【奥多摩】御前山、新雪に埋もれた奥多摩の澄み切った空気を感じる旅
一月後半の積雪後、新雪が積もっているであろう奥多摩へ雪山を楽しみに行ってきました。
冬山と言うにはほど遠い積雪量ですが、冬の山の楽しさを教えてくれる旅になったかと思います。
3月にはカタクリの花が咲くと言う御前山、今回は雪に覆われた真っ白な山肌を登ります。
早起きは三文の徳ということわざが有ります、
仕事柄終電近くまで会社に居ることが多い僕は朝遅いことが多く、早起きとは結構無縁です。
しかし、いざ早起きをしてみるといろいろなことが捗ります、仕事なり趣味なり…
こんなに清々しいなら毎朝起きても良いかなと思いますが…、
「そんなに人間できてないわ」と諦めてしまうのが落ちだったりします。
さてそんな中、早起きをして三文分得をしてから登山に出発です、
目指すは新雪に包まれた御前山、雪の山に初挑戦です。
早朝の空気はさすがに東京と言えど澄んでいます。
程よい空気感の中、新宿で7:44分の電車に乗る為駅へと向かいます。
ここからはいきなりすっ飛ばします。
なんせ7:44分ギリギリだったもので写真を撮る暇もなかったのです。
今回は通常ルートとも言える奥多摩湖から境橋に下るルートを逆走します、
なので奥多摩駅から奥多摩湖行きのバスに乗り、境橋で下車です。
今回のコース
奥多摩駅9:30→境橋9:45→栃寄体験の森11:00→御前山12:40→
休憩13:00 まで→惣岳山13:20→奥多摩湖15:23分のバスで移動→奥多摩駅15:40
境橋から栃寄体験の森まで行く為に寄り道をしているので、遅めのコースタイムです。
早朝の奥多摩はいつもと雰囲気が違いました、明らかに人が少ない。
そしている人間は全員【ガチのガチ】な顔をしている…、これが雪男ってやつか…
とまわりにビクビクしながら鴨沢行きのバスに乗り込みます。
バスに乗ったら荷物からスパッツを出してとりあえず装着させていただきました。
奥多摩バスの車窓から見える景色はいつもより白く、空気は青みがかっていました。
耳をつんざく寒さと言うわけではないですけど、雰囲気よしです。
境橋でバスを降りる人間は僕以外にはいませんでした、逆走なので当たり前かな。
これから立ち向かう奥多摩の自然に俄然やる気が出ます、上の方はここから見ると真っ白です。
すぐ隣にはトンネルが有ります、ちょっと気になって写真を撮ってしまいました。
トンネルから逆方向へ引き返し、橋の奥多摩駅川へ向かうと栃寄体験の森へ向かう道があります。
コンクリの道がずっと続きますが、この道を体験の森までずっと登っていく作業が始まります。
1.5キロと書かれていますが、
除雪後のアイスバーンの道を上り詰めるのはなかなか時間がかかります。
道中は影となった斜面なので、非常にひんやりとしています。
雪はこの時点で30センチほど積もっていました。
栃寄森の家は雪が積もっていました、結構立派な宿泊施設のようです。
体験学習とかには確かにもってこいかも、僕が小学生の時行かされた大雪の施設よりは遥かにマシ。
新雪が舞い降りて木々は白化粧です。
足下は雪が積もっています、一応トレースが3人分ほどあるのでそれをついていくことにします。
足跡の雰囲気から一本前位のバスで来たと予想(約1時間前)
さすがに追いつくことは無理そうです。
雪の奥多摩は今まで僕が見てきた奥多摩とは全く違います。
さらに難易度も4割増くらいか。
今までが難易度「易」であれば難易度「中」位は有ると思います。
木々に積もった雪が時折風で飛ばされていきます。
太陽に反射してまるでダイアモンドダストのようです。
いつもよりも日の光が神聖なものに感じる。
逆走ルートは舗装路を上がっているだけでもこれくらいの高度を稼げてしまいます。
そのかわりなかなかに舗装路の傾斜がきつく時間がかかります。
下を向いても砂のように新雪がまとわりつくので、上を向きます。
すると滑りそうになります、この時期の奥多摩は最低でも6本爪のアイゼンが必要と言うことがよくわかりました。
栃寄森の家をでて30分ほどで最初の道標が出現します、長かった…。
時間よりも遥かに長く感じる道のりでした、これも全部雪のせいだ JRSKISKI。
大滝の前にはトイレが有ります、ここからは奥多摩駅までトイレは有りませんでした。
大滝からは登山道と体験の森の整備された道を交互に登っていきます。
道が細かく交錯しているので迷わないように注意です。
こちら側のルートですが、トレースがなかったら間違いなく遭難する。
正直歩いてる時トレースがないことを想像しましたが、僕は道を見失う可能性が高いと思いました。
雪山は怖い、ちゃんとしたルートを外れないように心がけなくては行けませんね。
森の中は傾斜がきついですが、ゴウゴウ言う木のせせらぎが心地よいです。
この海辺のような音が昔から好きでたまりません、広葉樹の森に来たと感じます。
トレースを追って必死に高度を上げていきます、
速度を上げて登っていたので、今までにない位汗が吹き出ていました。
関東にいながら東北クラスの雪が味わえることに感激してしまいました。
この時期の高山に行けば北海道のような雪が味わえるんだろうな、
素直に家に帰れよとも思いますが、家に帰っても実力的に登れる山がありません。
御前山までは1時間50分というコースなのですが、雪で遅れると思っていました。
遅れると思いかなり巻で歩いていたら結果1時間40分で登れたようですが、
雪の中ではコースタイム+30分くらいを見た方が安全かもしれません。
風が吹けば顔に雪が当たります、体が大分熱いので痛気持ちいい♡
歩き易そうに見えますが左側は崖になっているので注意して歩きます。
道標から30分ほど登るとはじめて人の声がしてきます…。
ようやく人が…、人と合流出来る…!!今まで一人で不安になりながら登っていたので
他の登山客と合流出来るとなってテンションが上がります。
避難小屋はログハウス風なのですが、窓が大きく現代的な作り。
本当に避難小屋なのかを疑うレベルのオシャクソハウス!
向かい側から来た方と中を開けてのぞいてみましたが、とても奇麗な小屋でした。
避難小屋を出ると15分もしないうちに山頂に着くこととなります。
避難小屋からは安定の階段、しっかり凍結しています。
12:40分近く、山頂に到着しました…。
途中写真取ったり水が取れなくて一々ザックを下ろしたりで相当時間のロスをしたはずですが
根性溢れる登りでなんとか早めの到着です。
山頂からまず見えたのは…、方角的に言うと丹沢かな?
富士山が右側に有るので多分丹沢でしょう。
まずは食事です、今日はチリトマト味です。
隣のお兄ちゃんがバーナーでお湯が沸かずにいたけど、バーナーのガス栓が開いてなかった気がする。
僕もバーナーのガス栓開けずにお湯沸かないのを筑波で味わいました…
なので今回も魔法瓶に熱湯を持参です、お湯沸かすのめんどいからそのまま作ります。
ラーメンでお腹を満たしつつ、今回は山頂デザートとして
クレープパフェを用意しました、山頂でスイーツとか贅沢だよね!
天然の冷凍庫のおかげでめちゃくちゃ冷たいし!
スイーツと御前山の2ショットです、これの前に写真を撮っていたおにいちゃんは
まどか☆マギカのぬいぐるみを立てかけて写真を撮っていました。
そういうの割と好きよ、うん。
僕はトレードマークが服が赤いこと以外はないので、何か欲しいですね。
ウイスキーでも常に持ち歩いてようかしら。
とりあえず三角点を踏んでおく。
山頂でデザートも食べ満足したので、下山することにします。
展望はないし、雪はもう散々楽しんだし鳥の巣は超見たので後は下るだけです。
冬の奥多摩のびっくりする位澄んだ空気を肺に満たして、下山開始です。
惣岳山へ向かう途中からはおそらく三頭山と思われる奴が見えました、
奥多摩湖から伸びてる長い尾根がヌカザス尾根かな?
画面中央左が月夜見山かな?
三頭山から御前山大岳山ときて御岳に降りる縦走も有るそうですが、
出来ることならやってみたい。
歩いていると突如目の前に富士山が姿を現します。
この時期はどこからでも富士山が見えていいですね、立派な富士山でした。
またいつか登ってやりたいです。
惣岳山までは整備された道を進んでいきますが、整備されて人も通ってるが故に
道が凍っていません。
アイゼンつけていると逆に歩きづらい…。
大ブナ尾根は木のせせらぎが心を癒してくれる癒しの登山道…。
風が吹くたびに雪が空を舞います、尾根ではその様がとても奇麗です。
大ブナ尾根は風が強いようで、木の片方に雪がびっしり積もってる状態になっていました。
氷樹って感じにはならないところが良いですね。
暖かいため場所によっては雪が溶け始めていました。
惣岳山ではカメラを使った撮影タイムです。
なかなかに自分を上手に取ることが出来ません。
惣岳山山頂から出るとすぐそこにミステリーサークル的な岩場が有りました。
この岩場が見えたらもう山頂はすぐ!
岩場を後にして新雪の中を軽快に滑り落ちていきます、正直すげー楽しい。
空も文句無しの快晴であっぱれです。
大ブナ尾根は丹沢の大倉尾根のようにひたすら登りが続く尾根道なため
登りで使うと結構しんどそうだなと感じました、下りで使うと滑るように降りれるため非常に楽です。
足跡のない雪って良いよね。
松はいつだって緑です、たまには黄色や赤になってほしい。
途中猿の腰掛けの木が有りました、小さいサイズの猿の腰掛けがびっしり生えています。
茸嫌いの僕からすると少し気持ち悪い。
こんなん削って漢方にしても体には悪そうに感じてしまう。
手書きの看板を目印に尾根道を下っていきます。
地面が雪でふかふかなのでトレースを踏み外しても快適に歩けます。
でもあんまりやっちゃ行けないので直ぐに戻りましょう。
ブナ林がいつの間にか杉林に戻ってしまいました。
しかし西日がいい感じに木々の合間から僕を照らしてくれます、太陽は偉大やでぇ…。
サス沢山を下ると奥多摩湖が見える広場にぶちあたります。
うへへ、奥多摩湖がこっからなら丸見えだぜ…。
右側に伸びていく尾根は七ツ石山に行く尾根かな?
僕は今から指差す場所に向けて降りていきます、この先の下りが凍結していたため
大体時間にして1時間くらいかかりました。
次来るときはあの浮き橋を渡って三頭山に行きたいな…。
出来れば新雪の後に登りたいですね。
奥多摩随一の急登とやらを味わいたい。
画面中央奥に見えるのは今倉山、手前が鹿倉山でしょうか。
右側にとげとげした奴もいるな…。
画面奥方向は飛龍山ですね、飛竜の谷を越えて飛竜草を取りにいくのか…。
今は懐かしいFFの思い出に浸ってる場合じゃなくて、とっとと下ります。
奥多摩湖に面しているので風がとても強くなってきました。
尾根も少し細く、画面右からは強風が吹き荒れます。
雪とか葉っぱが顔に当たっていたい…。
奥多摩湖の水面が奇麗ですが、こっちを向くと風が…。
凍った斜面を急いで降りてきました、この看板が出てくればもうゴールです。
ダム公園に到着です!いやー、下りが長かった…。
こちら側に歩いてきていた人は3名ほどで、
ピッケルのならし運転をしていると思われるおばちゃんが僕より先に降りていました。
地図を見て山を確認します、雲取山に登るのはいつになることやら…。
時間さえ許せば日帰りでいないこともなさそうだけど、やめておこう。
斜面は太陽の影になっているので雪でかちんこちんです。
奥多摩湖ダムにもやはり慰霊碑が有るんですね、ダム建築にはつきものだな…。
僕の地元にも糠平と朱鞠内に大きなダムが有りますが、慰霊碑の周りは気温が低い。
奥多摩湖ダムをはじめて見ました、結構でかいな!
きっとイワナとかが釣れるところなんでしょう。
ダムから下は渓流になっています、普段鳩の巣とかで遊ぶときはこの水を使ってたんですね。
今度からはダムより上流に行ってみることにしようと思いました。
鳩の巣の宿のおばちゃん曰く、ダムより上のほうが水がきれいとのことなので。
まだ15時なので西日とは言えど太陽は高いです、しかし雲が出てきていました。
少し遅れてたらとんでもなく寒い目にあっていたかもしれない。
15時23分のバスで奥多摩駅に帰ってきました、後は東京駅に帰るだけです。
lowaの靴とはいえ、さすがに新雪の中を歩き続けたからか少し濡れていました。
中は全く濡れてはいませんでしたが。
しかし、本格的な山に行く場合はバイスホルンのような厳冬期対応靴が絶対いりますね。
まだ明るいうちに奥多摩とグッバイです。
東京に戻ってきたらうどんで締めます。
登山後はお腹が減っているのでとにかく何でも食べれてしまいますね、
猛烈に肉が食べたくなるのですが、ここは我慢して炭水化物のみを摂取しました。
雪山と言うにはおこがましいほど雪が積もっていませんでしたが
僕にとってははじめての雪山登山と言える登山になりました。
奥多摩は秋から登っていますが、冬の澄んだ空気の時期が最も景色がきれいに見える気がします。
装備としては普段の冬用のウェアに6本爪アイゼンで立ち向かったのですが
特に滑落することなく降りて来れたので、6本爪があれば問題なさそうです。
中にはアイゼン無しで登ってきた方もいましたが、無事に下れたんだろうか…。
展望はそんなに良くない山ではありますが、一カ所だけ富士山のビューポイントが有り
晴れていれば巨大な富士山と左手に三頭山を見ることが出来ます。
新雪の奥多摩を覚えてしまったので、次回は是非三頭山へ登ってみようと思いました。
その前に冬の川苔山も気になる…