Red sugar

山と写真とカメラが趣味の人にお勧めな登山ブログ、全国の山の登山情報と山岳写真情報を書いています

【北陸】白山、高山植物の宝庫にして日本三名山、夜行バスで行く白山登山旅

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2018年8月4日から5日、日本百名山にして日本三霊山の白山に登ってきました。

白山といえば、花の百名山、三霊山、百名山と名前が挙がることが多く

問答無用の「名山」としての認識がある山かと思います。

 

そして、関東の登山者の場合はアルプスなどに登った際に

遠くに見える雪をかぶった巨大な山としての印象が強いのではないでしょうか。

登ってみればその山の美しさは圧倒的、まさに百名山にふさわしい名山です。

 

どちらかというと関西圏の方が多い山でもあり、関東からは中々遠い距離にある白山。

今回は久々の夜行バスを利用しての遠征登山ということで、

旅感がこれまでの120%増し(当社比)でお伝えします。 

 

 

8月頭、夏山で最も輝く7月終わりから8月頭の黄金期に訪れた白山。

登れば火山、中腹には花と湿原、そして麓には温泉。

街に出れば海の幸と、登山旅としてはとても楽しいところです、

特に僕のような関西圏の文化に疎い人間には異国情緒すら感じられました。

 

加賀百万石、北陸を代表する名山に登る旅の始まりです。

 

 

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東京からゆく、白山登山に関して。

東京から白山はまずみんな遠いと感じますよね?

ええ、めちゃくちゃ遠いです、正直車で行くとか6時間以上の運転が必要で、

交通費もバカにならないので1人で行く場合は公共交通機関を利用するのがお勧めです。

深夜バスと登山バスを乗り継ぎ登るのが容易なので、今回は深夜バス登山を行います。

 

夜行バス利用の場合、室堂宿泊とはなるのですが、白山は小屋から山頂までの距離が近く

朝日夕日で絶景を楽しむことができるので、是非とも白山室堂に泊まることをお勧めします。

 

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今回は夜行バスで行く、白山撮影登山の旅といった感じです。

白山山頂に登ること3回、夕日と朝日を撮影して、昼間の景色も楽しみます。

コースは最も初心者向きな防砂新道を使いますが、白山自体は様々なコースがあり

白山をしっかりと楽しむならば防砂新道以外のコースなのかなぁとは思います。 

 

ですが、防砂新道はおいしい所をかじるということに関してはしっかりしており

高層湿原や木道、山頂の景色と抑えれるところはしっかりと抑えることができますし

何より整備が行き届いているので初心者にはうってつけだなと思いました。

 

 

1.白山遠征登山に関して

別当出合登山口へのアクセス

【公共交通機関で向かう方法】

【夜行バス】東京→金沢駅      8,000円~10,000円

【バス】金沢駅→別当出合      2,240円

【バス】別当出合→金沢駅      2,240円    

【新幹線】金沢→大宮        13,840円~

 

登山バスは北陸鉄道株式会社のページより確認してください。

http://www.hokutetsu.co.jp/

金沢駅を出るバスが結構早いです。

深夜バスを利用した場合結構ギリギリに到着するので、気を付けてください。

 

今回の白山登山のスケジュール

【防砂新道で山頂写真撮影満喫コース】:1日目 】

別当出合9:30→中飯場10:05→甚之助避難小屋11:30→弥陀ヶ原13:05→

白山室堂13:30-14:00→御前峰14:45-15:50→白山室堂16:00-18:00(夕飯)→

御前峰18:40-19:30

合計登山時間 山頂まで5時間15分(標準CT4時間40分)

白山室堂に到着したら山頂へ、降りてご飯食べて昼寝したらまた山頂へ……

結果10時間くらいカメラ2台と三脚をもって山の中をうろうろしていたようです。

 

【防砂新道で山頂写真撮影満喫コース】:2日目 】

白山室堂3:40→御前峰4:25-5:30→千蛇ヶ池5:50→大汝峰7:20→白山室堂8:25→

殿ヶ池避難小屋9:50→別当出合11:40

合計登山時間 8時間00分(標準CT6時間30分)

朝日の撮影なら御前峰よりも大汝峰のほうがお勧めかも

僕の歩いた8月上旬なら大汝峰にいれば朝日と御前峰を画面に入れれます。

 

この登山で利用したお金

交通費往路   :10,240円

交通費復路   :16,080円

白山バッジ   :500円

行動食     :2,500円

温泉      :600円(白山温泉永井旅館)

山小屋宿泊費  :8100円(宿泊費6,200円+夕食1,900円)

金沢駅で酒と魚 :5,000円

合計 約43,120円~(豪遊以外は最小限に抑えました)

 

この登山で使用したカメラとレンズ

NIKON D850:sigma 14-24mm f2.8 dg hsm

NIKON D850:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 

 

2日目の記事はこちらから!

www.redsugar.red

 

2.夜行バスで行く石川県、金沢白山旅行の始まり

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2018年8月3日午後9時15分、東京駅。

こんばんわ、Redsugarです。

やってきました東京駅、今回は夜行バスを利用しての北陸、白山登山の旅です。

石川県なんて人生で一度しか訪れたことがありません、しかも金沢じゃなくて能登和倉。

今回は金沢駅に向かいそのまま別当出合に向かい白山登山という

「本当に白山に登るだけ」という登山者の鏡のような旅行となります。

 

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「久しぶりの夜行バスだわぁ……、3列シートは初めてでワクワクするわ……」

東京駅鍛治屋橋の駐車場、主に学生でごった返すこの場所は東京から地方へと

格安の深夜バスを利用して移動する人たちの出発地点。

しかし、夏となれば若者に交じって大型の荷物に化繊の登山ウェアを着用した方々が

目を光らせている場所でもあります。

 

さて、今回はこの鍛治屋橋駐車場から日本海方面富山、金沢と上信越道をひた走る

乗車時間8時間という長丁場の深夜バスの旅となります。

水曜どうでしょうで知識を得て、

就職活動で6時間程度の深夜バスには何度も揺られたこの身体ですが……

今回は念には念を重ねて3列シートとちょっと奮発することにしました。

 

それではいざまいりましょう、出陣です。

 

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午前1時15分、松代SA。

気が付けば松代でした、事前に眠くなる準備をしてきたので(主に仕事と銭湯)

バスの中では問題なく就寝することができましたが、松代で目が覚めました。

覚めたときに思わず後頭部をさすります、

かの大泉洋は夜行バスで後頭部の毛髪をショットガンで吹っ飛ばされたようになっていましたが

僕は髪の毛の形状がバットで殴られた程度の凹み方で済みました。

 

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松代からはそのまま高速道路を北に向かい気が付けば富山県へ。

人生で富山県なんて降り立ったことがない、あ、いや水晶岳は富山市か。

 

もう外が明るいんだからカーテン開けてもいいだろうに、車内は遮光カーテンで真っ暗である。

スッと外を覗いてみると日本海側特有の瓦屋根の住宅とのどかな田園が並ぶ景色。

呆けた頭で腕時計を見てみると……、ん??なんかこのバス遅延してない??

 

なんと、高速道路が混雑しているから予定到着時刻を少し過ぎるかもしれないという。

ばっか嘘だろ……、登山バスに接続できなくなるじゃん!!

 

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午前6時40分、金沢駅

YABAI、ヤバい、やばい。

別当出合行の登山バスの出発時刻は午前6時~6時半です、

これはヤバい、僕はどうなってしまうんだ、

このままでは金沢酒と魚と温泉旅行になってしまう、

追加で元カノと間男殴りに行こうかチャゲ。

 

駅の地図をスマホで読むも登山バスの乗り場がわからない、逆のステーションかよ!

同じく白山目当ての人が降車後脱兎のごとく走り始めたので、捜査官のように追跡します。

 

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真夏の金沢駅6時50分、駅が思いのほか混んでる……都会かよ……!(A.都会です)

立派な駅ビルをするするとすり抜け反対側のバス乗り場に行き、たどり着きました。

白山行登山バス……!

 

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午前7時00分、白山登山バス乗車。

ぎりぎり滑り込みみたいな感じでバスに乗車できました、チケットセンターで

チケット買っているときが一番生きた心地がしなかった。

運転手にあいさつした後に気が抜けたのか、トイレに駆け込んじゃったし。

 

2018年のこの時はなんと、増便があったので7時のバスが存在していたんですね

なので30分のバスには間に合わなかったんですけども、ぎりぎりこれには乗れたのです。

これであとは別当出合に向かうだけ、到着すれば僕を白山が待っています。

 

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金沢駅から別当出合まではバスで2時間以上かかります、秘境か。

白山直通バスとか出してほしいくらいです、夜行バスからの乗り継ぎで半日くらい

バスに乗っているおかげでお尻が痛くなってきました、エコノミー症候群になりそう。

 

別当出合に向かうまでにトイレ休憩が2回ありますが、素敵なトイレはこの道の駅だけです。

これを越えたら文明から遠ざかると思ったほうがいい。

 

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登山に慣れている、山で働いている人はトイレ問題に悩むこともないのかもしれない。

でもほら、なるべくいいトイレが使えるなら、それに越したことはないはず。

僕も地主故に水がないのは辛い、ということでなるべくここで頑張りましょう。

 

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午前9時10分、別当出合到着。

金沢駅を出てから2時間……、別当出合に到着しました。

白山登山センターっていうんでしょうか、めちゃくちゃ広い駐車場もあって

別当出合はとんでもない人であふれてて驚きました。

 

そして何よりも耳に響く関西弁の心地よさよ。

 

そう、白山は歩いて思いましたが、関東の人よりも圧倒的に関西の方が多い。

 

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「白山開山1301年」

白山は2017年に開山1300年記念でした、じゃあ18年は?ってみたら01年……。

俺は次なる100年の第一歩の年に歩くのか、それはそれで悪くないという気持ちになりました。

まぁ……、限定とか記念とか気にしていても仕方がないから、

とらわれて無理はしないようにしたいですね。

 

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別当出合にはご覧のような感じで大きめの小屋とトイレがあります。

ここで登山準備を整えたら、登山開始です。

 

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午前9時30分、白山登山開始。

プレイボールです、人気の山らしく、多くの学生の方々のグループに交じって登山開始。

鳥居をくぐり白山山頂を目指します。

 

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白山は本当に人気の山です、今回スタート時間が遅いということもあり

途中までは割と登山渋滞気味で進むこととなります。

まずは橋を渡り、川沿いに山を登っていきます。

 

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白山の登山道の整備具合ですが、防砂新道と観光新道は良く整備されていますね。

石畳や木道がしっかりとしていて、傾斜も緩やかなので登っていて楽だなと思いました。

 

ただ、18年は記録的な酷暑で、山に水が全くないという異常事態。

照り付ける日光が歩いていて本当につらい。

 

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午前10時00分、中飯場。

飯を食え、といわんば分かりの中景スポットに到着しました。

出発して1時間たってないのに休憩なんてしないだろ……、と思い

水だけ飲んでそのまま登ることにしました、休憩している人を抜いておけば

先の登山道が空いてて楽かなとも思う。

 

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指導標立派ですね。

 

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8月に突入した山はもうシシウドは満開だし、高山植物は上にしかないし。

登山道付近は超鬱蒼としているし、とにかく早く標高をあげたくてたまりません!

 

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トンボが降りてきているのを見ると、秋が近いなと思ってしいます。

実際8月の2週のお盆を過ぎれば、山は夏の後半、本当に山の夏は短いですね。

 

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白山ではトンボをよく見ました、トンボがいるということはブヨとかが少ないということで

ありがたいことです、どんどん駆逐してほしい。


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防砂新道は名前にあるように防砂堤防沿いに歩いていくコースです。

山頂にたどり着く最短のルートで、かつ水の補給が安易なルートでもあります。

勘之助谷を流れる手取川の源流の一つを眺めながら歩いていきます。

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登山道が相変わらず乾燥しきっていて……、埃っぽいわ……。

 

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スタート時間は遅かったのですが、天気には恵まれ午後までずっと晴れていた一日。

小屋を越えたあたりから日陰が乏しくなり、容赦ない日光にじりじりと焼かれます。

 

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天気はいいんだけども、乾燥しきった山と、暑すぎて枯れ気味の植物が……。

 

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時折木道が現れ、足を癒してくれます。

 

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南側に見える大きな山は別山でしょうか、白山からの稜線は気持ちがいいと聞くのと

別山から下山して荒島岳へと向かう渡り登山もできると聞いてはいるのですが

今回は白山のみでパスといった感じです。

 

しかし、手前の谷の崩落具合が凄い。

これが勘之助谷で、その下を手取川の源流がザーザーと音を立てて流れていきます。

 

3.夏の白山、ニッコウキスゲが咲く夏の登山道を行く

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午前11時30分、勘之助避難小屋に到着しました。

山頂を前にして水の補給ができる最後の地点です、灼熱の夏の白山において

水を補給できる最後のポイントとなるここは非常に重要です。

幸いなことに、水場が枯れることなく豊富な水が蛇口から出てきてくれたので

空になっていた水筒を満タンに満たすことができました。

 

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勘之助小屋から先、白山室堂方面と南竜ヶ馬場の分岐までは比較的歩きやすい道が続きます。

 

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別山方面が良く見えるようになってきました、目の前の勘之助谷を登り切ったとこから

高層湿原みたいな、草原地帯が広がっているのがわかります。

 

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歩いている途中結構歩荷さんみたいな荷物を背負っている方を多く見ました。

こんな30度近い気温の中に持つ運ぶなんて本当にすごい、デスストランディングだ。

 

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勘之助避難小屋がいつの間にかずいぶんと小さくなってしまいました。

僕が今立っているのが山頂との分岐点、ここから先はコースがいくつかあって

どれを登るかっていう話になってくるんですね。

 

 →黒ボコ岩方面(お花畑アリ)

 →弥陀ヶ原方面(ニッコウキスゲの群生アリ)

 →南竜山荘から登る(南竜ヶ馬場に行ける)

 

大きく分けてこの三つです、今回は真ん中の弥陀ヶ原に向かう道を使うことにしました。

 

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弥陀ヶ原に向かおうとしたのは、南竜ヶ馬場まで行くのはしんどいけども

南竜ヶ馬場を見ないまま山頂に行くのは避けたいという理由からです。

「せめて、せめて少しだけ!ちょっとでいいから見たい!」

 

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南竜ヶ馬場に何があるのかといわれればですね、高層湿原地帯が見れます。


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別山と白山のはざまに位置する南竜ヶ馬場の湿原地帯、見るからに気持ちがよさそう。

なんて牧歌的な景色なことでしょう、

避暑地としてあの辺で1シーズン暮らしたいくらい雰囲気よさそうです。

間違いなく天国なんでしょうけども、あそこに泊まると早朝の起床が深夜1時とか2時になる。

 

山頂ご来光アタックをするためにはどうしても、

どうしても白山室堂である必要があるので、今回は諦めます。

 

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さて、南竜ヶ馬場付近から弥陀ヶ原分岐へと入るとニッコウキスゲの群生が現れ始めます。

 

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猛暑の中でも立派に咲くニッコウキスゲ、生命力が強いですね、強いえらい。

ニッコウキスゲ助かる。

 

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8月の頭ということでニッコウキスゲが元気か少し心配だったのですが

そんな心配はなかったようです、バナナみたいなおいしそうなキスゲが沢山咲いてます。

 

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咲きたての新鮮なニッコウキスゲを探すのが楽しいですね。

夏の楽しみの花といって差し支えないニッコウキスゲ、とても気持ちが明るくなります。

 

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分岐点から南竜ヶ馬場方面へと下る登山道、ほとんどの人はこの道を進みます。

僕が今回利用する、弥陀ヶ原に向かうルートはあんまり人がいませんでした。

 

殆どの人は手前の分岐で黒ボコ岩方面に行くようですね。

 

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可能な限り拡大して撮影してみた南竜山荘、さすが120㎜!!!すげぇ!!

ズームレンズの有用性に感動、24-120㎜f/4って本当に性能が良いんですよね。

歩いてたら勝手にみょーんって伸びてくる事以外不満はありませんでした。

 

南竜山荘はずいぶんとデカい建物です、テント場は少し離れたところにあるようです。

 

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弥陀ヶ原へ向かう道の整備のされ具合は素晴らしいの一言。

写真のような歩きやすく傾斜もゆるーい道が延々と続きます。

ただし、日を遮るものが一切ないので本当に暑い……。

 

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ニッコウキスゲに入道雲、夏山ここに極まり。

 

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後ろを振り返ると別山、南竜ヶ馬場から別山方面に登る道が見えます。

あの稜線を登るとなると結構大変そうだけども……。

白山から別山へ向かう場合は白山室堂に泊まるよりも、

南竜ヶ馬場に宿をとったほうがよさそうですね。

 

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目の前に見えてきたのは白山山頂、これまで見ていた別山方面の景色に比べると

ずいぶんと違った景色が広がる。

「……ていうか遠くないか??」

 

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これまでの景色に比べると樹木がなくなったので全く景色が変わりました。

白山は南竜ヶ馬場から下と上で全然景色が違う……。

アルプス的な山としては森林限界が結構低くて良いです、南アルプスも見習えよな。

 

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ニッコウキスゲの向こうに見えるのが山頂御前峰、距離的に……まだ2時間くらいかな?

 

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ニッコウキスゲは大変元気だったのですが、チングルマはほぼほぼ散っていました。

フェイスハガー的な様相を見せるチングルマが足元に広がります。

 

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チングルマやハクサンイチゲは初夏のいい時期に咲く花。

チングルマが枯れるころはもう晩夏というくらいの印象を持っています。

 

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午後1時5分、弥陀ヶ原入り口到着。

木道地点にやってきました、ここが弥陀ヶ原の合流地点です。

目の前に山頂が待っているのですが、白山室堂はどこに……?

 

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「最高、夏山最高の景色」

目の前に広がる景色はまさに夏山、しかも割と登りやすくて環境がいいタイプの。

こんな山が地元にあればね、アルプスとか別に行かなくてもいいかなって

思えるんじゃないでしょうか、それくらいいい景色です。


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草原地帯に雲が織りなす移ろいゆくコントラストが生えます。

この木道の歩きやすさも最高、これまでの疲れがぶっ飛ぶくらい気持ちよく歩けました。

 

4.登山者でにぎわう白山室堂から御前峰へ

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午後1時30分、白山室堂到着。

弥陀ヶ原入り口からは良く見えなかった白山室堂ですが、歩いてたらすぐにつきました。

木道が歩きやすかったので、ぼんやりとしながら歩いてたらいつの間に到着、拍子抜けですね。

立地がめちゃくちゃいいですね、弥陀ヶ原は本当に広くて、いい所に小屋があるな。

 

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白山室堂の小屋はとても大きく、登山客でごった返しています。

売店もご覧の豊富な品揃え、まずはバッチを購入して、そのあと宿泊手続きです。

 

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小屋の自由スペース、室内はやや狭い感じでした。
外にある机と椅子使ってねっていうことなのかな。

オイルヒーター的なものが完備っていうのが凄いなぁ……。

 

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受付棟の隣にある宿泊棟の一室に案内されました、安定の布団1枚。

山小屋は基本的にどこも過密な住環境となります、ホテルと変わらない数百人が宿泊しても

小屋はそんなに大きくできないのでしょうがないですね。

さて、宿泊用の装備をすべてここにおいて布団をかぶせておきましょう、

貴重品と撮影道具をザックに入れたら山頂へ出発です。

 

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白山室堂の小屋の真正面には白山神社の奥宮、その奥には御前峰。

今から神社の脇を通って御前峰に向かいます、所要時間は1時間くらいかな。

晴れた日中に山頂を踏んでおいて、夕方の時間帯にもう一度登るというわけです。

 

正直考え着いたとき、この写真を撮りながら

「マジでこれ2回今から登るのかよ……」

という気持ちになっていました、だってどう考えても辛いでしょ。

 

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神社が開いているうちにお参りをします。

白山室堂の神社で奥さんと生まれてくる子供のために祈祷してお守りを購入。

これでやることはやった、あとは俺が……俺の山岳写真を撮るだけだッ!!

 

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クワッ!と目を見開いて登り始めましたが、

登り始めて5分くらいで石段に足がやられ始めます……、つら……。

防砂新道を登り切った後、酷暑の山頂までは体力的につらいものがありました。

一端荷物を置いて油断しきった影響が大きいでしょう。

 

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御前峰道中から見下ろす白山室堂、雲が室堂を覆っている。

この時点で絶景、登ってよかった白山という気持ちになりました。

 

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山頂はご覧の通り快晴、雲が登っては来ていますが、

このままいけば確実に晴天の山頂を獲れるッ!!

 

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花の百名山ですが、チシマギキョウのサイズが若干小さいのが気になります。

白馬岳で見たチシマギキョウのほうがデカかったイメージがあるんだよなぁ……。

 

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雲が去りゆく白山の山頂、夏山のビクトリーロード。

 

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午後2時45分、御前峰到着。

石段をひたすら上り続け、ようやく御前峰に到着しました。

ご来光を眺める際に宮司さんが色々と準備をするお堂が目印です。

 

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白山山頂御前峰、白山山頂は御前峰、剣ヶ峰、大汝峰の3峰から形成されています。

撮影地点が御前峰、画面右が剣ヶ峰、画面左奥が大汝峰です。

剣ヶ峰は一般登山道が存在しないため登ることができません。

 

これが白山山頂の景色です、突如として火山らしい火口がぼこぼことある山の景色になりました。


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豪雪地帯の山、白山と名のつくくらい雪に包まれる山であることから

この真夏の糞暑い時期だというのに山頂には雪が残っています。

標高2,700m台で決して高いとは言えない山ですがこんなに雪が残っているなんてすごい。

 

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三脚を固定するとサムネイルの自撮り撮影に入ります、はるばるやってきたぜ白山。

北陸はまだ荒島岳という強敵が待ち構えているのですが、

そっちのほうがどうやって行けばいいのか……、困ったものです。

 

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御前峰の山頂碑は大理石でできた立派なもの。

最高の時期に訪れることができましたね。

 

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これから余すところなく、夕日と朝日を撮影します。

 

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御前峰周辺は白砂の稜線、白い岩があたりに転がり独特な景観を作り出します。

これは夕方になればきれいな色に染まりそう、早く夕日を拝みたい!!

 

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御前峰の爽快感がたまらない、雰囲気的に近いのは鳥海山ですかね。

鳥海山よりは山頂が広くて長居しやすいのが白山の特徴かなと思います。

 

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御前峰からの景色を散々焼き付けておきます。

翌朝ガスった場合の保険と思い、心行くまで撮影を続けました。

登山では基本的に撮れるときに撮っておく、が良いかと思います。

太陽の角度によって撮れるものかわりますし、同じものでも全く雰囲気が変わります。

なので、撮れるタイミングでとにかく撮る。


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ダッフィーは日本三霊山中2つに登ったということですね。

富士山は僕がブログを始める前に登っているのですが、できればもう行きたくない山なので

次に登るのはいつになることやら……。

 

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白山登山ではこちらのVEO2を利用して撮影を行いました。

ミラーレス一眼などでは有用となるトラベル用のカーボン三脚です。

アマゾンで安く購入することができるので、登山用の三脚のデビューとして購入するにはお勧め。

 

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夕方に向かうにつれて徐々に雲が出てきました。

個人的に夏場は午後2時~午後4時くらいは山って雲が多と感じます。

5時くらいからまた雲がどき始めて夕日が見れる、みたいな。


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大汝峰方面をよく見ると真っ青な雪解け水がたまった池が2つあるのがわかります。

あちら側に行くのは翌日のこととなりますが今から楽しみです。


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この白砂の稜線を歩くのもとても楽しいです、シャリシャリと音を立てて歩くのが気持ちい。

さながら標高2,700mのビーチか、ハイマツのない鳳凰三山といえば気持ち良さが伝わるだろうか?

 

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白山室堂方面を見ると若干雲海状態になった下界の様子が見える。

低層雲が上がってこれなくて下にたまっています、とても気持ちの良い景色です。

 

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御前峰で今撮影するものは撮影しました。

次は夕方です、小屋でご飯を食べて、夕日の時間帯にまた昇ってきましょう。

まずはご飯と休憩をとるために一度白山室堂に帰還することにしました。

 

5.夕焼けの御前峰、日本海に沈む夕日を眺める

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午後4時10分、白山室堂へ帰還。

山頂でずいぶん長居したので白山室堂に帰ってくるころには日が傾き始めていました。

まずい、これは急いでご飯を食べなくてはいけません。

 

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登山客が並ぶ食堂にスルリと入って夕食をいただきます。

山小屋らしいご飯、ハンバーグが付いているのがありがたい。

ご飯はお替りし放題なことと、画面左側にある付け合わせの漬物が食べ放題なので

漬物を利用してご飯を3杯くらい食べて今日一日のエネルギーを補給しようとします。

 

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午後5時55分、白山室堂出発。

おなかがはちきれんばかりにご飯を食べた後は、すぐに撮影道具と防寒具を持ち出し再出撃!

日が傾きいい感じの雰囲気が出始めた白山室堂から、御前峰に向かいます。

まさにゴールデンタイムなんだけど、正直もうあと30分くらい早く出るんだった……。

 

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「アレ!!??もう沈むじゃねーか!!!」

そう、油断しきっていました、食事の時間が17時からで急いで食べたものの……。

割ともうギリギリな時間帯で登り始めることとなってしまったのです。

ですが、ザックにはカメラ二台と三脚と防寒具のみ、全力で御前峰へ向かいます。

 

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でも日が傾いて非常にいい雰囲気になっているんで、どこを見ても撮影できる。

どこを見ても美しい、足が止められる……。

 

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白山の西、赤兎山方面にかかる雲とかが最高にエモい。

もっと早く出発していれば落ち着いて撮影ができたのにと、悔やまれます。

 

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御前峰まで向かう石段の道がうっすらと照らされる、

水平線に向かって落ちる太陽、海に太陽の光が反射しています。

撮影ポイントにいればもう奇麗な景色が見れるんだろうな、と思いながら登る。


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あれよあれよと白山室堂小屋に向けて雲が。

小屋にいたら雲に包まれていたところでした。

 

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雲の隙間から太陽がきらりと顔を出すと一気に空が色づきます。

「マジかよこんな夕焼け今シーズンナンバーワンじゃねぇか……!!」

白馬岳よりも、赤石岳で見た夕日よりも素晴らしい、感動的な夕焼け。

海に沈みゆく太陽の美しさに思わず足が止まります。

 

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午後18時40分、御前峰到着。

感動して足を止めていても仕方がありません、慌てて山頂まで登ると素晴らしい夕日。

夕日の時間帯でも最もおいしいと思えるような、沈む前30分の時間帯に山頂につきました。

 

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夕日に彩られる山頂奥社、すでに山頂には数人の登山者が撮影を行っている状況。

完全に出遅れましたが、まだ夕日は沈んでいない、急いでカメラと三脚を用意します。

 

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山頂にたどり着いて目の前に広がったのは水平線と空を分かつ美しい色彩。

なんて美しい景色でしょう……、シルエットで浮かぶ大汝峰。

白山山頂の夕日の景色です。

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御前峰という山頂碑、その向こうにはちょうど良く登山者が……。

 

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空気の状況がよく、夕日の時間帯ともなると丸みを帯びた水平線が目の前に浮かび上がります。

 

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山頂に転がっていた白い岩に赤い光が当たり、影の部分は青く彩られました。

感触と暖色のコントラストが非常に美しい、気温も暖かく撮影がはかどります。


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三脚を据えてあの登山者の立っているところでポーズを取りたいところではあるのですが……。

とりあえず山頂撮影を楽しんでいるみたいなので邪魔はできないかな。


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太陽が刻々と海に沈んでいきます。

石川の町はもう夜を迎えていることでしょう。

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沈むぎりぎりになって水平線が紫色に染まり、なお一層景色が神秘的に。

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最後の最後キラリと光る太陽、この瞬間がこの日一番の絶景となりました。

最初に山頂に登った時、夕日のタイミングにもう一度上るなんて正気かと思いましたが

結果的に2回山頂に登って本当に良かったなと思います。


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太陽の最後の輝きで照らされる白山室堂の小屋。

小屋まで覆っていた雲はいつの間にか消え失せ、山麓に広がる雲海と

美しい水平線が目の前に広がっているのでした。

 

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そして太陽は沈みます。

画面全体が青に包まれていきます、この瞬間は神秘的なものを感じる一方で

カメラの設定をいろいろと変えると様々な色の景色を撮影できる瞬間でもあります。


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即座にD850の色温度を蛍光灯6から7に変えて撮影、すると青かった空の色は

紫を帯びた妖艶な色に変化します。

夕日のタイミングは色温度を変えるだけで撮影の楽しみが本当に増えるので楽しい。

 

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剣ヶ峰と大汝峰、明日の朝になったら大汝峰に登ることとなります。

明日も晴れてくれることを祈りましょう。

 

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撮影もそこそこに、夜へと移り変わる景色を眺めながら行動色をかじる。

肌寒い風が山頂をかすめ、さすがに寒くなってきたので防寒具を着用します。

撮影終了後ここを歩いて帰ると思うとちょっと気が引けます。

 

いつの間にか周囲にいた撮影の登山者もほとんどいなくなってるので寂しい。

 

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水平線の向こうへと太陽が沈み、大地は空の残照の光が照らすわずかな光に照らされるのみ。

撮影機材をしまいながら、帰路に就く準備を進めましょう。

この後残照の時間帯も撮影する方もいるんですけども

僕は大体これくらいの状況になると撮影を切り上げることが多かったです。

 

今なら、もう少し三脚を利用して撮影をするかもしれません。


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南の空の雲がピンク色に染まる。


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水平線の向こうへと消えた太陽、染まる雲を眺めながらの撤退です。

 

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結構楽しかったのがこの下山路、空が紫色に染まる中で石段がうっすらと輝き

いい感じに道が伸びていくのがわかるんですね。

当時はカメラの設定を詰め切るようなことはできなかったのですが

今ならめちゃくちゃいい感じに撮影できるんだろうなというコンディションでした。


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町の光が見えないものの、白山室堂の小屋の小さな光が漆黒の山中に浮かび上がります。

この後、真っ暗な登山道をヘッドライトを利用してくだり、

小屋についたころには完全に夜となっているのでした……。

到着後、すぐさまお湯を沸かして体をぬぐい、水を汲み、歯を磨いて寝たのは言うまでもなく。

 

明日朝のご来光を御前峰で迎えるためには朝の3時前には起床しなくてはなりません。

夏山の撮影は過酷です、こうして今週も寝れない土日をすごすのでした。


6.まとめ

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夜行バスで行く、白山夏山登山一日目

いつ行けるのだろうかとワクワクしていた白山、ようやく登れました!

北陸随一の名山で、アルプスよりも白山にもう一度登りたいという人の話も多く聞き

登山の日に向けて夢を膨らませていました。

 

ようやく登れた白山は森林限界も低く、火山としての美しさ、日本海に沈みゆく夕日と

感動的な景色がいくつも現れる山でした。

登山道もとても良く整備されていて、いかに大事にされている山なのかというのがわかります。

 

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白山山頂は広く、山頂界隈を歩き回るだけで結構な時間がつぶせそうです。

次回は2日目、白山山頂の御前峰から大汝峰まで向かい、観光新道で下山します。

 

夜行バスと新幹線で行く真夏の白山撮影登山、次回もぜひお楽しみください。

 

白山二日目の記事はこちら!

www.redsugar.red

 

 

 

白山の地図はこちら

白山と御嶽山って書籍だとなぜか中央アルプスに組み込まれてるんですよね……。

南北アルプスにまとめきれない山の受け皿が中央アルプス感あります。

 

この登山で役に立ったアイテム

夏山登山において靴下が一枚というのは非常に不快な思いをしますし。

何よりも靴が速攻で臭くなったりするので、ぜひとも二枚履きをお勧めします。

個人的にはインジンジのライナークルーがおすすめです。

 

今回の登山ではVEO2を利用しました。

最近はミラーレス一眼でもレンズがやたら重いので、ちょっと心配かもですが

フォーサーズやAPS企画であればこちらの三脚はちょうどいいかなと。

何よりもカーボン三脚にしてはとても安くていいのです。

 

夏山の生命線は水です、夏の天候で奇跡的に晴天続きだったこの年。

水がなさ過ぎて死ぬかと思いました、ペットボトルとかじゃなくて、

プラティパスみたいな装備は絶対に持っていきましょう。

北斗の拳の最初のケンシロウみたいに行き倒れても知りませんよ。