【関西】大台ヶ原、大杉谷からゆく近畿大展望の世界、滝と展望の幸せ登山旅
2018年4月28日から5月2日まで、関西は大杉谷から大峰山までを歩いてきました。
二日目のこの記事では大杉谷から大台ヶ原、標高は1,695m、
日本屈指の多雨地帯の山を登ります。
前回は大杉谷突入編ということで、桃の木小屋までの工程を描かせていただきました、
今日は桃の木小屋を出発して大台ヶ原、そして二日目の宿がある和佐又山ヒュッテに向かいます。
前半戦は美しい渓谷、大杉谷随一の美しさを誇る堂倉滝、中盤で大台ヶ原の広々とした景色、
そして最後に和佐又の静かな森という三部構成でお送りいたします。
紀伊半島、伊勢湾台風の傷跡が生んだ笹と倒木の景色が広がる奥深き山、
大杉谷からゆく大台ヶ原登山編スタートです。
大杉谷→大台ヶ原登山に関して
大台ヶ原は山頂直下に駐車場があり、
山頂付近の景観を楽しむだけであればそちらを使うのが便利です。
しかしここは日本随一の多雨地帯、地形的な特徴をしっかりと楽しむために、
大台ヶ原の水が作り出した美しき渓谷を楽しむためにも
是非大杉谷から歩いてみることをおすすめします。
大台ヶ原が山頂の景色だけではなく、シャクナゲが沢山咲くシャクナゲの山であることや、
美渓をいくつも持つ険しい山麓を持つ山であるということを、実感することができるでしょう。
大杉谷の見どころは実はこの二日目。
猪ヶ淵は実は最初の見どころで、大杉谷で一番迫力のある滝は堂倉滝だったりします。
この堂倉滝は素晴らしい水量を誇る迫力満点の滝、
あたりにはアカヤシオがぽつんと咲いていたりして写真を撮るにも非常に楽しい場所なのです。
初日と3日目と最終日の記事はこちら
- 1.大杉谷と大峰山をつなぐ縦走計画に関して
- 2.桃の木小屋から大台ヶ原へ、大杉谷の奥地を歩く。
- 3.堂倉滝、大杉谷随一のフォトスポットを越えて粟谷小屋へ
- 4.大台ヶ原山へ、大杉谷からゆくシャクナゲの山
- 5.日出ヶ岳、大台ヶ原最高峰は紀伊の展望台。
- 6.さらば大台ヶ原、大峰山へ向け和佐又山を登る
- 8.まとめ
1.大杉谷と大峰山をつなぐ縦走計画に関して
関西遠征編、大杉谷〜大台ヶ原〜大峰山の工程です、ぜひご参考にしていただければ。
今回の大杉谷から大峰山までを歩く旅は公共交通機関を使用して歩くことを勧めます。
公共交通機関を利用すると三瀬谷から京都まで抜けれるのでおすすめです。
アクセスレシピ
【新幹線】品川→名古屋 11,090円(新幹線のぞみ:6時23分発)
【電車】名古屋→三瀬谷 4,180円(特急ワイドビュー南紀1号:8時5分発)
【バス】三瀬谷→大杉谷登山口 2,500円(要事前予約、エスパール交通)
【バス】大台ケ原→和佐又山 1,010円
【バス】天川川合→洞川温泉 370円
【バス】洞川温泉→下市口 1,280円
【電車】下市口→京都 1,170円
【新幹線】京都→品川 13,910円(新幹線のぞみ)
運賃合計 35,510円 東京方面からの場合は南紀1号に乗れるかが勝負
新幹線始発を利用し名古屋へ向かい、名古屋で南紀1号に乗れれば勝利が確定します。
三瀬谷に到着した時点ではバスの予約がされているはずなので、あとは歩くのみ!
コースレシピ
一日目
大杉谷登山口11:35→千尋滝13:20→猪ヶ淵14:30~15:20→平等嵓吊橋 15:45→桃の木荘16:20分
合計登山時間 4時間45分(標準CT5時間10分)
桃の木小屋へは16時までに到着したいところです。
二日目
桃の木荘5:40→七つ釜の滝6:10→堂倉滝7:45→粟谷小屋9:05~9:35→シャクナゲ平10:45→
日出ヶ岳11:25~11:35→大蛇嵓12:55~13:10→大台ヶ原ビジターセンター14:00着
和佐又バス停15:25→和佐又山ヒュッテ16:55
合計登山時間 9時間50分(標準CT9時間25分)
和佐又山のバス停からヒュッテまでは車道で1時間とされています。
僕は山道を歩いたためそれ以上の時間がかかりました。
三日目
和佐又山ヒュッテ5:10→和佐又のコル5:40→指弾の窟6:15→日本岳6:40→
大普賢山7:40→七曜岳9:30→行者還避難小屋11:10~11:35→弁天森13:25→弥山小屋14:55
合計登山時間 9時間45分(標準CT9時間20分)
行者還の水場は枯れていることが多いのでお水は多めに持ちましょう。
四日目
弥山小屋6:40→八経ヶ岳7:15~7:30→弥山8:00→狼平避難小屋8:50→栃尾辻10:35→天川川合12:25
合計登山時間 5時間45分(標準CT5時間35分)
この遠征でかかった費用
交通費合計 35,980円(交通費概要参考)
宿泊費合計 24,800円(桃木小屋8800/和佐又山8000/弥山小屋8000)
バッチ合計 2,200円(大杉谷/大台ケ原/大峰山2種)
食料合計 2,850円(ビールや途中で購入したパンなど)
洞川温泉 600円
合計 66,430円 すごく高いと思うかもしれない、でもそれだけの価値があると俺は思う。
この遠征で使用したレンズ
D850×2機
AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
AF-S Nikkor 28mm f/1.4E ED
AF-S Nikkor 58mm f/1.4G
各交通機関、小屋など問い合わせ先
上記のバスと小屋は事前予約が必要です、1週間前には予約しましょう。
2.桃の木小屋から大台ヶ原へ、大杉谷の奥地を歩く。
2018年4月29日4時30分、桃の木小屋。
おはようございます、結構スッキリ起きれた関西遠征二日目、
前日に気合を入れた準備をしていたおかげで、
朝ごはんであるカロリーメイト4本もすんなりと食べることができました。
朝は粉ポカリスエットとマルトデキストリンを使用して前半戦で使うドリンクを作ります。
怪しい白い粉とも呼ばれるマルトデキストリン、
ウイダーinゼリーなどに使われるエネルギー源になっているデンプンみたいなもんです。
今回の遠征では午前中はずーっとこのマルトデキストリンを飲みながら歩いていました。
気合を入れて外に出てみれば外は明るくなっていました、
流石にまだ太陽は差し込んでいないようですが、今日もいい天気みたいですね。
大台ヶ原へ向けては小屋の脇を通って出発となります。
午前5時55分、大台ヶ原登山編スタート。
あれ、大杉谷にも七ツ釜の滝があるようですね、西沢渓谷とどちらが素晴らしいんでしょうか?
大杉谷の奥地は粟谷小屋でしっかりと整備が行き届いております、
今日もがっしりとした橋を歩くぜ。
新緑がみなぎるGWの大杉谷です。
大杉谷を更に奥に進む本日。
大杉谷は桃の木小屋から先が本気と言えるような世界です、相変わらずの鎖の多さですが
ここから先は渓谷の激しさも増していきます。
ドロドロの藻が岩肌を覆います、なんだこれは……。
滝までは清流はおとなしい見た目なもんです。
谷底の岩の色合いは白く、水が触れないであろう場所は黒、
白黒はっきり別れた岸壁の景色が面白い。
谷を削って作ったであろう道が続きます、よくこんなところに道を通したな……。
大台ヶ原に向けて標高を上げていく関係上、今日は登道を歩き続けます、その標高差1,200m。
結構ヘビーなんです、なめてかかると足がつるので注意です。
ところどころ現れる小さな滝も、一つ一つが被写体としての力を持っています。
巨大な岩がゴロゴロと転がり、
地面は清流によって長い時間をかけて削られたことがよくわかる景色が広がります。
シャクナゲが勢いよく咲き誇ります、今年はあたっているのだろうか、すごい株の数だ。
午前6時10分、大杉谷七ッ釜滝。
滝の名所大杉谷の見どころの一つ、七ッ釜滝へ到着しました、
目の前にはザーザー音を立てて流れる滝が見えます。
七ッ釜滝は全長が非常に長く、写真一枚で納めることがなかなか困難な景色でした。
ここは紅葉の時期には素晴らしい景色になること間違いなしな景観が広がっており
秋の大台ヶ原登山の際には是非ともおすすめできるスポットに感じました。
まだ新緑もまばらなGWですら景色が美しい。
下まで写すとこんな感じです、太陽が入り込んでくれば素晴らしいと思いますが、
本日は大台ヶ原の先まで行かなくてはならない関係上早朝の通過となります。
桃の木小屋と粟谷小屋に泊まるようなファミリー登山であれば、
この滝をゆっくり楽しむこともできるでしょう。
岩肌の迫力は満点、七ッ釜滝を撮影するときは是非ともズームレンズを持ってきてほしいですね。
七ッ釜滝を越えてからは再び鎖と吊橋が始まりますが、徐々に上り坂が増えてきます。
橋はやはり立派だ、この美しい登山道がいつまでもあることを願ってしまうぜ。
上流に来たことにより確実に変わったことがあります、それは岩のサイズ。
下流よりも確実に大きくなってきています、
常識ではあるのですが岩のサイズを見ていると
どんどん登ってきているなと言うことが実感できて楽しい。
まだ日が差し込まないので薄暗い谷底歩きが続きます、
時折咲いてるシャクナゲが物憂げな雰囲気出してて好き。
朝日を待つシャクナゲはそれはそれは季節感に溢れているものです。
大杉谷から大台ヶ原に行く場合、
5月中盤以降になると大台ヶ原周辺のシャクナゲが一斉に開花して
素晴らしい景色を楽しめるそうです。
歩いた感じ瑞牆山みたいなシャクナゲ祭りを楽しめそうでした。
太陽を待つシャクナゲ、朝のひんやりとした空気と朝露に濡れて独特の雰囲気がありました。
花の撮影にも時間をかけてしまいそう。
さて、シャクナゲポイントが終わると光滝に向かって険しい場所を歩くことになります。
ここからは巨岩と絶壁が続く渓谷が始まります。
渓谷の左側に作られたか細い登山道を登っていきます。
上流のため水の勢いはそれほどでもなくなりましたが、
深い溜池みたいな場所が増えてきています。
水深はなかなか深そう。
登山装備で落ちようものなら底を歩いて岸に向かうしか助かりようがなさそうだ。
そしていつの間にか自分の周りの岩が真っ白になっていることに気がつきました。
ずーっと鎖が張り巡らされた道を進みます。
時折岩が湿っていたり、洗濯板みたいだったりとヒヤッとするところがあり、
七ッ釜滝から先も気が抜けない。
目の前に広がる岩という岩。
どうやら目の前の岩だらけの壁を上がっていかなくてはならないようです、マジかよ。
壁伝いから岩の中に道が続いていきます、ペイントを目印に巨大な岩の上を伝って行く。
なんだか蟻になった気分です、この巨大な岩の中を歩くっていうのは
トムラウシのロックガーデンでも味わったけど楽しいんですよね。
大杉谷の巨岩地帯はトムラウシと違い岩が風化しておらず、
角が鋭い状態のものが多いので注意です、装具が削られます。
今まで歩いてきた道を振り返る、
巨大な岩が渓流を作り出す異質な景観に様変わりしていたようだ。
登っていくと結構な高度感のある場所までたどり着きました、
これ岩が積み上がってできているのが凄い。
岩の山を登り切ると反対側は天然の防砂堤防の様相でした、巨大な岩などは全くなく
水も伏流水になってしまったのか、これまでとは全く違う景色が広がっています。
大量の小石が積み上げられたテーブルのような岩、
道がわかりづらいのでみんな積み上げたのかな……。
ここは目印を見失うと登り方がわからなくなりそうなのが怖いところでした。
砂利が敷き詰められた谷底は足跡などはなく、
一度道を失うと戻れなくなりそうな怖さがあります。
基本的に道は左岸に沿って作られているので、
このへんでウロウロして変なところに入らないようにしたいですね。
振り返ると穏やかな景色、さっきまで巨岩に揉まれていたとは思えない景色だ。
砂利の広場で一瞬道がわからなくなりましたが、
左岸に戻ったらちゃんと壁づたいに道がありました、セーフ……!
鎖のついた坂を登り切ると、登山者向けの警告看板が出てきました。
いや、ここまで来るのに結構危ないところありましたけど、
ここで警告するんかい!も少し早くしろーー!
看板の先にあったのは光滝と呼ばれる結構大きな滝でした、
でも堂倉滝や七ッ釜滝に比べるとあんまりきれいじゃないかなー。
水量も多いわけではないので、長秒で撮影してもなぁーと思ってしまい、ここはスルー。
光滝周辺で5分ほど休憩することにしました、
あたりを見回すと春の芽吹きを感じることができる。
朽ちた木も至るところに、ここは近畿の秘境……。
随一の水量を誇ると言われる堂倉滝が早く見たいのですが、
そのへんの渓流は勢いを失ってきており、この先に本当にすごい滝があるのか若干不安です。
光滝をすぎると水とも疎遠になり、ひたすら鎖とお友達をなることを推奨されます。
隠滝吊橋に到着しました。
隠滝はその名の通り非常に見えづらいところにあるので撮影できませんでした。
何本目の吊橋だったかもはや思い出せない!!
吊橋から下を眺めると結構な水深の川が、そして底まで見える素晴らしい透明度に感激。
隠滝吊橋を過ぎたあたりでついに陽光が刺してきました、
森に太陽の光が差し込みすべてが色を持ち始めます。
ひんやりとしつつも湿度が高くベタついた空気を持っていた大杉谷、
しかし太陽が出てきたおかげで少しだけ気分が良くなりました。
相変わらずすごい量の汗は吹き出てますけど、この先も頑張って歩けそうです。
日が差し込み新緑も目覚めを迎える。
渓谷が再び迫力を取り戻してきました、V字に見えるこの場所とかは迫力はあるけど
もちろんストーンと行くとドボンと水深8mくらいの川に落ちそう。
この辺の渓流は水量が多く、さっきまでの景色とは雰囲気が一変。
大杉谷下流のようなにぎやかさを見せていました。
3.堂倉滝、大杉谷随一のフォトスポットを越えて粟谷小屋へ
そして吊橋をわたるとついに堂倉滝が近くに現れるポジションへ。
まずはダムが現れます、これまでの清流の上流にダムがあったなんて誰が予想しただろうか。
ていうかダムがあるのに下流あんなに透き通った水が流れていたとはおそるべし。
ダムの水を見て思わず笑ってしまう、なんだこれすごい美しい。
ユーシン渓谷の美しさよりもすごいかもしれない、南の島の海岸のような
透き通った宝石のような水がダムには溜められていました。
色の薄いエメラルドが沈んでるんですよって言われてもおかしくないぞ。
午前7時50分、堂倉吊橋。
堂倉吊橋を渡ると大杉谷最大の見どころ、堂倉滝が登場します。
大音量で流れ落ちる滝、そして周囲にはアカヤシオつつじ。
真っ青な滝つぼと岩が美しい、猪ヶ淵以上にお勧めできるフォトスポットが登場します。
振り返るとダムへ注ぎ込む水が足元を彩っている。
なんて良いロケーション、みんなご飯を食べだします……。
吊橋から見ると堂倉滝はご覧のような感じ、吊橋を渡った先には
吊橋の下に降りれるようなスペースもあるため近づいて写真を撮影することもできます。
とりあえずこんなにフォトジェニックな滝があるならやるしかないということで
三脚を立てて長秒撮影をさせてもらうことにしました。
何やら釣り人の方が下にいましたが、ここは釣りスポットにもなっているのかな?
下に降りて三脚を立てるとご覧のような景色を撮影することに成功しました。
端的に言って大杉谷で一番好きな滝です。
迫力もあるし水量もあるし、周りの景観も最高です!!
何より時期的に偶然アカヤシオが咲いていたのがよかったです。
周辺の緑に対してしっかりと補色を主張してくるピンクがあることにより
画面に色が付いたと思います、やったね!
思う存分堂倉滝を撮影させていただきました、58㎜f1.4も大活躍したので満足!!
堂倉滝は三脚を立てて撮影する場合かなり楽しめる場所だと思います。
それまでの七ッ釜の滝や猪ヶ淵よりも自由度が高いので、
大杉谷を訪れた際は是非立ち寄ってほしいと思うところでした。
堂倉滝を越えてからは大台ヶ原への本格的な登りが始まります。
渓流とはおさらばになり、針葉樹が目立ち始める原生林の中を歩くことに。
日出ヶ岳まで4キロほど、普通に歩けばそんなに時間はかからないかな?
登山口から10キロしか歩いていないことに驚きです、密度の濃い登山道だここは。
堂倉滝を越えるとみるものがなくなるというレポートをよく見ますが
そんなことはありませんでした、日出ヶ岳までの道のりで楽しむべきは森。
この大杉谷の森の特徴は伊勢神宮の森に生えている植生のような、
根が立派な松とかがとても印象的なんですね、そういうところに焦点を当てると楽しくなります。
登山道を覆いつくす巨大な根が至る所に張り巡らされています。
朽ち木だってちゃんと見れば面白いものなので、ここで楽しくなく感じてしまうのは
単純な体力不足を疑ったほうがいいのかもしれない。
そういえばいつの間にか空も真っ青に、太陽の光もいい感じに入り込んでいますね。
大杉谷を歩いていた時は本当に谷底で、光が待ち遠しく感じれました。
まずは堂倉小屋、ですがその先の粟谷小屋を目指す勢いがいいかな。
なぜかというとこの時期の堂倉小屋は「封鎖されている」からです。
登山客のマナーが悪すぎて粟谷小屋が営業しているときは封鎖するとのことでした。
午前9時00分、大杉谷、粟谷側登山口。
大杉谷をついに抜けて粟谷小屋の手前の林道にやってきました。
ここまでで大杉谷登山編は終了で、ここからが大台ヶ原登山編といった感じです。
まず目指すは粟谷小屋、ここで粟谷小屋によらないっていうのはいろいろ損するので
絶対に粟谷小屋に立ち寄るように心がけましょう!
堂倉小屋から少しだけ離れたところにある粟谷小屋ですが、大杉谷を抜けた先の
休憩スポットとしては最適な環境がそろっています。
ファミリー登山ならさらにここで一泊する勢いだと、大杉谷で楽しい思いができると思う。
4.大台ヶ原山へ、大杉谷からゆくシャクナゲの山
粟谷小屋です、林道が走っているので物資を車で輸送できるようですね。
ここはパンフレットを見てもこぎれいな小屋でお勧めな感じなので、ぜひ泊まってみたい。
粟谷小屋で注目すべきは水場、大台ヶ原の天然水がジャバジャバと流れています。
ここで大杉谷で失ったミネラルとウォーターを補給しましょう。
水は何段かになってて下のほうは靴を洗うのにでも使うのだろうか。
途中の段で手袋と手拭いを洗って干しておくことにしました。
大杉谷は暑すぎることはないんですけど湿度が高いんですよね、だから汗をかきます。
その結果、結構な水分がこの手ぬぐいに吸収されていくこととなりました。
それを今こうして洗濯して干すことができるなんて……、最高岳、最高岳。
桃の木小屋を出発していい時間が過ぎたのでお弁当を食べることにしました。
桃の木小屋のお弁当はこのような感じで、お肉成分多めでパワー系。
たくあんの塩味がいい感じで、汗で失われた塩分を潤沢に補給させてくれます。
粟谷小屋の景観はご覧のような感じです、一応バッチは桃の木小屋で購入したから
粟谷小屋には寄らないでいいかな……。
中はどちらかというと普通のお宿っぽい雰囲気で、山小屋っぽさはないところなんです。
粟谷小屋でご飯を食べて、元気が回復したところで日出ヶ岳を目指し再出発です。
粟谷小屋から直接次の目的地であるシャクナゲ平に行くことも可能なのですが
ブログの見栄え的にみんなが通るであろう堂倉小屋を通らないのは良くない。
ということでわざわざ堂倉小屋まで戻ってきました、その距離150mくらいか?
午前9時40分、堂倉小屋。
堂倉小屋に来てみれば、なんと施錠されていて使用不可能!!
なぜかという理由を読んでみれば「使ってる人のマナーが悪いので閉鎖」という
非常に心苦しい理由が書かれていました……、登山者のマナーって別に良くはないから
これは妥当な処置かなぁと思いました、ごみとか置いてく人多いもんね……。
堂倉小屋を過ぎたら次の目的地はシャクナゲ平、そこまでの道はシャクナゲ坂と
シャクナゲを推してくる大台ヶ原、そしてあたりは杉の植林地帯へ。
まさか紀伊半島の山の中で杉の植林地帯に出会うことになろうとは
さっきまでの木の根が立派な森はどこに行ったんでしょう?
階段がしっかりとした登山道をひたすら上る、こういう道、よく知っております。
シャクナゲ坂はまだシーズンではなく、シャクナゲの木がものすごい本数生えていても
咲いているものはまったくありませんでした、なので無心で登ってしまったよ。
写真に写っている木々にシャクナゲが多いのがわかるでしょうか?
シャクナゲ平まで本当にシャクナゲの木が多いんです。
シャクナゲの花が見れないので見るものがないかといわれればそんなことはなく
地面に足を落としてみれば新緑の芽吹きや地を這う若い緑を楽しむことができるでしょう。
シンプルな道しるべ、この辺はこういうのが多かったですね。
午前10時25分、シャクナゲ平。
シャクナゲ平に到着しました、この付近はシャクナゲ坂以上にシャクナゲが多く。
シーズンが到来すれば大台ヶ原=シャクナゲの山と思えるくらいの景色が広がるのでは?
シャクナゲ平を過ぎたくらいで全国総体の登山コースだったという標識が。
高校登山部の大会とかで使われたコースなんだろうか、結構きついコースを歩くんだな。
大台ヶ原へ向かう途中には鎖が出てくるところもまばらに、岩がしっかりしているから
鎖をつかむよりも岩をつかんだほうが安定する感じ。
倒木が多くなってきました、さすがに伊勢湾台風の影響でというわけではないでしょうけど
この辺の倒木といえば嵐の影響で大量倒木か!?と思ってしまう。
倒木が沢山続きます、結構立派な木が根こそぎ倒れている、聖岳の登山道みたいだ。
でも丁寧に倒木の下に登山道が通っていたり、アトラクションのような様相。
日出ヶ岳に近づくにつれどんどん倒木が増えてきます。
毎年の台風の影響で倒れる木々があるんでしょうね。
この辺ですれ違う方々と挨拶をしたり、道を譲ると
「おおきに~、お兄さんも気をつけてね~」と朗らかな関西弁で話しかけられます。
関西だ、ここは関西だ!!と強く感動を覚えます、でも飴玉は出てこないのね。
シャクナゲ平から上部は倒木などにより景観がいい場所になっており。
道中の木々を眺めていても被写体になりそうなものがゴロゴロ転がっていました。
ある程度標高をあげると急に木々が間引かれたように数を減らします。
調べればコケ類が衰退し笹類が勢いを延ばした大台ケ原ということだが……。
確かにこのような木々を覆うような緑のコケってあんまり見ないな。
ブナが増えてきたと同時にバイケイソウが出現し始めました。
この登山の予行練習で歩いた大持山小持山武甲山みたいな景色だ。
笹の中に生えるバイケイソウ……はッ!!確かに笹が多い!!!!
気が付きませんでした、それまでと違いいつの間にか足元を覆っているのは
カラマツなどの落ち葉ではなく笹になっていたということに!!
日出ヶ岳までのラストスパートは急な階段が続くスパルタン登り。
同タイミングで登っていた方となぜか熾烈なチェイスを繰り広げることになりました。
僕は写真を撮りながらゆっくりと登ります。
それにしても朽ち木が多いな。
人の声が聞こえてきました、山頂はもうすぐのようです。
笹と枯れ木、そして倒木の景色が広がってきたら山頂はすぐそこに。
5.日出ヶ岳、大台ヶ原最高峰は紀伊の展望台。
午前11時25分、日出ヶ岳山頂。
日出ヶ岳にやってきました、紀伊半島の大台ヶ原最高地点に到着です。
山頂はもう人、人、人、すごい数の人です。
山頂にたどり着くと途端に展望がきくようになりました、紀伊半島の山々がずらり。
しかし、この辺の山なんてどれがどれだかさっぱりわからん……。
たぶん目の前にあるのが大峰山脈かな??
事前に調べてはいたけど改めてみると感心します。
そう、日本でも随一の豪雨地帯がこの大台ヶ原周辺なんですね、平均4,800㎜の降水量。
そして台風シーズンは台風が大体直撃するというすさまじい山、そりゃ渓谷もきれいになるわ。
日出ヶ岳に到着しましたが、旅はまだ終わりではありません。
むしろようやく半分に近づいたといえるくらい、大台ヶ原のフォトスポットである
大蛇嵓を目指さなくてはなりません。
その前に一通り展望を確認します、あたりを見渡せば熊野の海が見えるとか
霞でよくわからないけど、目の前の水平線は海なんだろう。
こちらは大杉谷方面、大杉谷からくると山頂の手前くらいがはげ山で。
直前までは全然大台ヶ原の持つ笹山の雰囲気がなかったのが印象的でした。
大台ヶ原からは一応富士山、仙丈ヶ岳、木曽駒ヶ岳が見えるんですね。
空気が澄んでいる秋くらいに訪れれば、熊野灘もきれいに見えそうですね。
大台ヶ原に到着ですよダッフィー、ちゃんと大杉谷から上がってこれて満足です。
これで日本屈指の多雨地帯の山をしっかりと楽しむことができたと思う。
こちらに見える長大な山脈、これこそが今回の旅の終着点「大峰山脈」
近畿最高峰八経ヶ岳は大峰山最高峰でもあります、大峰奥駈道という修験の道で
山上ヶ岳から熊野大社まで、山脈を北から南へぶち抜く登山が代名詞です。
基本大峰奥駈道は5日ほどかかる登山になるので、今回はその一部しか歩きません。
大普賢岳から八経ヶ岳まで、大峰奥駈道の魅力を少しでも感じれればと思います。
さて、あたりをしっかりと見まわしたところで日出ヶ岳を後にします。
登山客で盛り上がる大台ヶ原の道の整備っぷりと言ったら「すごい」の一言です。
穏やかな山々をつなぐ道がすべて整備されきってやがる……。
この辺にはツキノワグマもいるのか……、シカはどこにでもいますけど。
この看板を見た当時はこの後動物に遭遇するなんて思いもよらなかったのである。
登山道の4割くらいが木道になっているんじゃないだろうか大台ヶ原。
とにかく親切な作りです。
こんな緩やかで歩きやすい木道、登山がはかどってしまう。
そしてようやく求めていた大台ヶ原らしい景色が現れ始める。
伊勢湾台風で大量倒木が発生し、苔ではなく笹が生い茂ることとなった大台ヶ原。
この山頂一面に広がる倒木の景色こそが奇異な大台ヶ原の個性になっています。
そしてその中を一直線に突き抜ける木道、これが見たかった!!!
定番のフォトスポットじゃないでしょうか?
広角レンズがはかどる場所です、大蛇嵓方面に続く木道と山頂の立ち枯れした木々。
人生初の近畿一人旅、2018年で一番思い出深いのはこの度と南ア南部の旅でしょう。
心細くもありましたが、30歳を超えてもめちゃくちゃわくわくした旅です。
大台ヶ原の斜面、きれいに立ち枯れの木々のみ。
これを見るとどれだけ伊勢湾台風がすごかったかという疑問がわきます。
僕は伊勢湾台風を知らない世代ですけど、この山の木々が根こそぎ倒されてしまう。
そんなレベルの台風想像がつきません。
木道を振り返ると禿げ上がった山が続く。
大体この辺から撮影したと思われる星空写真、よく見ます。
ナイトハイクでここまで来るということを考えるとすごい労力だ……。
さらに天の川の位置を計算して登っていると思うので、スタートの時刻とかの管理が
かなり正確になされているんでしょう、よく見る写真の裏には高度な登山技術が。
大蛇嵓に向かうには笹の中の道を進みますが、アップダウンは緩やかなもので
これまでの大杉谷からの登りに比べれば平地を歩いているに等しいものです。
山頂から少し下がれば若い木々もちらほらと表れ始めます。
若木が増えてもあたり一面の笹っていう不思議さは変わらないんだけども。
観光客に混ざって大蛇嵓を目指します、そしてここで一つ嫌な予感がしてきました。
「大蛇嵓、混んでいるのではないか疑惑」です。
結構な登山者が僕と同じ方向を目指しているのですが駐車場に帰るのであれば逆側です。
こちらに来るということは大蛇嵓に来る人が多いのでは!?という僕の予想は
そのあと的中してしまうことになるのです。
大蛇嵓を目指して歩いていたら、子供たちが集まっているので何事かなと思えば
「たぬき」
がいました、アライグマみたいな顔した動物がいるなと思ったら野生のたぬき。
さすが滋賀県が近いこともあるぜ、信楽焼が平然と歩いてやがる!HAHA!!
冬毛なのかもこもこでまんまるな見た目のたぬきは森の奥に去っていきました。
誰も餌をあげてないようで何よりです。
まさか動物看板を見た後にたぬきを見れるなんて、ラッキーだなと思いながら先を急ぎます。
午後12時35分、神武天皇像前。
神武天皇の像までやってきました、この像結構大きくてですね
さらにこの辺は開けているので休憩スポットになっているのか、多くの人が休んでました。
弓の上にいるのは三本の足を持つヤタガラスでしょうか?
伝承では神武東征で熊野の国から大和の国までの道案内をした神の使いです。
神武天皇の武器は弓なんですね、ヒロイックに剣かなとも思ったのですが。
西国はこういった古来日本の伝承や文化が残っていていいですね。
故郷北海道はそういう歴史が薄いのでうらやましい限りです。
休憩している方々は大蛇嵓に行ってきたんでしょうか?
僕?僕は今からです。
大蛇嵓に行く道に入ると、対岸に巨大な岸壁が現れます。
大蛇嵓がそもそも両側が崖の突き出た岬みたいな地形なんですけど。
その右岸の向こうにはこの景色です。
「あら、登っている人がいるわよ!すごいわねー!」
という登山者の声を聴いて、「え?今日登ってる人いるの??」と思いよく見ると……
確かに上部に登っている方がいました、ブッシュマンというコースであるということは
知っていたのですが、まさか自分が歩いてる日に登ってる人を見れるなんて。
レンズを交換して撮影してみるとよくわかります。
うーん、どうやってあんなところに張り付いているんだろう。
ブッシュマンを登る方に関心をしていたのですが、前を見るとご覧のあり様。
大蛇嵓で写真を撮る方が渋滞をつくっており、大蛇嵓を見るには待たなくてはならない状態。
しょうがないので、並んで待つことにしました。
待つこと15分、まだ半分しか進んでない……。
ここで時間を使いすぎると下山に使用するバスの時間を逃すことになります。
タイムアップは避けたいけどみんな潤沢に時間を使い撮影している。
は、早くしてほしいと思いつつもそういうわけにはいかないのでソワソワしながら待つ。
大蛇嵓はこんな感じになっており、撮影者は手前の岩から下に立つ人を撮影する感じです。
柵はあるんですけどひ弱だし、鎖が腰の高さもないくらいなので、ふざけると落ちます。
午後1時10分、無事大蛇嵓にて自撮りする。
三脚を立てることなんてできるわけがないので撮影をお願いして取ってもらうことに
目の前に移る大峰山への気持ちが現れたような写真を撮ってもらいました。
「今からあれか……」感が出ている写真になりましたね……。
大蛇嵓からの景色は雄大で、日出ヶ岳から見る景色よりもずっと山深い景色が見れます。
遠くに一筋の滝が見えますが、そこまでは平たんな山頂部が続くんですね。
近畿の山深い場所とは聞いてましたが、大台ヶ原から西側には町という町もなく
ただひたすら山が続くわけです、本当に秘境なんだなと思います。
大蛇嵓ですっかりと時間をつかってしまいました、バスの時間までぎりぎりなので
ショートカットコースを利用してバスターミナルへ向かうことにしました。
途中見所らしきものはたびたび現れるのですが、残念ながらスルーせざるを得ない。
池っぽいものは軒並み干上がっていてよくわからない景色になっているからいいや。
バスターミナルと日出ヶ岳と大蛇嵓の分岐をバスターミナル方面へ
すると樹林が続く道に出ます、標高を下げながらバスターミナルへ。
石畳が続く道で、谷に向かって下がった後バスターミナルへ上り返すという鬼畜道。
ここまで足を使ってきた僕のふくらはぎは確実に乳酸が!!悲鳴が上がる!
時間帯のせいなのか、まったく人と会いません。
というかみんな周回コースをたどるからこの道じゃなくてシオカラ谷吊橋に行くのか。
僕はそちらに向かうと確実にバスを逃してしまうのがつらいところ。
6.さらば大台ヶ原、大峰山へ向け和佐又山を登る
樹林の道を駆け抜けてバスターミナルがあるビジターセンターへたどり着きました。
長かった大台ヶ原の旅がようやく終わりを告げようとしている。
そして、大峰山が始まるというのか。
トイレの洗面所で顔を洗ったら、すぐに登山バッジの購入と水分の補給をしに行きます。
登山バッジはこちらの店に売っているかな?一番大きなお店だ、ないはずがない。
「エェエエエエエエエッ!!!!ウソデショッ!!!」
思わず片言になるくらいのテンションでがっかりしました、まだ販売していないって……。
心を落ち着かせるために地元北海道産のモナカをかじります。
落ち着け、素数を数えて落ち着くんだ、お店は一つじゃない、これ以外にもあるはずだ。
というわけで対面に立っていたこちらのお店に来ました、モナカがまだ半分ある。
もごもごとモナカを必死で食べますが全然食べれない。
けど無事バッジを見つけたので、こちらのお店でバッジを購入しました。
じゃじゃーん!登山バッジを入手しました、大台ヶ原です。
図案は枯れ木と黄色いのは笹の大地かな?あとは鹿ですね、
大台ヶ原の要素はこの三つで大体あってる。
バッジを購入したあたりでD850の一つ目のバッテリーが限界を迎えました……。
大体このバッテリー一本で1500枚ほどの写真を撮影していましたが、2台持ちだから
片方750枚でしょうか、実際はメインのほうの機種で長秒撮影をしたので
それでバッテリーの消費が激しい状態となっていました。
登山においてフィルターを利用した長秒撮影はバッテリーを激しく消費します。
レフ機でも1000枚撮れなくなるので、ミラーレスの方はお気を付けください。
午後2時20分、大台ヶ原バス停。
山頂でやることはすべてやったので、あとは和佐又山登山口に向かうバスに乗るだけです。
大杉谷から歩いて大台ヶ原まで来ましたが、バスに乗れるのがなんだかとてもうれしいです。
バスに乗車すると補助席でした、この旅では二回のバスで補助席に乗せられて
補助席が大好きな人みたいになってしまいました、背中が痛くて正直好きじゃない。
午後3時25分、和佐又山登山口バス停。
バスに1時間ほど揺られて和佐又山の登山口に到着しました、バスに揺られて1時間って……。
ちょっとビビるくらい時間がかかるけどしょうがない、大台ヶ原は秘境なんです。
和佐又山のバス停にはきれいなトイレがあります、こんな誰も使わなそうなところに
きれいなトイレを設置してくれるとか、近畿の方は神か何かか?
この写真に写っている方々は聞いたところ全員「大杉谷から来た」でした。
このコース、登山ブロガーが数人書いたことによって確実に実行する人数増えたやつでは?
しばらく歩くと渓流があったり、和佐又山の雰囲気は悪くなさそうですが
目的地としてはキャンプ場で、そこまで行くのにただ歩くだけです。
そう、いわば今日はもうゴールしてるんです、目的地は大台ヶ原なんです。
だからこれ以上登るとか本来はおかしいんです。
そんなこと知るか!とっとと登れ!!と言わんばかりの傾斜が続きます。
和佐又山ヒュッテまでの道の傾斜はなかなかのもので、これまでの疲れが蓄積した
僕の足は容赦なく削れら悲鳴を上げる羽目になりました。
しかし、今回の登山では甘えは許されません。
甘えるということはいざというときに歩けなくなるかもしれない、歩ける限り
ちゃんと登山道を歩く、登れる限り、巻き道は使わないがこのRedsugarの戒律です。
その戒律に従い、和佐又山へは沢コースを利用してむかいます。
ちなみにほかの方は全員車道から歩いていき、この日沢コースを利用したのは僕だけでした。
沢コースに突入したら結構雰囲気のいい渓流沿いを歩くことになりました、ええやん。
誰か来るかしら?とかおもいましたが誰も来ません、寂しすぎるだろ、心細いよ!
大杉谷でも大台ヶ原でもない、和佐又山というマイナーもマイナーな山の渓流沿いです。
一応道はあるけど非常にか細く、踏み後も怪しい道を進みます。
正直ここ素人だと道迷いの可能性があるからお勧めできません。
新緑生える和佐又山、道はいずこ。
このような渓流を渡ったりして進むのですが、ピンクテープやペンキがないので
どこが道かというのをちゃんと探して歩く能力がないと厳しいものがあります。
ロケーションと雰囲気は抜群なんですけど、午後4時に近いこの時間帯。
刻々と日没が迫っており非常に焦るわけです、ヒュッテでコースタイム1時間。
日没ゲームセットだけは全力で勘弁していただきたい。
7.渓流を越えてヒュッテへ、体はそして限界へ。
そんな中現れてしまいました、美しい渓流が。
写真撮ってる場合じゃないけどこれは撮らなくてはならない、本能がそう言っている。
そんな渓流が現れてしまったのです。
岩と苔の主張がここちよく、さらに弾幕系とでもいうような細かい水の流れ
堂倉滝のような一本のごんぶとレーザーみたいな滝ではない、拡散粒子砲的な渓流。
意外にこういうタイプの渓流って珍しいので、見つけたときは非常にうれしかったものです。
引いてよし、近づいてよし、ロックガーデンとかにこういうのあればいいのになー。
20分ほど渓流を撮影するのに夢中になってしまいました。
ここは手前の岩を主題にして複数の構図を試してみます、それぞれの違いをみて
好きなものがどれかを感じてもらえるとうれしいな。
和佐又山はそこまで標高が高い山ではないのですが、水資源は豊富なようですね。
紀伊半島は水の半島、山の標高が低くても水はたくさんあふれ出てくるということか。
気が済むまで撮影を続けました、苔と岩と水がこのようなバランスで見れる
そんな機会がなかなかないため、ここを訪れる時は是非とも滝を撮影してみてください。
さて、思ったよりも時間を使ってしまいました、山頂への登りを再開です。
太陽がゆっくりと沈んで行ってしまうので、焦りが半端なくなってきました。
でも体は動かないんだなこれが!
マジで疲れているので身体が前に進みません、一歩一歩牛歩で進みます。
後半はつづら折りで標高を上げていきますが、これがマジでつらい。
大台ヶ原ですでに今日の試合は終了している気持ちな上に、補給がお弁当とモナカ。
ガス欠も引き起こされて行動食を食べつつもなかなか速度が上がりません。
そうこうしているうちに日が傾いてきました、やっべぇ。
午後4時55分、和佐又山ヒュッテ前林道。
ようやく登山道から這い出てこれましたが、バス停から1時間30分近く時間がたっていました。
この場所を縦走用装備で歩くと1時間じゃすまないので、
皆さんにはそれを知っておいてもらいたい、大杉谷から大峰山に行くために
和佐又山ヒュッテに行くときはくれぐれも車道を使うようにしましょう。
ようやく到着した和佐又山ヒュッテ、その目の前にはついに大普賢岳の文字が。
大峰奥駈道のその手前まで来たのだ……、近畿が誇る歴史の道。
ついにその最高峰に向けて、一画を歩く時が来たと考えると身震いが止まりません。
和佐又山ヒュッテですが、これまでどこにいたんだというくらい車が……。
何、なんなの?大人気コンテンツなの?キャンパーだらけじゃん。
BBQというリアルが充実している方々が行う白魔術の儀式により舞い上がった
食欲を刺激する煙のおかげで激しくめまいがしそう、リアルが充実している人種とは
相容れない性質を持っている私は暗い面持ちのまま和佐又山ヒュッテへ入ります。
ヒュッテで宿泊費をお支払いすると寝所に通されました。
三段ベッドがある大部屋ですが、使えるベッドは二段まで。
今回の登山ですが、すべて小屋を利用するので毎回布団で寝れます、最高か、最高だ。
さっそく寝床を作ったらお風呂へ入りに行きました。
そう、この和佐又山ヒュッテはお風呂付の素晴らしいお宿なんです。
この大杉谷→大台ヶ原→大峰山の登山のいいところは前半は毎日風呂にはいれるところ。
縦走で気になる汗の問題でいうとかなり快適な縦走なんです。
風呂上りはビールでしょ、ということで480円の缶ビールを購入。
そして使わな過ぎてザックの中で重しと化していた行動食を二つほど消費し
気持ちよくほろ酔いになることが可能となりました、疲れてるとすぐに酔いが回ります。
ついにやってきた夕食、この和佐又山ヒュッテを使う上で決めたのはこの夕食にあり。
というのも事前の調査で和佐又山ヒュッテの夕食がかなり豪華ということを聞いており
風呂に入れて夕食も非常に豪華なので泊まって後悔はないだろうと判断していました。
現れた夕食は期待通りそのもの、旬の山菜がふんだんに使われた超豪華な夕食。
山小屋なのにこんなにおいしいご飯を食べれるなんて、と感動してしまいました。
夕食を食べた後は、すでに日も暮れていたということもあり
速やかに就寝、疲れていたんでしょうね……、いつ寝たのか記憶がありません。
そして、舞台は翌日の大普賢岳~弥山の大峰山八経ヶ岳編へと続くのでした。
8.まとめ
大杉谷から大台ヶ原へ
文句なしで百名山たる名コース、大杉谷の素晴らしい渓谷の景色から
シャクナゲの坂を上がれば大展望の大台ヶ原、これは文句のつけようがありません。
強いて言うならば時期が秋か、シャクナゲのシーズンならば最高といえるでしょう。
大台ヶ原には山頂駐車場を利用した登山で赴く人が多いのですが
僕は是非大杉谷からのコースをお勧めしたいと思います。
日本でも有数の多雨地帯の地形的な特性を思う存分に楽しみ、大台ヶ原の生み出す
自然の恵みといったものを全身で感じながら歩くことが可能な大杉谷。
美しい景色に癒されながら歩く二日間は強烈な思い出をきっと残してくれるはずです。
次回は和佐又山を出発して大普賢岳~弥山へと向かいます。
近畿最高峰八経ヶ岳を目指し、大峰奥駈道の一画を縦走し天川へと向かいます。
関西遠征も折り返し地点、次回は朝焼けの登山と夕日に染まる大峰山の空をお送りします。
人生最高の山は続く。
大台ヶ原の地図はこちら
関西周辺 週末の山登りベスト120 (ヤマケイアルペンガイドNEXT)
- 作者: 加藤芳樹
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この登山で役に立ったアイテム
前日に引き続き大活躍だった粉雨、怪しい白い粉はでんぷんを逐次補給するための
必需品です、夏山登山には欠かせないアイテムですね。
自由運台の三脚です、自由運台なので細かい構図を撮るのには向いてませんが
軽量でカーボンなので比較的登山向けかなと思います。
今回の登山ではマムートのトリオンプロ50を利用しています。
小屋泊で使うなら是非ともお勧めしたいザックです、頑丈、とにかく頑丈。
山岳写真をやるならこちらのザックはとてもおすすめです。