【北関東】雲竜渓谷、氷の神殿と巨大氷瀑を味わう旅
氷の神殿と名高い日光東照宮の奥地、雲竜渓谷へ行ってきました。
2011年の山渓の表紙になって以来の冬の名所と聞きます、
道東育ちの俺からしたら層雲峡の氷柱郡とどちらが凄いのか見物だぜ!!と
意地の悪い息巻き方をしていましたが、雲竜渓谷の氷は素晴らしいの一言でした。
さて、そんな雲竜渓谷ですが水が素晴らしくきれいだそうです。
水→寒い→氷る→氷を使うと美味しいもの→ウィスキーがお好きでしょ?
と言うことで、雲竜渓谷の氷を使ってウィスキーロックを作る旅の始まりです。
ちなみにですが登山をするときに、山行中はお酒を飲んでは行けません。
今回はあらかじめ薄めのウイスキーでごく少量をテイスティングしています。
さて、まずは今回のコースタイムはこちらです。
北千住 6:18→東武日光8:25→瀧尾神社9:00→ダム下10:15→洞門岩10:45
→渓谷入り口11:10→雲竜瀑11:45→休憩1時間→渓谷入り口13:30→瀧尾神社15:00
→荒二山神社15:30→東照宮15:45→東武日光駅16:20
東照宮に入れるのは15:30までなので、今回は入れませんでした。
次回からはがんばって渓谷後東照宮をしゃぶり尽くすルートを取りたいと思いました。
ちなみに2018年にも再訪したので、その際の記事はこちらでどうぞ
登山客の朝は早い…、まだ太陽も上がっていないと言うのに毎回家を出ます。
この日は最寄り駅を6:18に出なくてはいけなかったので6時前には家を出発しました。
まだ貨物列車がばんばんとおってる時間じゃないか…
早朝とはいえ駅構内には人がちらほら、早朝出勤っぽい方が多い…
北千住でスカイツリーライン東武日光行きに乗り換えます、6:18分の始発でGOです。
日光線から見える日の出がまぶしいぜ…
ちなみにこの車両、北千住から乗るときは後ろ二両に乗りましょう。
前方4両は会津田島行きです、ぼけーっとしてたら鬼怒川から会津の奥地まで連れて行かれます。
ここは戦場という気持ちで駅のアナウンスに耳を傾けましょう。
案内板にこれが出ていれば正解です。
日光線の電車は雰囲気が有りますね、京急線よりもさらに古いぞ。
しかしビビるのは人の多さです、これ全員雲竜渓谷行きでした。
僕は最初前よりの車両に乗ってしまった為、途中で後ろの車両に移ったのですが。
全く座れる気配無しッ!!男は直立ッ!
電車に揺られること2時間近く…、今日と言う日を楽しみにしていた僕は
全く眠気がこないまま電車内で仁王立ちでした、途中何を考えていたのか思い出せない。
そうこうしている間に巨大な山容が見えてきました。
日光駅に到着です、電車の中でお腹を抱えていた僕は駅でトイレにすぐ向かいました。
トイレに行っている間に大半の登山客はタクシーに乗っていってしまったようです。
駅を出たら僕もタクシーを探します、
タクシー乗り場で待っていたら他の方が相乗りを誘ってくれましたのでお言葉に甘えます。
ところが今日は渓谷に行く人がめちゃくちゃ多く道が混んでいると言うことでタクシーが神社前で止まってしまいます。
しょうがないのでタクシーを降りて全ての道を徒歩で向かいます。
天気がいいので少し暑い…。
横を走っていくタクシーや自家用車を尻目に黙々と登っていきます。
空は快晴、いい滝を見れそうです。
こういう地図があったときはとにかく写真を撮ります、なぜって迷ったときにすぐ見れるように。
林道ゲートからは2つの選択肢が現れます、右と左です。
右はダム下から上がるルート、左は林道高巻ルートです。
僕はダム下から登るので先ほどの橋の有るルートへ向かいます。
こういうコンクリ以外の素材で出来た橋は本当に怖い。
幾つもの堤が築かれている川を上がっていきます。
なんか凄いでかいのがある。
川を上って30分くらい、ダムの下まで到着します。
巨大なダムの下には霧が凍って出来た氷塊、さらに虹まで。
既に巨大氷柱の気配がする。
ダムの下から右側の斜面を登って堤防の上に出ます、結構高度感が有るので注意です。
ここで対岸の林道ルートに合流する為に歩きますが、このまま川を登っていくルートも有ります。
因みに川を上がるのは危ないのでやめておきましょう。
向こう岸を目指して歩きます。
滝の上は氷でかちんこちんになってました。
川の中をわたらなくてはならないと言うことでしたが、大体水に足をつけることなく
渡れるように工夫がされていました。
新雪に大量の落書きがあるのを発見、とりあえず僕も「赤」と書いておく。
このダムの右側に人口の川があったようです、その名も「ω(いなり)川」
林道に戻ると結構な人と合流することになります、これで安心して進めます。
さっきまで僕以外はツアー客5名くらいしかいなくてビクビクしていたとこでした。
先は長いのである。
洞門岩に到着、時刻は大体10時45分
崖から下に数名の人がいました、沢沿いルートを選択するとはよほどの手練か。
すでに下には巨大氷柱が見えます。
氷柱を背に先を急ぎます。
小さな氷柱がルート上にちらほら出現し始めてきました。
テンションが上がってきたッ!!!!
ベアグリルスよろしく小走りでルートを駆け上がり、雲竜渓谷入り口へ到着します。
僕の脳は巨大氷柱との遭遇を待ちわびて興奮マックスです。
渓谷侵入開始です、既に小さい氷柱が何本も顔を出している。
そしてその奥には…
でました、ついに見ました!!
氷のカーテン!!カーテン オブ ジ アイス!!ワオッ!!
思わず外人口調になる位の迫力が有ります。
大自然の作り出す造形美に思わず口をあけてつったってしまいました。
穴の奥に広がるのは氷の世界。
シャンパンタワーみたいになってます、水の流れがそのまま氷になってるんだなぁ。
ですがこの氷のカーテンはまだ始まりにすぎません、雲竜瀑はもっと奥地です。
氷のカーテンを右手に奥へと進んでいきます。
この日は人が多かったため、すっかり道が整備されていました。
道中凄いつららが至る所に生えていました。
今にも落ちてきそう、ヘルメットをつけてない危険登山者なのでつららの近くには寄らないように気をつけます。
そしてとうとう雲竜渓谷核心部へ到着です、画面中央に見えるあれこそが裏面に入れる氷柱!
さっそく小走りで氷柱のうらに滑り込みます、
入り口はつららが落ちてきそうなので直ぐに岩の下へ移動しました。
確かにこの光景はなかなかお目にかかれそうにありません。
とにかくきれいな青氷です。
とりあえず抱きついてみる→とても冷たい→はがれない、困る
という流れを体感します。
2つの氷柱の間からは雲竜瀑が見えます、次の目的地点は雲竜瀑です。
滝の裏を通り雲竜瀑へ向かうルートに合流します。
しかし本当に凄い氷です、かき氷が沢山作れますね!
至る所に出来たつららと、落ちて来た氷をかき分けて進んでいきます。
こんな氷が落ちてきたらただではすみませんね。
こうやってで来た氷は美味しそうの一言。
下からでは雲竜瀑を見ることが出来ないので、高巻きの道を使って雲竜瀑へ向かいます。
この道が地味に高くて怖いので注意です、
道も狭いので滑らないように装備だけはしっかりとしたものを用意しましょう。
この渓谷は一体どこまで続いてるんだろう…、私気になります!
高巻きルートを越えるとついに、ついに雲竜瀑とのご対面です。
最初でかすぎて感覚がよくわかりませんでした。
その落差、100m
たどり着いた雲竜瀑はまさしくモンスターと呼ぶのに相応しい見た目をしていました。
日が照っていますがかちんこちんです。
しかも真下で密着出来る位近寄ることが出来ます。
とりあえずまずはご飯を食べる為に雲竜瀑の向かい川の丘に登ります。
感慨深くて思わず見つめてしまう、マジで恋した雲竜瀑。
今日やることを忘れたわけでは有りません。
「雲竜瀑の清い氷で作った至高のウイスキーを俺は作る!!」
この為にまずはラーメンとおにぎりを美味しく召し上がります、うん旨い!
食後はとうとうお待ちかねの調合タイムです。
今回は前日あわててファミマで購入した白州を使います
後日友人になぜもっといい酒を使わなかったのかと怒られますが、
サイズ的にこれくらいのものが少ないのでしょうがない。
雪の白州、僕の写真のゴールはいいちこです、あんな写真が撮れるようになりたい。
まずは氷を採取しますが、ぶら下がっているつららを破壊するのは景観破壊に繋がるので
地面に落ちている巨大なつららの破片をアイゼンで粉砕したものを使うことにしました。
少し砂がついている位気にしない、なぁに、ミネラルだと思って飲めば良いさ。
そしてついに完成です…、雲竜スペシャルロックウイスキー!
その味はまさに清涼、屋外だからかなんなのか、いつもよりも香が凄く強い。
撮影のためしばらく放置していたのですが、
水が溶け出てキンキンに冷えた雲竜スペシャルの味は非常にまろやか。
水で薄めてるとはいえ、旨い。
雲竜瀑の目の前で撮影していたので、通り過ぎる人達は皆ウイスキーに驚いていたようです。
そりゃそうだよね、こんなところでウイスキー飲む奴普通いないよね。
普通は飲んではいけません。
雲竜瀑の写真を心行くまで取ったら下山です。
アイスクライマーの方々が必死に練習をしていました。
雪山は楽しそうだけどああいう専門的な技術が必要なスポーツは出来そうにないな…。
第一高いところ怖いから無理。
天然のウイスキーを提供してくれた雲竜瀑に別れを言い、下山を開始します。
アディオスアミーゴ、また来年。
さて、お昼も回ってしまったので日が傾き始めました。
雲竜渓谷は日照時間が短いので早めの下山を心がけます。
しかし帰りは帰りで別の景色が見えてしまうので思うように速度上がらず。
寄り道で滝を撮りにきてしまいました。
このつららどうやって生えてるんだろう。
影になる部分が増えてきたので気温も急激に落ちてきました。
つららの奥のミクロな世界はなんか楽しそう。
渓谷に戻ってきた時点で1時くらいでした、
雲竜瀑には11時から12時くらいに到着するのが理想ではないでしょうか。
もうこの時点で何を見ても凄い凄いという適当状態。
しかし日は傾いているため渓谷内の気温は下がり続けています。
氷が真っ青です。
こんな素晴らしいものが見れるなんて、今日は苦労してやってきた甲斐が本当に有りました。
雲竜渓谷から戻ってきたら、後は林道を降りるだけです。
こっからは帰り道でただひたすら下るだけなので駆け下りるかのように下山を進めます。
林道ルートには展望台とかが用意されていたんですね。
帰り道はこちらのルートの方が楽でいいかもしれません、少し距離は長いですが。
帰り道を尋常ならざる歩行速度で日光東照宮に向けて進みます。
そう、お金をかけたくないと言う貧乏人根性がしみ込んでいるため
タクシーを一人で呼ぶなど言語道断と当時の僕は思っていたのです。
15:00、何台ものタクシーとの邂逅を重ねつつ、僕は滝尾神社に帰ってきました…。
何キロ歩いたんだろう…、けどこれもいい運動です。
子供が作ったような可愛い雪だるまの前でいったん装備をしまいます。
折角だから神社に参拝していこう。
この神社は面白いイベントがあって、この鳥居の真ん中の穴に石を3回投げ
石が入った個数で運を試すと言うものでした。
僕はやりませんでしたが、前にいたカップルが1回成功させていました。
僕はモノを投げるセンスがないのできっと0回でしょう。
神社の奥にはお稲荷様が。
耳もしっかり赤いお稲荷様久々に見た。
滝尾神社での参拝を済ませ、参道を下ると荒二山神社へ向かう分岐点が出てくるので
そちらの分岐を荒二山ルートへと向かいます。
ここから先はまさしく日光、巨大な杉が点在する林道は世界遺産級。
徳川が整備してきたのか、杉の樹齢はどれも長そうです。
分岐路から10分ほどで荒二山神社へ到着です、神社に来てみると僕以外の登山者は折らず。
車でやってきた観光客がほとんどでした。
僕のような貧乏人は日光に来たとなれば全てしゃぶり尽くさなければ気が済まないと言うのに。
縁結びの神社と言うことで至る所にハート形の飾りが。
でもこうやっておみくじが巻かれるとなんかまがまがしいですね。
参道の灯籠にはケルンが、なぜ小石を積んだし。
この日は15:30を越えた到着だった為、東照宮に入ることはかないませんでした…。
まぁ、建築の大半も修復工事中だししょうがないと言うことで、帰ることにします。
紙はどうかと思うけどこういう真ん中にドカーンと配置するだけのポスターは好きです。
神橋は一方通行なため逆から通ることは出来ませんでした。
わたれないほうが奇麗に写真取れるからいいもんね!
有名な金谷ホテルベーカリー!
あまりにお腹がすいていたのでパンを買うか迷いましたが、
時間も時間な為パンがそんなに有りませんでした、よってスルー。
日光市内を観光することなく駅に向かって歩きます、電話ボックスまで洒落乙か。
お腹空いてるから今ならこれくらい食べれそう。
湯葉やそばでも食べようかなとも思いましたが、なんか一人で入るのも気が引けるし
日光の湯葉は食べたことが有るので今回はパスすることにしました。
今後も女峰山や男体山で来ることがあるとおもうので、その際に頂くことにします。
なんとか16:15分に東武日光駅に帰ってくることが出来ました…、今日は長かった。
駅から直で登れない場所は下山後の道が長く感じます。
再び日光線準急で北千住へ、行きは閉まってたお店が軒並み開いていたため
いいにおいが駅に充満していました。
道中のあらゆる欲望を降るきり、最寄り駅のうどん屋で今回も勝ちどきを上げました。
やっぱり下山後は炭水化物に限るね!
と言うことでこの日はうどんとご飯をたらふく食べて終わりました。
日本は四季が豊かなのでその時期でなくては行けない場所が多く有ります。
その時期の旬をとらえようとすると選択肢が大分しぼれていく、今回の雲竜渓谷も
冬の時期ならではの場所だったと思います。
僕は美味しいお水が好きなのでその場所場所で水を大切にしていますが
今回の渓谷の氷で作るウイスキーのようなイベントは旅に一つ彩りを添えてくれると思いました。
今度からどこかに行くときはこのようなイベントを一つ持っていけるようになりたいものです。