Red sugar

山と写真とカメラが趣味の人にお勧めな登山ブログ、全国の山の登山情報と山岳写真情報を書いています

【奥秩父】金峰山、奥秩父の盟主にして五丈岩を擁する名峰を登る百名山の旅

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2015年8月23日、奥秩父は金峰山へ行ってきました。

思えば今年の夏は常念岳~燕岳縦走に続き、週末は必ずどこかに出かけていた。

それ位土日の天候に恵まれた夏だったと思います。

しかし、そんな夏もお盆過ぎから天候が怪しくなり、ぐずついた天候が続くようになりました。

金峰山に上った当日も関東地方は雨

奥秩父地方の金峰山・瑞牆山がかろうじて晴れるかもということで

わずかな望みを託し、金峰山へ向かいました。

 

結果はいつもの「山頂で青空に恵まれる」というパターンで、

展望こそ得ることは出来ませんでしたが、

青空に映える五丈岩をこの目に収めることができました。

 

仏様が積み上げた様な、不思議な五丈岩。

奥秩父の盟主とも呼ばれる金峰山登山の旅、始まりです。

 

 

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20158月23日、日本全国雨模様。

かろうじて晴ると言われた金峰山も、秩父から吹き上げてくる雲に囲まれて真っ白だ。

熊谷を出発し秩父から大弛峠まで車で来たが、秩父はとんでもない土砂降り。

今日の登山は終わりかなと塞ぎ込んでいたのだが、なんとか天気は保っている。

 

予想よりもはるかにイージーな登山道だが、曇りということもあってつまらない道が続く。 

 

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水の音など聞こえることのない稜線を歩き続ける。

特に登ることもない、平坦な登山道をただひたすらに歩き続ける。

登っているんだか降っているんだかわからない不思議な登山道だ。

夏も終わりにさしかかってゆく中、キノコが至る所に生えた金峰山登山道

ひたすら山頂を目指して歩き続けた。

 

 

雲の金峰山は展望好き、稜線好きな方にはとても辛い場所でした。

今回後半奇跡の天候回復を見せますが、なかなかそれまでは辛い部分がありました。

金峰山への登山よりも大弛峠までの道のりが辛いという特殊な登山になりました。

 

コースタイム

大弛峠登山口950→鉄山11:15→金峰山山頂11:45→五丈岩12:00 〜12:45→登山口14:35

超短い!!

 

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8月23日早朝、僕は熊谷へ向かう電車の中にいました。

今回は登山ブログを始めたナベ氏と一緒なのですが、合流の最寄りが熊谷ということで

秩父からトンネルを抜けて奥秩父を目指すというルートを選択。

 

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熊谷から秩父へ向かいましたが、秩父は完全な雨。

悲しいくらい山の合間に雲がかかっており、絶望的な気分になってきました。

きっと雁坂トンネルを抜けたら雨が止むと信じていましたが、

トンネルを抜けると本当に雨が降っていなくて驚きました。

 

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8時20分、奥秩父登山の拠点となる道の駅みとみへ到着しました。

ここからもう少し甲府側に下ったところに大弛峠への入り口があります。

すでにここまで3時間近く車に揺られており、

ここからのワインディングに体が耐えれるか心配です。

 

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大弛峠、金峰山登山口前駐車場までの道のりですが

控えめに言っても地獄のようなワインディングでした。

車酔いする人は確実に酔う、間違いない。

 

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9時50分、朝4時の起床から5時間経ってようやく登山口に降り立つことができました…。

ようやく登山を始めることができます…。

今回はすでに体力と精神が削られていたので、国師ヶ岳には行きません。

 

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目指すは金峰山、西側に行けば行くほど晴れ間に恵まれる可能性がある。

ということなので、一縷の望みを託して出発します。

 

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金峰山山頂までは尾根沿いの稜線をひたすら歩くだけのイージールート。

これはただの作業に過ぎない、プレイボールだ。

 

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スタート付近からすでにつまらなそうな森が僕らを待ち受けています。

 

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朝方雨が降っていた森はたっぷりと水を含んでいます。

泥でグズグズの登山道を歩いていきます。

 

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ナベ氏はパシャパシャと写真を取ってくれますが、僕は黙々と進み続ける感じに。

ていうかナベ氏のNIKONいいなー、僕もFマウントに変えようかな。

 

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登山道はこのような感じで細い白樺が左右に竹のように展開しています。

 

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展望がない。

 

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展望がありませんが、夏のこの時期はやはりキノコです。

テングタケが生えていました、やっぱり毒ばっかりだな。

 

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安定のイグチ科ヤマドリタケ、色的にハナイグチに近い見た目をしていますが

濡れてるから似ていただけだろう、ハナイグチはもっと黄色がかった茶色だし。

 

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よく見かけるけど名前がわからない。

 

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ヤマドリタケっぽい奴、なんかスマートだ。 

 

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一歩歩けばキノコを見つけることができます、金峰山だけで写真集ができるレベルです。

キノコしか撮るものがない中、金峰山を目指します。

 

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登山道が整備されているため、面白山のような神秘的な見た目にはまだなっていない。

 

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10時25分、最初の中継地点に到着です。

こういう目立つ場所はいいですね。

 

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しかし、休憩など取らずにとっとと歩いて行くことにします。

 

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ずっと稜線だとは思うのですが、たまにこういった立ち枯れエリアに。

他の部分と立ち枯れしているところの違いはなんなんでしょうね?

 

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こんな雨の日でもさすが百名山、というか唯一晴るという予報のためか人が多い。

 

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ガレ場が多くなってきました、もっとこういう場所が多いと面白いのですが…。

岩は意外にも乾いていました。

 

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真っ白な空に向かって体を持ち上げていきます。

本当は青空に向かって歩きたい。

 

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金峰山は意外にも指導票がボロボロです、百名山なのにあんまり整備されてはいないんですね。

 

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時折このような降りが出現しますが、よく整備されているので苦ではありません。

 

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岩場で休む人々、僕はスタイル的に休憩しない代わりにゆっくり歩くスタイルです。

 

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休憩も取らないし速度も早いナベ氏、君に最速の称号をあげたい。

 

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いつの間にか朝日岳を超えていたようです、こうなると金峰山はすぐそこか。

この辺で二人で金峰山はつまらない、という愚痴が始まります。

今のところいいところがないぞ、金峰山。

 

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11時15分、鉄山に到着しました。

ここまでくれば金峰山は目と鼻の先です、すぐに開けた稜線に出ることになります。

 

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シャクナゲの木でしょうか?ここを抜けると展望が開けてる模様

 

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ついに稜線にでれたようです、足が速くなるナベ氏。

 

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きんぷさーーーー……、ガス…。

ガスで残念だなぁと思っていると時折青空がかいま見える状態でした。

気を取り直して五丈岩を目指します。

 

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下向いたら石にこんなことが書いてありました。

金峰山ではケルンを積んではいけないようです、ちなみに僕がケルンを積んだのは

覚えてるだけで大菩薩の一回こっきりかな。

 

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北側にケルンが積んでありました、かなり立派な竃のようなケルンでした。

 

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金峰山を目指して稜線を歩きます、10分もしないうちに山頂に着くのではないでしょうか。

ガスってて見えないけど。

 

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たまに晴れるのでだいぶ気分がよくなっています。

 

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ちなみに下は晴れているようです。

さすが甲府、本当に晴れることが多い土地なんですね。

 

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眼前に五丈岩を抑えました、そして時同じくして晴れ間が徐々に広がってきました。

これは勝ったなという慢心がここで芽生えます。

 

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なんだろう、この人仙人っぽくてかっこいいな。

  

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瑞牆方面に伸びる稜線もガスの中。

 

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2015年8月23日11時45分、金峰山登頂。

驚きました、金峰山山頂は五丈岩から離れているので超目立ちません。

え?お前山頂だったん??というくらいスルーされます。

 

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そしてついに、ついに青空と太陽と五丈岩が姿を表す!!

や っ た ね !

 

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すごい立派な岩が積み上がっています、リアルで見るとあれですね。

本当に誰か積んだんじゃねーかって思えますね。

自然造形物でできたようには見えませんでした。

 

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五丈岩に向かって太陽万歳のポーズをとるナベ氏、太陽の騎士ソラールか。

 

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すかさず僕も太陽万歳のポーズ、俺が太陽だ。 

 

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しかし不思議な岩である、どうやって積み重なってるんだろう。

そして真ん中には大学生の方々がどんどん五丈岩を登っていく。

 

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ちょっと裏側が見てみたいのでぐるりと回ってみると

 

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祠がありました、信仰の対象なんでしょうね。

そりゃこんなものが山頂にあれば昔の人は崇め奉りますよね。

 

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裏から見るとひどく不安な気持ちになりました、地震とかきたら崩れそう。

 

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僕もちょっと登ってみることにしました、行けるとこまで。

とは言っても僕の知識はディスカバリーチャンネルのMAN vs. WILDで得た知識。

あとほんの少しボルダリングしたことがあるくらいです。

 

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ここで登れなくなりました、掴むところがないんだけどみんなどうやって登ったんだろう。

 

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下を見るとなかなかスリリングでした、いやー落ちたら大変ですね。

 

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快晴の五丈岩を見れただけこの登山は幸せです、富士山も見たいとか僕は言わない。

贅沢は敵だ!!

 

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五丈岩を真ん中に抑え、この日は下山することにしました。

 

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帰り際に三角点をタッチ、ナベ氏の結婚指輪が輝いている。

 

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見事に晴れてくれた金峰山、最近曇ることが多かったのでとても嬉しいです。

 

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しかし僕らが山頂を離れると時同じくしてガスが山頂を覆い始めました。

俺の特殊効果って範囲が狭いんだろうか。

 

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下山は腕立て伏せしたり。

 

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90年代のDJ風ポーズを決めてみたり、だいぶ遊びました。

ちなみに稜線から見る下の景色はとても綺麗でした、はい。

 

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山頂を満喫したので、再び森林を超えて駐車場へ向かいます。

 

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山頂でゲームセットした気分なので、帰りがだるい…。

高速で下山を開始します、思えば鳥海山以降下山の速度が無駄に早い。

 

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しかし下山時はキノコをたくさんとると決めていたので、見つけるたびにしゃがむことに。

キタマゴタケですね、幼菌はテカテカしてて可愛い。

  

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テングタケですね

 

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森の住人たち。

 

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ムラサキフウセンタケっぽい…、初めて見た。

黒い、北海道ではこんなやつ見たことがない、キモい。

 

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もうこの裏面が最悪です、キノコって本当に気持ち悪い。

 

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巨大なパンケーキのような見た目のヤマドリタケ、自信ないけど多分ヤマドリタケ

 

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こちらは幼菌、キノコが好きな人は夏に登山すればいいと思う。

するとたくさんイグチ取れるし晩御飯に困らないと思う、僕は勘弁願いたいけど。

 

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ベニタケの何かかな、これはたくさん生えてました。 

 

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キノコの写真を取りつつ、小走りで下山していきます。

ガスの中なんだから景色なんてあってないようなもんでしょ!という声が聞こえる。

 

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しかし、雨上がりの雰囲気だっていいものだと思うんです。

こういった苔むした森の雰囲気は癒される景色だと思うんですよね、いい匂いするし。

 

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この写真の中だけでもベニタケが大量に写ってる…。

 

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雨上がりは緑の色が深く表情があっていいと思います。

そして金峰山の登山道は本当に歩きやすいな。

 

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駐車場側、つまり山頂より東側はやっぱり雲の中でした。

なんとなく秩父や高尾方面は曇ってて、甲武信ヶ岳を境目に風の動きが違うんだろうという予測。

 

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ガスの中なのでゆっくりと足場を見ながら下っていきます。

登山靴って乾燥してる場所だと滑らないのですが、濡れてる場所だと結構滑るんですよね。

 

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一瞬だけ太陽が横切った瞬間、森の中に光が溢れてとても綺麗な姿になりました。

季節は夏ですが、春の木漏れ日という感じですね。

 

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雲と日光の微妙なパワーバランス、きっとプロのカメラマンならこういうタイミングで

綺麗な写真を撮ったりするのでしょう。

 

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再び雲に包まれた登山道を歩き続けます、1時間くらい歩いたのですが

駐車場へはかなり近づいているようです。

 

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14時10分、最初の中継地点へ帰ってきました。

西日っぽい太陽の光を受けた雲で空がやんわりとした光に包まれています。

 

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深い緑に包まれた登山道とももうお別れです。

 

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14時25分、駐車場付近到着。

下山を開始したのが13時付近だったので1時間30分もかからずに帰ってきたようです。

登りも2時間かかってないので本当にライトなコースですね。

 

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駐車場には水が湧いていたので靴を洗わせてもらいました。

果たしてこのお水は飲めるのでしょうか?

 

金峰山駐車場を後にした僕らは、どこの温泉に行くのか迷ったのですが

せっかくだからほったらかし温泉行こうかということで、甲府の街へ降りることにしました。

 

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途中ナビが迷うというよくわからない自体に陥りましたが、なんとか16時に温泉着。

 

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何度きてもいい温泉だと思います、できればお昼から入っていたいところです。

 

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今回はこっちの湯になりました、二つ入ってみた感想ですが。

あっちの湯の圧倒的勝利、あっちの湯に入ろう!

と個人的には思いました、開放感があって僕はあっちの湯が好きです。

 

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温泉で温まった後はほったらかし温泉でご飯をいただきました、屋外で食べるご飯は美味しい。

そしてこの後、秩父の山の中を再び通り熊谷で解散しました…。

登山している時間よりも運転している時間が長かったという最後まで手強い山でした。

 

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金峰山、奥秩父の盟主ということで期待に胸を膨らませていたのですが。

山頂の五丈岩を含んだ展望には大満足です。

曇っていて富士山が見えなくても楽しかったので、晴れていれば最高でしょうね。

 

大弛峠からの登山道はそれほどの落差もなく非常に歩きやすいので

初心者向けだなぁと個人的には思いました、登山を始めた人が最初に行く百名山エリア

と言われている奥秩父ですが、その意味がわかった気がします。

 

次行く時は晴れている時にしたいものです。

瑞牆山から金峰山まで登る日帰り登山とかもいいかもしれませんね。

 

しかし、大弛峠のワインディングだけはもう勘弁していただきたい…。

 

金峰山の地図はこちら

ヤマケイ アルペンガイド4 奥多摩・奥秩父 (ヤマケイアルペンガイド)

ヤマケイ アルペンガイド4 奥多摩・奥秩父 (ヤマケイアルペンガイド)