸山へ向かいます。
一気に突き上げる階段に少し息が上がりました、ここを越えると開けた尾根に出ます。
奥武蔵の低い山にはなりますが展望はひらけています。
階段を登りきると開けた場所に出ました、風向きを見る旗が用意されていることを考えると
ここはパラグライダーなどの練習に使われているようですね。
3月に入ったこともあり空は圧倒的な霞空、
登山を始めるまでは空の青さや透明度を気にかけることはありませんでしたが
晴れていても霞んでいれば展望はなし、真っ白でわけがわからない世界が広がっている。
3月はこれがあるので花を見る登山をメインに据えたいところです、
展望を得ようとしても霞で泣くことが多いので。
空の白さを確認して、丸山へ向かいます。。
丸山へは少しぬかるんだ道を歩くことになりました、
3月の登山道の特徴は氷や霜柱が溶けたため地面がぐちゃぐちゃになっているということでしょう。
僕は靴や靴下が汚れることはそのまま道具の寿命につながると考えているために、
汚れないように常に長ズボン。
裾が汚れても洗濯できますが、靴の中に土が入ると掃除がしにくいので、長ズボンお勧めです。
3.丸山山頂、武甲山の眺め
午前9時15分、丸山山頂到着。
武甲山を眺める山、丸山山頂に到着しました、頂上には展望台が設置されています。
床が汚れている展望台で、ホコリが舞いまくっているので喉が弱い人は注意。
展望台から見る秩父、武甲山が街を見下ろすように座っている。
削られた山肌は特徴的な姿、三角形にすらっと立ち上がった姿には貫禄を感じますね。
しかしすごい霞だな…、秩父の町がよく見えない。
丸山山頂には展望台があるのみなので、次の目的地である日向山へ向かいます。
山の花道で蝋梅と節分草を見つけに行きます。
丸山から日向山へ向かう際、注意したいのは指導標に日向山とは書かれていないことです。
日向山は果樹園、芦ヶ久保方面なのでその表記を追いかけて歩くことになります。
僕はここで登山道から歩道に出てしまいました、
散策者用の歩道を歩いても日向山に向かうことができます
三叉路位になっていて道がややこしいのですが、この写真の道を歩けばOKでした。
歩道を歩き続けるとやがて登山道との分岐が現れるので、そこで登山道に復帰します。
写真の地点で左に曲がれば登山道に復帰です。
以後は再び杉林の中を下り続けましょう。
道は乾燥していたのですが、小石が滑る感じで歩いていて楽な感じはしませんでした。
気を抜いたら転んでしまうので気をつけて下りましょう。
乾燥したグラウンドみたいな地面、斜度が結構あるので、小石で足が滑る。
悪魔の実、現る
しばらく歩くと悪魔の木が姿を表しました、
その体に花粉をふんだんに蓄えたスギ……、禍々しすぎる。
目の前に現れる悪魔の実、魔界生物と等しいもので、触ると黄色い煙がファサァッと広がります。
流石に僕もここで我慢の限界が訪れくしゃみが、
残り少ない点鼻薬を鼻に打ち込んで涙目になりながらその場をあとにしました。
スギ花粉でひどい目にあった…。
山の花道へ行くためにはああいった杉林の間を抜けていくので、非常に骨が折れます。
4.山の花道、蝋梅と節分草を眺める山
午後10時15分、山の花道到着。
日向山がある山の花道に到着しました。
地図ではわからないのですが、日向山は山の花道の中にあります。
日向山に入ると早速甘い香りが漂ってきます、これは蝋梅の香り…。
蝋梅と武甲山を眺める
山の花道の蝋梅はまだ咲いていてくれました。
蝋梅は2月で終わりというイメージがあったのですが、3月でも場所によっては見れるようですね。
青空に黄色の花がきれいに浮いています。
武甲山と蝋梅、甘く上品な香りがあたりを包み、自然と気持ちが安らいできますね。
家に一本ほしい木です。
今年は蝋梅はあまり見れないかな、と思っていたのですが、
無事山で蝋梅を見ることができて大満足です。
蝋細工のように繊細な花弁と上品な香り、梅と一緒に楽しみたい花です、
蝋梅を楽しんだら「春だな!」という気持ちが一層強くなります。
コンビニで買ってきたサンドイッチで小休憩、一人で登るときはあまりご飯を食べません。
蝋梅を楽しんだら日向山へ向かいます、蝋梅のあった場所から10分たらずで山頂。
日向山山頂、武甲山は目の前に
午後10時35分、日向山山頂。
武甲山を目の前にした秩父展望スポットでした、丸山よりも全然展望がよかったです。
日向山だけ登る人ばかりなのも頷けます。
武甲山がよく見えるなぁ……、それ以外何も見えないけど。
山頂には見えている山が何かというアナウンスもしっかり。
相変わらず奥武蔵、秩父方面は派手な山がない。
そして今日はすごい霞で武甲山、大持小持以外は見えない…、伊豆ヶ岳すら見えない霞です。
山頂で休憩したら節分草を探して帰ることにしました、空も午後に入り雲が出てきたことですし。
節分草生息地は日向山の裏手、川沿いのエリアになります、
なので北側斜面をズズッと降りていきましょう。
地図を見ながらでもわかりづらいのですが、
この写真の真ん中にあるベンチがある場所、そこが節分草自生地です。
節分草、気品に溢れる白い花を見つける
節分草登場です、白紫金色というとても高貴なカラーリングをしたお花、それが節分草です。
奥武蔵では3月に咲く花で、一週間程度しか持たない花、
なので満開で晴れている日がそもそもレア。
狙いすましたように見に行かないと見ることができないお花です。
四阿屋山の麓にある節分草園が有名ですが、奥武蔵にはいくつかの自生地があります。
山の花道の節分草はこじんまりとはしていますが、節分草をしっかりと見ることができました。
気品のあるカラーリング、あたり一面に咲いていればすごいきれいだろうけども、
日向山の節分草はそこまでたくさんあるわけではありません。
カタクリの葉があることからも、節分草とカタクリの自生地は被っているようですね。
それにしても白い花が透明感あってきれいだなー。
ザゼンソウも生えていました、川沿いなので植生が豊かなんでしょうか?
山の花道を流れる小川、ダッフィーと一息ついたら帰ることにしました。
山の花道から道路までは一瞬です、車道に出れば後は山を下って芦ヶ久保の駅に向かうのみです。
果樹園の中をショートカットできるみたいなので、こちらを降りて行くことに。
道の駅芦ヶ久保が見えてきました、
すごい大量の車が止まってるような気がするけどみんなどこに行くんだろう…?
季節が来れば果樹園は甘い香りで満たされるんでしょうか?
3月だとみかんの木が寂しげに立っているのみでした
オオイヌフグリ、最小サイズの春の使者です。
梅や蝋梅のような華やかさはないけれども、道端にこいつが咲いていると春の訪れを感じますね。
小さいのでマクロレンズが欲しくなる。
帰り道、梅の花などを楽しみ山の花々に傷ついた鼻を癒やしてもらうのでした、もう花粉でグズグズです。
道の駅芦ヶ久保に到着しました、電車がすぐ来るので急いで見学。
するとオリジナルソフトクリームがあるではないか…、
元祖ソフトクリーム登山写真ブロガーとしてはソフトクリームを食べなくてはならない(使命感)
優柔不断の証であるバニラと紅茶のミックスを頂きました、えーと。
バニラだけで食べるのがよいです!
ソフトクリームを片手に、どでかいカメラを2個装備した真っ赤な登山装備の僕ですが、
観光客で溢れた芦ヶ久保ではさぞかし浮いていたことでしょう。
多少横瀬で降りるんだったべやーという気持ちになりました。
そんなこんなで、久々の奥武蔵杉と花の低山ハイクは終わってゆくのでした。
5.丸山登山を終えて
奥武蔵、やはり渋いエリアです。
派手な景色や登山らしい稜線や景観は少なく、一般的な登山の喜びを得ることは難しいと言えるエリアでしょう。
この丸山、日向山では秩父の街と武甲山の姿をいい位置で眺めることができます。
しかし、
それ以上に節分草や蝋梅といった春の花を一度に楽しめるところも特徴です。
短時間のハイキングで気持ちよく運動も出来るので、冬明けの体を鳴らすにはちょうどいい所です。
玄人感溢れる奥武蔵ですが
一度足元や木肌、身近な自然に目を向け歩き続けると不思議と思考がシャープに。
終わってみればこれもいいじゃないと思えるような気持ちになっているのです。
雪山を登らない方も、3月になれば低山が楽しい時期に入ります、
お近くの低山で春の印を探してみるのもいいのではないでしょうか。
人生最高の山は続く。
丸山の地図はこちら
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冬でも使えますし、夏でも高所のテント泊などでは役に立ちます。
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花を撮影するのに使いました、手軽に利用できるので一台あると便利です。