【奥多摩】三頭山、雪に覆われた山頂と数馬の湯で癒される旅
奥多摩と檜原村にまたがる奥多摩三山の盟主、三頭山に登ってきました。
奥多摩三山は過去の記事の大岳山、御前山で二座に登っています。
今回は奥多摩三山最高峰の三頭山に登ろうと言うわけです、真冬もいいとこなのに。
三頭山は今までの登山旅行とはひと味違いダムの上の浮き橋を歩くと言うイベントと、
奥多摩随一の急登と呼ばれるヌカザス尾根という2つのイベントがあります。
そんなイベントだらけの真冬の三頭山の旅、始まりです。
東京の水は汚い、不味いとよく言われますが
奥多摩までいくとさすがに水も澄みきっているものです、
社会人1年目のときに鳩の巣のカフェの店主が行っていたのですが
「奥多摩ダムがあるからまだこの辺の水は汚い、ダムより上はもっと奇麗だ」
確かに日原方面の川などは水がきれいです、僕は登山が好きですが
そのうちやってみたいのが水源の旅です。
何かと言うと川になる最初の一滴をこの目で見るだけの旅です。
谷川や丹沢、北アルプスに行けば極上の水を飲めると信じて雪解けの季節を待ちます。
さて、今回は水がせき止められたダムの上を歩くことから始まる山、三頭山です。
今回のコースタイムはこちら
新宿7:44→奥多摩9:24→ドラム缶橋10:10→イヨ山11:20→ヌカザス山12:00→
三頭山山頂13:20→休憩30分→三頭山東峰14:15→都民の森15:30→数馬バス停→
数馬の湯16:00→武蔵五日市駅18:25
全体的に長丁場となっておりますので、
足に自身が無い方はホリデー快速よりも速い電車を使うのが良いかと思います。
奥多摩に行くときはいつもホリデー快速を使うのですが、朝に余裕があってとても楽です。
しかし、太陽が既に上がっている時間に出発と言うのは少し不安になるこのごろ。
新宿にていつものホリデー快速奥多摩に乗り込み奥多摩駅を目指します。
最近気がついたのですが、奥多摩は地味に運賃が高い気がします。
秩父や丹沢のお値段のお得さに比べると出る微妙な割高感が気になるぜ。
電車の中は相変わらずのハイカーばかりでした、眠りこけていつもの如く気がつけば奥多摩。
バスの路線図を見るとなんと、奥多摩からも大菩薩峠に行けるんですね。
ただ、やっぱり割高に感じるなぁ…。
大菩薩嶺は雪が溶けたら行ってみようかと考えている山です。
今回は前回の御前山と同じく奥多摩湖・鴨沢行きのバスに乗ってスタートです。
日原行きバスを見送り35分近くに出発します。
峰谷橋で降りますので間違えないようにしましょう、運賃は540円くらいだったような…。
とりあえずスイカに2000円くらいチャージしてバスに乗り込みます。
峰谷橋バス停に到着すると、バス停の前には最後の公衆トイレがあります。
用を足せる最後の地点になるので、ちゃんと利用してから山へ向かいましょう。
真っ赤に燃える峰谷橋を渡ってドラム缶橋へ向かいます、テンションが徐々に上がってきた。
これから挑戦するヌカザス尾根に向けて体が徐々に戦闘態勢に入っていくのを感じる。
橋の上では釣をしている方が数名いました。
このカップルは凄いハイテク装備で、釣り竿が勝手に動いていました…。
疑問なんですが、釣れたら食べるんでしょうか??
橋を渡ってトンネルを抜けるとすぐ左には橋への入り口があります。
今回は峰谷橋から来たのでこういうルートですが、神社側から来ると逆になるのかな?
今はドラム缶は使われていないようです。
出ました、ドラム缶橋です!ドラム缶使われてないけどドラム缶橋です!
ちゃんとかかっています、この橋はダムが渇水しているときだとかかっていないことがあるそうです。
今回はしっかりと三頭山に向かって道が延びているようで何よりです。
ギッシギッシ揺れてとても愉快な橋の上をわたっていきます、とても楽しい!
橋の上から見る湖面は奇麗な水鏡になっていました。
水鏡って幻想的だよなぁ…
橋を渡りきったら奥多摩周遊道路をたどって三頭山登山口へ向かいます。
日陰になっている方はかちんこちんなので、
今から向かうヌカザス尾根もどうなっているのか心配になる。
大体車道を1キロくらい歩きます。
道路の左側を見ながら歩いていると登山口が登場です。
こっから今日の長いヌカザス尾根登りが始まります。
階段を上るといきなり急な登りです、最初からちょっと強面だなぁ…。
尾根をずっと上がっていくので、最初に一気に標高を上げていきます。
息切しないよう歩幅を小さくして歩いていきましょう。
少し上がると雪が積もっていました、これくらいならまぁ、アイゼン無しでもいいかな。
雪がシャクシャクしているので歩き易いです。
この毛が生えた花は一体何が枯れた後なんだろう。
尾根道は時折両面が切り立った場所もあるので、気をつけて進みます。
秋の名残がそこらかしこに、山菜取れるのかなこの山は。
言うほどでもない登りをある程度歩くとイヨ山に到着します。
登りがキツくなるのはここからなので、覚悟をして登りましょう。
覚悟完了ッ!!
この日は午後から曇りと言うことでしたが、最後まで曇ることはありませんでした。
いい天気なので、今から富士山が楽しみです。
場所によっては岩が露出しています、これなら歩き易いんだけどな。
いいくびれ、いいねじれをした杉が沢山生えています。
登りがキツくなってきました…、確かにこういう登りの連続なのでキツいかもしれない。
しかも日陰側なので場所によっては凍結しています、滑らないように注意して登ります。
大体ここでアイゼンをつけると後が楽です。
登り終えるとすぐに次の坂が見えます、確かに人によっては心をくじかれるかもしれない。
でもこんなことでへこたれていては谷川や北アルプスへは行けません。
早く登らなければいいだけで、ゆっくり確実なペースで登っていきます。
なんというかカラフルな木です、絵の具で塗ったような色をしている。
手をかけようとしたら巨大な猿の腰掛けが生えていました。
茸触れないのでとっさに隣の木に手をかけてしまいました。
この辺で林道作業員の方々が作業をしていました、
山深いところなので朝の何時に入ったのかが気になるところです。
ヌカザス山を越えて三頭山ルートへ向かいます、ここはムロクボ尾根との合流地点。
ムロクボ尾根から登ってきた人はあまりいないようでした。
とは言ってもヌカザス尾根についてるトレースも3〜4人程度のものですが。
ブナの巨木がこの辺から増えてきます、紅葉の時季に歩いてみたいものです。
杉の木がなくなってきて、道も明るいので歩き易いですが。
地面は凍結しているので慎重に歩きます。
緑で覆われたこの場所はトンネルのようで面白かったです。
シャクナゲか何かのようなので花が咲くかもしれません。
坂を上るたびに、ある特定の地点で雪質が変わります。
最初は木から落ちてきた露で穴があいた堅い雪、次にそれがなくなって表面が堅い雪
その後は粒が氷の様になった目の細かい雪です。
後者は雪が締まってないので滑り易いのでアイゼンをつけた方が良くなります。
標高1300近くもなると雪が大分深くなってきました。
数時間前についたと思われる踏み後を僕もたどっていきます。
落書きポイントがあったので僕もお邪魔して赤って書いておく。
普通の登りであればただ登るだけなのですが、雪が積もっているため時間がかかります。
急な登りに加え滑り易い雪が合わさってなかなか速度が上がりません。
すっかり見た目は雪山になってしまいました。
この時点で割とつかれています。
この日は行動食にスニッカーズを持っていたのですが、全部食べてしまいました…。
寒いのに汗が結構出る、言いたくないですが夏は登りたくないですね…。
標識が結構埋まっていました。
写真で見ると対した傾斜ではないのですが実際はかなり急です。
そして登場する岩場。
足下はこんな感じで30センチくらい雪が積もっています。
トレースを踏まないと余計な体力を消費してしまいます。
最初にラッセルした人凄いな…、僕はこの程度でもまだ無理です。
25になる前に登山はじめておくんだったと後悔の念が沸いてきます。
雪質が新雪とあまり変わらなくなってきました。
雪がサラサラなので坂に入るとどうなるかが怖いところです。
パウダースノーと言うわけではないところが怖い。
途中革がめくれまくった木が生えていました、うーんこの…
ちょっときもいな…。
革のめくれた木からは一気に高度を上げる最後の登りになりました、
トレースは途中で西峰と中央峰に続くもので別れており、西峰は1個のみだったのですが。
西峰にとっとと登っておきたかったので、西峰に直登しました。
そして、念願の奥多摩三山最後の一座、三頭山山頂へ到着ですッ!
結構つかれた!!
山頂から真っ先に目に飛び込んできたのは、感動的な富士の姿でした。
塔ノ岳からみた富士山も奇麗だったけどこちらも抜群の見た目です、
特に今日は裾野に霞がかかっていたため、空に突然富士山が現れたような姿になっていました。
本当に堂々としていて素晴らしい!
さて、今回も一人なので素早くご飯を済ませます。
雪のおかげで大分時間をロスしてしまいました、既に13時を回っているので急いで下山準備をします。
お湯が沸くまでの間、山頂標識をつかった撮影会に入ります。
一人だけどな!
山頂標識の上に座ってみる、これあんまりやっちゃ行けないような気がする…。
小心者なので一応ごめんなさいと言いつつ登る、僕の向いている方向には雲取山が鎮座してます。
雲取山の尾根も白いですね、百名山なので早く登ってみたいのですが。
僕はテントがないので避難小屋泊か山小屋泊で行くしかない場所です。
赤いテントが欲しいなぁー!
モンベルには赤いテントがないので、どっか別のところのを探さないと行けないようです。
山頂を満喫したので西峰を出て中央峰を経由して都民の森に戻ります。
誰かが作った雪だるまがぽつんとおかれていました、誰もいなくなった山頂は少し寂しいですね。
中央峰ッ!!
東峰ッ!
東峰の展望台からは御前山と大岳山が見えました。
世の中には三頭山から大岳山までを縦走する猛者もいるようです、
ゴール地点が奥多摩駅なので秋の朝3時とかに出発すれば出来ないこともないかもしれない。
御前山だとおもうのですが、誠にピラミダルな山容です。
ここで写真を撮っていると後ろから大声でなにか聞こえてきました、
どうやら写真を撮ってくれと誰かが叫んでる様子、特に用事もないので向かってみると、
なんと宝登山で写真を撮ってあげた中国の方がそこにはいました。
他の山であった人にまた合うなんて奇遇ですね。
王さんと言う方なのですが、写真を撮った後に装備が装備だったので一緒に下山することに。
底の平らなスニーカーでよくこんなところにきたな…。
冬の三頭山は雪山なので、3シーズン対応の登山靴か厳冬期対応の登山靴は絶対に必要だと思います。
とりあえず、先頭でエスコートしつつ都民の森へと降りることにしました。
都民の森側ですがこちらは北側斜面になるので地面が非常に滑り易くなっていました。
後ろをついてきている王さんはつるんつるん滑って何回も転んで心配です…。
この日僕が持っていたアイゼンは12本なのでスニーカーにはつけることが出来ません。
のでとりあえず踏み後をつけて下ります。
雑談をしつつ降りていきますが、地面の様子を見るのに必死です。
日も暮れてきたので気温も下がってきました、とっとと降りて温泉に直行したいところです。
夕暮れの山は誰彼時と言うのがしっくりきます、
そこにいるのが人であっても物の怪であってもわからない、そんな怖さがあります。
急いで降りてきたためなんとか15:15には都民の森合流地点に降りてくることが出来ました。
ここまでくれば駐車場はすぐそこです。
小屋はどうやら立ち入り禁止のようです。
階段は積雪で滑り易くなっていました、まだ気が抜けません。
この階段を抜けると都民の森の施設に出ます。
都民の森の施設を通過すると5分もしないうちに駐車場に到着です。
ようやく人が沢山いるところに帰って来れたと言う感動がありました…。
王さんもお疲れさま、その装備で下って来れたのは正直凄いと思う。
チャリダーの聖地なんでしょうか?
チャリダーの像が建てられていました。
ちょうど数馬行きのバスが出る直前だったのでそれに飛び乗って数馬へ向かうことにします。
2月は武蔵五日市行きの急行バスが運休しているそうです。
バス時刻表が見づらかったのですが、運休は急行のみで普通バスは大丈夫とのことでした。
現在時刻は16時前、数馬からは17時台にもバスがあったはずなので、温泉へ向かうことにします。
と言うわけで秘湯蛇の湯と数馬の湯で迷ったのですが、
バス停の温泉センター前と言うこともあるので今回は数馬の湯にすることにしました。
毎年秘湯霊泉寺温泉郷に行ってる身としては秘湯も心引かれたのですが…
(日本秘湯協会の会員の湯を巡る旅って言うのも面白そう!)
また今度紅葉の季節に来ることを決めて数馬の湯へ直行します。
数馬の湯までは数馬バス停から数分下ったところにあります。
数馬の湯でお風呂とサウナを満喫しましたが、この世のものとは思えない至福の時間でした。
登山後の温泉は最高に気持ちがいいです!全ての疲れが流されていく感じがたまりません。
風呂から上がった後はコーヒー牛乳で勝ちどきを上げます、甘味最高!
数馬の湯には伝統芸能品と思われる能面が大量に飾られていました。
能面っていろんな種類があるんですねぇ…。
大黒様マジで黒い、能面と狂言面で種類がどうやら違うようです。
確かそんなことを大学の日本美術史で習ったような気がする…。
お面と露天風呂とサウナを満喫したら、名残惜しいですが武蔵五日市へと帰る時間がやってきました。
バスの時刻は17:32です、それ以降は19:05の終車になってしまうので注意しましょう。
バスに揺られること1時間ほどで武蔵五日市へ到着です。
電車に揺られて無事に東京へと帰ることが出来ました、
今回行動時間が割と長かった登山な気がする…、家に着いたのは大体8時くらいでした。
御前山に続き雪の奥多摩を登ってきました、奥多摩と言えど積雪はあるので
冬に登る際はアイゼンが必携ですね、6本か12本があれば事足りると思いますが
三頭山は斜面が急なので12本があると安心だと思いました。
奥多摩三山は全て冬には行ってから登ったので、
次回は是非紅葉の季節やカタクリの季節に登ってみたいものです。
登山後の温泉は全く持って最高の入り心地なので、
その土地の温泉をじっくり味わうことを念頭に置いて今後も登山を続けたいですね。