【東北】安達太良山、荒涼たる爆裂火口と温泉溢れ出る福島の名峰を歩く旅
2017年6月17日、福島県にある日本百名山の一つ、安達太良山に行ってきました、標高は1,699m。
磐梯山に並び福島を代表する山で、日本百名山、新日本百名山、花の百名山、うつくしま百名山と
色々な百名山にその名を連ねる正真正銘の名山です。
周囲は温泉に恵まれており、爆裂火口の先にはお湯がこんこんと湧き出している湯畑があります。
東北の登山では磐梯山と同じく初心者向けとして扱われることが多く、
山頂付近は学校行事の登山客などで賑わう福島市民の心の山と言えるような山のようです。
超メジャーなこの安達太良山ですが、何故か毎回マイナーコースが選択される当ブログ
もちろん選択されたのはメジャーな東側からではなく、西側である裏磐梯方面からのアクセス。
沼尻コースと呼ばれる爆裂火口周回登山を今回は行います。
沼尻から登る安達太良山はアスレチック、秘境、湯畑、爆裂火口を通常の二倍位楽しめる気がする
など非常に愉快な登山となりました。
あいにくの曇り空の中でしたが、それを吹き飛ばす温泉パラダイス登山の始まりです。
安達太良山について
智恵子抄は皆さん国語の授業で習っことがあるのではないでしょうか?
「あどけない話」に書かれる安達太良山の上に毎日出ている空が本当の空という話ですが
東北出身者が東京に来て実家帰りたいなぁと思うのは当たり前のことで
家の近くにシンボル的に見えるこんないい山があれば尚の事かなと思います。
関東ってランドマーク的な山が無いんですよね……。
今思えば僕も実家の景色を思い出せば、大体三角形の十勝幌尻岳と日高の空が目に浮かびます。
日本百名山の一つである安達太良山は巨大な爆裂火口を持つ火山で、
周囲には吾妻山、磐梯山などが並びます、標高は安達太良山が一番低い。
しかし、目立って視界を邪魔する高い山は存在せず、
たしかに安達太良山から見る空は広く綺麗なのです。
安達太良山は北海道雌阿寒岳と非常に似ている山で、
樹林と火山性の赤茶けた稜線の開放感、良質の温泉が特徴的な山かなと思います。
何より温泉は本当に素晴らしく、
安達太良山の価値は7割は温泉にあると言っても過言ではないと僕は思います。
今回は温泉を最大まで楽しむためのコースである沼尻登山口を利用して安達太良山へ登ります。
裏磐梯に向けて大きな口を開ける安達太良山、その爆裂火口の縁を歩き続け
下山では爆裂火口の中へ降り立ち、日本有数の噴出量を誇る湯畑を通ります。
下山後はその湯畑のお湯が注がれる温泉へ。
コースタイム6時間程の満足コースを歩き、温泉を堪能する、安達太良山温泉三昧の旅です。
1.安達太良山日帰り登山に関して
安達太良山へのアクセス
公共交通機関を利用したアクセス方法(奥岳方面)
【新幹線】東京(6:04)⇒郡山(7:24) 8,200円
【電車】郡山(7:35)⇒二本松駅(7:59) 410円
【バス】二本松駅(8:15)⇒奥岳(9:05) 500円
【バス】奥岳(14:40)⇒岳温泉(15:00) 300円
【バス】岳温泉(15:37)⇒二本松駅(16:01) 500円
【電車】二本松駅(16:21)⇒郡山駅(16:45) 410円
【新幹線】郡山(17:05)⇒東京(18:24) 8,200円
合計運賃 18,520円 ソロで行くなら温泉で一泊したいところですね。
距離的、時間的には全然日帰りが可能です、ちょっとお高いですけど。
車を利用したアクセス方法(沼尻方面)
【高速】浦和⇒磐梯熱海IC 4,150円
【高速】磐梯熱海IC⇒浦和 4,150円
合計運賃 8,300円 ガソリン代を合わせると12,000円程度になるのではないでしょうか。
周辺施設利用料金
奥岳ロープウェイ 大人往復1,700円 子供往復1,300円
沼尻温泉入浴料金 大人700円 子供350円
安達太良山日帰り登山のコースタイム
沼尻コース登山口9:05→湯畑分岐9:45→船大明神前11:25→安達太良山山頂12:30→
乳首12:40-12:50→鉄山13:35→鉄山避難小屋13:45→石楠花の碑13:50→胎内岩くぐり14:20→
湯畑15:15-15:25→沼尻コース登山口15:50
合計登山時間 6時間45分(標準コースタイム 6時間00分!?)
登山地図のコースタイムだと6時間程度の周回ですが、どう考えてももっとかかるような??
今回の登山で使用したカメラとレンズ
2.沼尻登山口から登山開始
2017年6月17日 午前7時55分五百川PA。
安達太良山に向かうついでに山形の奥さんの家に顔を出そうという事で
奥さんと一緒に関東を出発、一路東北を目指します。
東北道ってやっぱり早いですね、高速道路の中でも随一のながらの速さです。
周りをすごい速度の車が駆け抜けていく、正直走ってて怖いってば。
午前9時00分、沼尻登山口。
安達太良山沼尻登山口までは試練の道でした、スキー場から上は基本全部ダートです。
パンクしない?大丈夫?と心配になる道を走り抜けなんとか登山口へ到着しました。
この時ばかりは本当に後悔、おとなしく奥尻側から来るんだったと思いました。
今のところ福島の登山で強烈な砂利道を走らされたのは
西吾妻山 デコ平駐車場コース
磐梯山 裏磐梯スキー場コース
田代山 猿倉登山口コース←一番ヤバい、オラついたダート
安達太良山 沼尻コース←new!!
メジャーコースを外れた瞬間パンクの恐怖が漲る福島の登山口事情でした。
駐車場につくまで不安な心持ちの奥さんでしたが、
駐車場に停められた大量の車と多くの山ガールを見てやる気を出してくれました。
安達太良山沼尻コース日帰り登山、プレイボールです。
裏磐梯側は晴れてるのですが、6月は太平洋側の天気が悪く、
この日も奥岳側は曇っていたようでした。
晴れてるとは言いつつも雲が多い安達太良山。
沼尻コースは爆裂火口から流れる温泉の川の側を歩くコース、最初の名所は白糸の滝。
樹林帯を元気に歩く奥さん、道端に生えてる笹竹を見つけてました。
竹を取る文化のない北海道民からしたら「え、それ食べれるの!?」という驚き。
午前中の奇麗な太陽光が新緑の安達太良山を照らします、透明感のある緑が辺りを彩る。
沼尻コースの樹林は結構深い。
背の高い木が少ない安達太良山、樹林帯もそんなに長くは続きません。
そして曇り気味だけども虫が少ない、ハッカ油スプレーが効いてるのか。
本当に虫が酔ってこなくなる神のスプレーだと思う、ただし、絶対に顔にはかけないこと。
気持ちのいい空模様だが徐々に雲が広がっていく、悲しい。
低木が徐々に増え森林限界間近と言った雰囲気を見せる安達太良山。
標高的には1,700m付近と高くはない山ですが、火山であるがゆえに地面の栄養に乏しく
雪もたくさん降る東北、木々は心なしか細いものが多かったです。
谷筋の逆側は緑が濃い、下山は向こう側を歩く感じかな。
沼尻コースはとにかく笹が多いです、そして地面には笹竹がたくさん生えており
すれ違う登山客のザックには大体笹竹が入っていました、
奥さんいわく東北の人は味噌汁にして食べるんだとか。
月山竹に比べると細いけど、これは十分食べれるよと教えてくれました。
北海道には竹を採取する文化はないので勉強になります。
最初の中継地点は湯畑の真上、そこまでは比較的つまらない樹林歩きが続きました。
午前9時45分、湯畑分岐。
湯畑との分岐ですが、正直湯畑に降りる道がわかりにくい、破線扱いだし。
かなりの斜度を持つコースで、地図上でも破線なので降りで利用はおすすめしません。
ちなみに帰り道でも結局使いませんでした、入り口がわかんなかった……。
湯畑方面の景色はこんな感じ、谷底には温泉地っぽい雰囲気のある設備がたくさん。
吹き出すお湯から湯気がモクモクと湧き上がる。
「今すぐ登山やめてあそこで野湯に入りたい」
そんな気分になるくらい強い誘惑がある景色でした。
気を取り直して、東北の奇麗な樹林をくぐり抜け山頂へ向かいます。
こちらが笹竹、少し育ちすぎている時期でした、もう1~2週前だとより良かったとか。
道中幾らでも湧いてるので多くの方が採取しながら登ってました、山菜取り登山と言うやつか。
ツマトリソウが咲いていました、妻を取るとかいう物騒な名前ですが
名前の意味は「鎧の威色目の一つである褄取りに似ているため」です、妻は関係ない。
サラサドウダンツツジ、ツツジ科って何でもあるな。
沢山咲いててかわいい、この時期はどこでも見れるものだけれども……。
こういう季節の花を撮るのも山の楽しみ。
山以外だと一切こういうのを撮影したいとは思わないのだが、山だと不思議と意欲が出る。
終わりかけのヤシオツツジが咲く山の中をずいずい進む。
奥さんは旭岳や九重山で脅威のスタミナを見せた経験があり、本気で山を登れば僕よりも全然早い。
山を彩るヤシオツツジ、今年一番見た花と言っていい、
夏山の時期まで長いこと楽しむことができる山の花。
春から初夏まで長いことツツジは咲き続けているもので、本当にびっくりします。
ムラサキヤシオツツジですかね、アカヤシオは葉が無いけどこれはあるので。
別名はミヤマツツジ、アカヤシオやシロヤシオに比べると遭遇率は低い。
さんさんと日が照りつける山の中で踊る花々、ハイキーな景色が目の前を彩る。
ハクサンイチゲがもう咲いているという季節に見るツツジはなんだか新鮮でした。
タニウツギ、こちらのピンクの花も開花しており、登山道を賑やかにしていてくれるのでした。
サラサドウダンツツジが一番猛威を振るっていた気がする。
新緑シーズンはレンズを開放にしてきらきら光る黄緑の背景を撮影するのが好き。
沼尻コースは所々こういったトラップが設置されています、
危険性はなく、普通にくぐり抜けることはできるでしょう。
標高も上がりそろそろ爆裂火口が爆裂火口らしい形になってきました。
裏磐梯側にむかって裂けてる火口だけども、磐梯山方面に何か降りて行ったのだろうか。
ダケカンバ??樺の木が生い茂る標高まで上がってきたということは森林限界は近いのかな。
雲が多いが、雲の位置が高いため展望はあり。
3.安達太良山のシンボル、爆裂火口の縁を歩く
残念ながら太平洋側から青空が失われてしまった、今日はガスの山頂を踏むことになりそう。
爆裂火口がきっちり見えることだけは救いですね。
火口の南側を歩いて山頂を目指します、この先に船明神山というピークがあり、まずはそこを目指して歩きましょう。
道は基本稜線となり、低木が生い茂る火山性の砂利の地面が広がります。
良いと思う、とてもいい火口だ。
荒々しくも真っ白な砂がカッコいいディテールを生み出している、そして雌阿寒岳よりもでかい。
スケールの安達太良山、臨場感の雌阿寒岳って感じか、個人的には雌阿寒岳が好きだけど。
どちらの山も下山後に最高の温泉が待ち構えているという事は確かだ。
穏やかな形をしてますね、鋭利なピークが少なく全体的に丸い印象を持ちました。
さて、ここまで来たらあとは稜線を歩くだけ、と思ったら大間違いでした。
真っ白な空の下爆裂火口をまじまじと眺めます、下流側は川が流れているっぽい。
本当の空は残念ながら曇りとなってしまいました、しかし言いたいことはわかります。
東京砂漠の空は狭いですから、自然あふれる郷里に帰りたくなるのはよくあることです。
この爆裂火口は何度も爆発を繰り返して出来たものらしい。
火山学者に詳しく説明を聞きながら歩いてみたいものだ、ブラタモリみたいな感じで。
ぐるっと回ってあっち側まで歩かなくてはいけません、
船明神山→乳首山(山頂)→鉄山とピークを踏んで湯畑に向かうわけです。
「船明神山ってどこ……??」
地図上では近くまで来ているはずと思った船明神山、画面右側の奥にあります、
沼尻ルートだとこの辺が迷いやすいところなので注意。
船明神山の手前には池がありいい景色が広がる、
青空なら水鏡もさぞかし綺麗に映ることでしょう、今日は曇りだけどな!
雪解け水が染み出して池を作っているようでした、雪渓のお陰で夏道が埋まっており
正しいコースがわからなくなることがこの辺では起こり得るので注意してください。
地面が踏み固められた砂で、稜線も比較的広いので何本も道が走ります、
見えている山頂に向かってそのまま歩くと崖にぶち当たります。
正しい道は池の南側、ピークを迂回する形で道が伸びているのでそちらへ向かいます。
ハイマツが生い茂る、火口付近から少しでも離れると景色が真緑になる。
沼尻コースの難所の一つがここで現れます、三点支持を意識すれば難なく登れます。
高さは5メートルもなく、足場もしっかりしている場所でした。
船明神山を越えて乳首山(山頂)への稜線へ、空が白くて涙が出そう。
安達太良山の乳首は今にも覆われんとしている。
山頂は乳首とみんな読んでいますが、ちちくびやまが正式な名前らしいです。
安達太良山の稜線はあまりアップダウンがありません、歩くのは楽ちんな部類。
火山性の砂利が地面を覆っているのですが、これが本当に最悪です。
雨でもないのに滑りまくります、細かい石が転がりブレーキが効きません。
下りではかなり注意して歩かないと足を滑らせて尻もちというのが発生しやすいです。
晴れている日や地面が乾燥しているがゆえに滑るタイプの地面でした。
爆裂火口見放題、裏磐梯から来るとすべての角度から爆裂火口を見ることができます。
火山と温泉をテーマに登るのであれば沼尻コースはかなりおすすめです。
4.乳首山から鉄山へ
奥岳コース側と合流、ここでとんでもない数の登山客と合流する。
奥岳コースの人気の高さに驚いた瞬間である。
トレランの方や家族連れが目立った奥岳側の登山客の方々、
爆裂火口を眺めて楽しそうな感じでした。
しかし、我々はまだ山頂を2つ残している……、先は長いので気を引き締める。
時折現れる青空がまるで今日の登山をあざ笑うかのようだ、
画面右奥の真っ黒な山頂(乳首山)を目指して歩きます。
午後12時30分、乳首山直下。
小学校の登山学習で子ども達がご飯食べてました、やはり福島の子供は安達太良山なんですね。
小学生の頃から登山学習があるなんて羨ましい限りです。
一応この場所で安達太良山山頂と言うことらしいが、
もちろその後ろにある乳首に登らせてもらおうか。
山頂においてあるアイテムには軒並み1,700mと書いてありました。
1,699mが正式らしいが、1メートルサバを読んでますねこの乳首……。
午後12時40分、乳首山山頂。
乳首山は5分もあるば山頂へ登れます、鎖やロープはしっかりと固定されているので
上に上がるのはそんなに苦労しないと思いました、山頂は思っていたよりも広いです。
安達太良山登頂です、おめでとうダッフィー。
奥さんと記念撮影してささっと下山します、なぜならガスで展望が悲しいことになっているから……。
それぞれの看板で書かれている標高が違うんだけどどうなっているんだ……ッ!
表記ブレかこれは。
午後12時55分、鉄山へ出発。
乳首から降り立ち鉄山を目指します、安達太良山山頂は大賑わいでしたが、
そこから先の鉄山はまた人が少なくなります、さよならメジャールート。
穏やかな形の安達太良山、
ガスがひどくなったときのためにケルンが所々に積み上げられています。
曇でも奇跡的に山の全景が見えたのは良かったです、
安達太良山の個性である爆裂火口が見えないなんて悲しくなってしまう。
壮大な景色でした、手軽に登れるし良いところです。
温泉がセットのこういう山って文句なしにいい山ですよね。
爆裂火口のベストポジションで撮影を終えたら次のスポット、鉄山に向かいます。
時折青空は見えるんですけど、なかなか雲が取れてくれません。
安達太良山の爆裂火口周辺の景色は最高に楽しそうなんですけど、なかなか全景が見えない。
緩やかな稜線の先に鉄山はあります、登り返しもキツくないのですんなり歩ける。
こっちから見るとまた違った姿の爆裂火口が見えますね。
夏目前の安達太良山、でも6月だと全然花がないです、本当に花の百名山なのか。
地面の雰囲気を見るにハクサンイチゲとかよりはコマクサが咲いてそう。
ただ、花の季節でなくても爆裂火口があるおかげで楽しめる期間が長いことは間違いない。
鉄山から鉄山避難小屋方面を見る。
だだっ広い景色が広がる、火山っぽい景色で大変興奮しました。
午後1時35分、鉄山山頂。
「ここが鉄山だよな……??(キョロキョロ)」
鉄山の山頂は大変貫禄に乏しく、本当にこれ山頂??と疑いたくなるものでした。
展望があればまた違ったのかもしれません。
鉄山避難小屋を目指しましょう、鉄山からはすぐです。
安達太良山最高峰は箕輪山という少し離れた場所にある山なのですが、
この避難小屋はそこへ向かう方々が使う小屋という印象が強い所です。
あれ、今更山頂晴れてるとは……、なかなかタイミングが合わないものです。
ガスってしまったのでまた登る山に入った安達太良山、次こそは晴れの日に登りたい。
午後1時40分、鉄山避難小屋
中を覗いてみるとかなりきれいな避難小屋でした、トイレも普通。
手軽に一泊できそうなんで安達太良をしゃぶりつくすのであればここはオススメかな。
青空と雲と大地って最高に気持ちがいい景色です、でも少し雲が多いかな。
風も適度に流れ、サラッとした空気があたりを駆け抜けます。
2017年は夏よりも梅雨時のほうが湿度が低かった……。
さよ~なら安達太良山、次出会うときは晴れた日に……。
ハイマツ帯を歩いて下山ポイントである胎内岩くぐりを目指します、
樹林帯まで続くこのエリアは歩いていて楽しいものがありました。
午後1時50分、石楠花の碑到着。
耳が生えてるのかと思ったらプロペラの羽がついていたようです。
なんでこんな特徴的な見た目にしたんだろう、
目の前にいきなり巨大なうさ耳が出てきたらビビるじゃないか……。
先を見ると磐梯山が……、多分あれは快晴だな!!と奥さんに自慢げに話すも無視される。
青空を取り戻す安達太良山、鉄山あたりは最後まで雲が渦巻いていたが、
乳首付近は開放されたようでした。
でもまぁ、雲の形なんてすぐ変わるし流れるのも早いので……。
午後2時00分、展望スポット。
鉄山からの下山中に展望のいいところを発見しましたが、断崖絶壁の上でした。
アレの先は気持ち良さそうだけど怖すぎて絶対に立てないな……。
そそくさと降りてゆく奥さん、こういう景色には興味ない模様。
三脚を立てて、頑張って自撮りスポットに立ってみましたが、
あまりに怖かったためだいぶ手前で踏みとどまりました。
すごい高度感です、怖いし危ないのでおすすめしません。
磐梯山側の天気は回復し、空から天使の梯子がたくさん降りています、
きれいな景色に感激しますが、できればこれ山頂で見たかったな。
ずいずい進む、どうやら湯畑付近はかなり晴れているみたいです。
午後2時20分、胎内岩くぐり到着。
沼尻コース北側の難所、胎内くぐりに到着しました、
難所とは言っても狭い穴をくぐり抜けるだけです。
「結構狭くない……??」
今までも似たような狭さの穴は潜ってきましたが、
ダントツで狭い洞穴です、カメラが壁にあたってイカれるかと思いました。
これ穴をくぐらなくても三点支持を駆使して上から降りることもできたみたいですね
上りの場合は壁を利用してチムニーの要領で登れそうだなと思いました。
5.湯畑、隠れた絶景スポットを歩き温泉へ向かう下山
胎内くぐりを抜けたらあとは湯畑まで下山するのみ。
そしてここからの景色がヤバかったのです、
火山の持つ独特の世界観を味わい尽くすことができる最高のスポットでした。
目的地は画面中央にある湯畑、コースは画面左側の谷筋に沿っています。
まずは谷に降りる、結構急な道を降りるので疲れました。
谷に降り立ち大興奮、なんだこの景色は……。
安達太良山の美味しい景色がこんな所にも、沼尻コースが一気に魅力を増した瞬間。
白い砂利と赤い砂、樹林ではなくハイマツに覆われた山肌、流れる川からは硫黄の匂い。
この非日常感はかなりヤバイな、何度も歩きたいぞこの辺と思いながら下山します。
山頂方面はすっかり見えなくなってしまいました、
その代わり空は青空を取り戻し、大地は個性的な雰囲気に。
「さすが百名山、いくつもの顔を持っているんだな」
そんなことを考えながら湯畑を目指します。
ガスの稜線を歩くよりもずーっと幸せな山歩きがここにはありました。
砂は割りと締まっており滑りにくく、景色も申し分ないためかなり歩いてて楽しい場所でした。
爆裂火口から続く川がザーザーと流れて行きます、
沈殿した成分の影響か川の色が赤い気がしました。
雌阿寒岳でも全く同じ色の川を見ています、
沈殿している成分は含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉らしい。
温泉で飲泉があったので試してみましたが、歯が溶けそうなくらい酸っぱかった。
湯畑までの距離はそこまであるわけではありません、短い距離を心に刻みつつ歩く。
一応谷間なので落石が多いです、それだけは注意。
雪渓の残る時期などは石が降ってくると大変危ないでしょう。
透明感溢れる川、地面の色も白っぽいため清涼感では抜群に美しいスポットでした。
大変気持ちの良い景色です。
岩稜帯を進み続けます。
岩道はわかりにくいことが多いです、ペイントやテープが各所にあるので観察を怠らないように。
沼尻南側の絶壁、八ヶ岳の硫黄とかが近い景色か。
川と一緒に山を下ります。
湯畑付近はガレ場の中に道を通したと言った感じ、山側の斜面に気をつけましょう。
午後3時15分、湯畑到着。
湯畑には湯の花のど真ん中には小屋がありますが使うことはなさそう……、
辺りには硫黄の匂い、下を流れる川(硫黄川)はいつの間にか白濁した温泉水が流れ込んでいます。
この湯畑は沼尻温泉、中ノ沢温泉の源泉となっており
湧出量が毎分13,400リットル(単一の湧出口からの湧出量としては日本一)という化け物湯畑です。
湯畑が見たいという理由で来た沼尻ですが、まさかここで日本一に出会うとは思いませんでした。
湯畑を通って最初のコースに戻る予定でしたがここでアクシデント発生、
戻る道が見当たらない……。
お湯の川が流れる、ここで全裸になって川で入浴といきたいが、奥さんの監視の目が鋭く断念。
でも絶対に気持ちいいと思うんです、野湯としては最高クラスの気持ちよさだろうな。
源泉です、ザバザバとパイプに流れ込む源泉の水の綺麗さに驚き。
エメラルドグリーンのお湯が最高に気持ち良さそうで、3分ほど流れるお湯を眺めてました。
登る道の入り口がわかんねー、と言う事で地図上では破線扱いの作業道を歩いて帰ることに。
沼尻登山道に戻る破線の登り口は後で写真で見返すとわかるのですが
歩いていた当時は気が付きませんでした。
崩落箇所もあるので基本禁止な道ですが他に帰る道が見当たらないのでしょうがない。
パイプを手がかりに作業道を歩きます。
物資運搬用のロープウェイってまだ使っているのかな?
パイプのそばを歩きます、不安になる奥さんを励ましながら先を急ぎます。
この道が破線になっている理由ですが、
作業用ということではなくて、崩壊が激しいからということらしい。
歩いてみてなるほどと納得できる位には歩いてて不安になる道でした。
路肩がない道が所々に現れ、結構怖い道になってます。
いつの間にかカンカン照りの太陽が照りつけていました、暑いな……。
崖の下には硫黄川が流れ続けています、温泉が流れる川にしては勢いがすごい良い。
白糸の滝、硫黄川が流れ込んだ先には滝が、シマシマの地層の中から豪快に溢れ出る。
距離が遠いのでちゃんと撮るなら望遠レンズが必要です。
豪快な崩落を見せる登山道、一応道自体はしっかりしているけどいつ崩れてもおかしくない。
慣れてない人にはお勧めできない下山ルートということか。
白糸の滝がだいぶ遠ざかってきた頃、ようやく終わりが見えてきました。
午後3時50分、沼尻登山口到着。
沼尻コース、結構がっつりな登山でしたね。
しかし景観の豊かさはかなり満足行くものだったのではないでしょうか?
序盤の樹林から船明神山までの景色、爆裂火口と鉄山避難小屋の景色
色々な景色が詰まったとても面白いコースだったと思いました。
沼尻コースまで頑張ってくれたラクティスに感謝です、
前輪駆動なのに結構きついダート走らせてごめんね。
すっかり青空を取り戻した安達太良山沼尻登山口の空、これが本当の空か。
今頃山頂も晴れてるのかなと考えると少し悔しい。
でもまぁ次回、奥岳側から登れるチャンスを得たということにします。
午後4時5分、沼尻温泉。
スキー場のすぐ脇にある沼尻温泉、林道を降りてきてすぐそこにあるこの温泉が
本日の日帰り入浴施設となります。
温泉の感想はひとえに最高、この時の風呂の気持ち良さは雌阿寒岳に匹敵しました。
山の中で見たあの源泉から湧き上がっていたお湯にようやく入ることができたと感動しました。
登山に強く結びついた温泉にそのまま入れるって本当に幸せです、
安達太良山をこれでもかというくらい楽しむ日帰り登山プランの一つとして
沼尻コースと沼尻温泉はとてもオススメです。
温泉の香りが強く、あっつーーいお湯が特徴的な沼尻温泉。
登山口のすぐそこにあるこのお宿の温泉を強くオススメします。
沼尻温泉の玄関の前にはすごい勢いで水を吹き出す井戸があったのですが。
その水おいしいよという宿の人の言葉に従ってガブガブ飲ませてもらいました、
風呂上がりということもあり五臓六腑に本当にしみた、ありがとう。
下山後は奥さんと一緒に山形へ。
奥さんの実家も近いし一晩を過ごそうということで、お世話になりました。
夜はもちろん芋煮、お店で出てくるような芋煮はとにかくおいしいのです。
僕は山形に住んでいた頃毎年芋煮を友達と河川敷で食べていたので、まさに芋煮は青春の味。
米沢牛と里芋が煮込まれたこくまろな芋煮をいただき、この日の登山を終わりとするのでした。
6.まとめ
安達太良山
磐梯山、西吾妻山、安達太良山、福島県は東北の中でもいい山に恵まれた場所ですね。
安達太良山は東からと西からでは随分と雰囲気の違う山でした。
西側は爆裂火口から伸びた火山の傷跡が印象的で、湯畑や磐梯山の展望に優れています。
単一の湧出口からの噴出量では日本一を誇る沼尻温泉、その源泉を歩くのはとても楽しいです。
登山と最高の温泉がセットになっていると考えれば、
そのクオリティの高さは納得できるといえるものでしょう。
どこから登っても山頂からは素敵な爆裂火口を見ることができます。
火山が生み出した圧倒的な景色をお手軽に楽しむことができるというのが、
安達太良山のいいところではないでしょうか?
標高も手頃で地元に根ざしたシンボル的な要素もある素晴らしい山、
次回は是非晴れた日に訪れたいと思います。
人生最高の山は続く。
安達太良山の地図はこちら
東北の山 (ヤマケイアルペンガイド) (ヤマケイ・アルペンガイド)
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この登山で役に立ったアイテム
プロテインバーを食べてました、たんぱく質が多いので腹持ちがよかった印象。
粉っぽいので水をたくさん使ってしまうのが難点です、筋トレ的にもよいのでオススメです。
SLIK 三脚 スプリント MINI II GM N 4段 旅行用三脚 106556
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三脚が欲しくなる山です、景色がいいので。スプリントは今のところ文句なしの良い三脚です。
負荷が2kgまで行けるので、フルサイズ一眼に単焦点くらいは余裕で乗せられます。
フルサイズにズームレンズの場合は怪しいかもしれません。
(シーダブリューエックス)CW-X スポーツタイツ ジェネレーターモデル (ロング丈) 吸汗速乾 UVカット HZO639 KO M [メンズ]
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長ズボンの下にCW-Xを履いています、汗を吸い込んでくれて、ズボンの内側を汚さないので
長時間の歩行の際にはとてもお勧めです。
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