Red sugar

山と写真とカメラが趣味の人にお勧めな登山ブログ、全国の山の登山情報と山岳写真情報を書いています

【上信越】赤城山、谷川岳、寒さと恐怖を感じた雪山登山二連発

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2015年12月27日、群馬の町から見える象徴的百名山【赤城山】

2016年2月8日、同じく群馬の奥、上信越でも屈指の名山たる【谷川岳】

この二つに登ってきました、そしてこの二つは長らく記事にはならないものでした…。

 

なぜならどちらも天気が曇天かつ強風でとんでもなく寒かったから。

雪山に登るということはそれなりの覚悟と装備が必要なことだと思います。

そして何よりも天候を読んでやばそうなら撤退する勇気が必要です。

この二つの登山はどちらも【やばい、寒い】【やばい、見えない】【やばい、怖い】

上記の3拍子が揃った冬のガスガス登山となりました…。

 

雪山を登ろうと考えている初心者の方にこそ読んでもらいたい

【こんな天気の日に山歩いてる場合じゃねーぞ】というのがよく分かる記事になれば幸いです。

それではお寒い雪山登山の始まりです…。

 

 

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谷川岳天神尾根稜線、バタバタと激しい音を立てたフードがずっと僕の頬を叩いている。

風速は15を軽く越えているに違いない。

砂塵のような鋭さを持った雪の粒子が空間を作り、僕の呼吸を阻害する。

こんなにも風があるのに息苦しい、山の上で窒息しそうな気分だ。

 

気温はいくつになるのだろう?

指の感覚は未だ確かだ、しかし足を伝う冷気と頬を叩く風は人体を凍らせるのに十分だろう。

周囲の山は晴れていた、この谷川だけが雲に覆われ、吹雪をまとっている。

 

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真っ白に変色した視界の先に薄く小屋のようなものが見えてきた、肩の小屋…。

吹き付けるブリザードの中ゆっくりと小屋に向かう、足跡はゆっくりと消えて行く…。

登山者は多いが10mと離れてしまえば見えなくなってしまう、遭難するのは簡単であろう。

肩の小屋についた僕は一息ついて今すぐに下山することを決めた、

命あってのもの、ここで無理をする必要はどこにもないのだ。

 

はい、今回は【絶対に登ってはいけない雪山登山】です。

谷川岳・赤城山というすでに記事になっている二つの山は、

晴れの日に登る前に曇りの日に登り大変な思いをした山でした…、死ぬかと思った。

どのようなコンディションの場合は登るのをやめた方がいいか、それがわかるように

後悔と愚痴と寒さをひたすら書きつねるのが今回の記事となります。

 

 

1.二つの山のコンディションについて。 

赤城山 大沼より上曇天、風速15m付近、気温-10度

谷川岳 土合より曇天、風速18m付近、気温-13度付近

素人はこのコンディションに近い状態では登ってはいけない、これに近い時は帰りましょう。

 

2.各山の公共交通機関アクセスについて。

赤城山への公共交通機関アクセス

【電車】上野(高崎線)6:33→高崎(両毛線乗り換え)→前橋8:33  1940円

【バス往路】赤城山直通バス8:45分発 1500円

【バス復路】前橋駅直通バス16:40分発 1500円

都内からは往復交通費が6880円付近となる模様、高い…。

 

谷川岳への公共交通機関アクセス

【電車】上野5:13発(高崎線)→高崎7:10発(上越線水上行き)→

    水上8:24発(上越線長岡行き)→土合8:33到着 運賃合計3020円

【施設】ロープウェイ大人往復 2060円

合計金額8100円(往復の電車代と施設利用料を合わせる)

二つの山に一人で登れますねこれで。

 

3.各山のコースタイムについて

赤城山のコースタイム

駐車場9:20→駒ケ岳10:10→山頂神社11:00→山頂11:10→黒檜山登山口12:55

あまりの寒さに遊ぶことが一切なかったためすぐ登ってすぐ帰ることに。

 

谷川岳のコースタイム

天神平スキー場9:55→避難小屋10:50→肩の小屋12:05→天神平スキー場13:45

あまりの状況に時間の感覚がなかったです。 

 

4.各山の晴れた日の記事はこちら

 

 

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215年12月27日、赤城山登山日。

ラグビーシティ熊谷、駅前に巨大なラグビー像が立っております。

登山にいくのに熊谷で待ち合わせとか珍しいよねっていう。

なべしと登る場合は本拠が北関東という事情があるため集合地点を北に設定することが多い。

 

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この日は笠取山か赤城山を選択してどちらかに行こうということでしたが、

協議の結果、赤城山が選択されたので赤城に向かうことに。

空は快晴、無限のガス(インフェニティアトモスフィア)を持つなべしですが

今日は天より晴をプレゼントしてもらったようです、やったね快晴!

 

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駐車場についた瞬間、目の前に広がるのは巨大なガスに包まれる赤城山。

どういうことだ、さっきまであんなに晴れてたじゃねーか!!

 

僕たちがいるこの赤城だけが凄まじい曇天、傘雲になっている模様…。

これが無限のガス(インフェニティアトモスフィア)か…!!

 

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午前9時20分、赤城山登山開始。

なんかやたら風も強いんだけど仕方がない、登るか…ここまで来たし…。

ということで登山開始、これが僕史上最も体感温度が寒い登山になるとはこの時は未だ知らず。

 

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駒ヶ岳登山口から登山を開始して最初に驚いたのは風の強さでした。

雲の中に入った瞬間凄まじい風が吹き上げてきている…嘘だろ…。

体感温度がどんどん下がっていくんだけどこれ大丈夫か??

 

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雪が積もっているかなと思ったのですが、思ったよりも雪はなく木々は霧氷状態。

夏なら未だしも冬の曇りに山登ってるとか頭おかしいよ…。

なんかの訓練かよこれ。

 

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雪景色よりも寒く感じるのは何故だ…、心までお寒くなってくる…。

薄い雲の上は晴天なのは間違いありません。

雲がとれてくれることを祈って登るのですが一向に晴れない。

 

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前を歩くあじたろう氏となべし、空が晴れていればなーと三人口を揃えて話しています。

僕は寒くてたまんない、左側斜面から凄い風が吹き上げてきているため、左頬が凍りそう。

 

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稜線にでました、風はもちろん強い。

大体この日の風速は登山中に10m付近、山頂付近で15m位だったのだろうと思います。

気温が-10度なので体感温度は-20度近いと言うことです。

地元北海道でも中々体験しない気温です。

 

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霧氷だ霧氷だ!と喜んでいたのも最初だけ、冷凍地獄に咲く花のような様相を見せる霧氷。

 

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しばれた世界である、風が下から吹き上げてきているので足元が寒い…。

体の芯から冷えるとはこの事か…。

 

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曇りの日に上っても見える景色は白と黒の悲しい景色です。

あなたが写真家の方で物悲しい雰囲気の写真を撮りに来ているわけでないのなら、

曇った冬山に登るのはお勧めしません。

 

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曇りの日は何よりも口数が少ない、なべしも落ち込んで黙ってしまった、寂しさ30%増し。

 

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午前10時10分、駒ケ岳山頂到着。

ボケることは忘れない、どんなときでもふざける気力があれば場は和むものです。

 

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ちなみに晴れた日の駒ヶ岳山頂はこんな感じ、本来であればこんな青空を見る予定だったのに…

 

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目の前に広がるのは遭難映画の1シーンみたいな風景です。

マジでとんでもねーなこの景色、生きて帰れるか不安になる…。

 

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写真を撮る指が段々かじかんでくるのが分かります、風は強いし寒いし鼻水は凍るし…

雪のない赤城山でこんな目に合うとか勘弁願いたい、

初心者がこんな日に来たら一発で登山嫌いになるでしょう。

 

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生のない世界の絵面としてはいいかもしれない、絶望を感じる。

 

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積雪が少ない時期と言うのは凍結した地面がとても滑ります。

こんな階段とか降りるときは最悪な気分な訳です、積雪期よりも遥かに歩きにくいんですけど…。

 

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駒ヶ岳から黒檜山に向かう稜線では雲の移動する気流を直で浴びるので

とんでもない冷気を感じることになります。

ここで体温がガンガン失われていく、もうトイレ行きたくてたまんないんだけど…。

 

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晴れ間は一行にとれず、気温は-10度で風は強い。

 

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山の下の方はすごく暖かそうです、早く下山したくてたまりません。

これはもはや訓練でしかない。

 

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晴れていればこの霧氷も素敵だったんだろう、写真に残しても本当に寒い印象しかありません。

 

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午前11時00分、山頂神社到着。

ようやく鳥居が見えてきました、そして先行していた登山者の方々も…。

皆さんハードシェルを着こんで防寒バッチリな装備ですね。

ちなみに僕はこの日はフル装備でしたが寒かったです、もう内側が冷えてる…。

 

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神社で丁寧に謝罪を済ませて山頂に向かいます、こんな天気で登ろうとしてご免なさい。

 

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ちなみに晴れたらこのような素敵な景色が見えます。

最高の赤城山と最低の赤城山を味わった人って中々いないと思うんですよね。

恐るべし無限のガス(インフェニティアトモスフィア)

 

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神社を過ぎて山頂に近づくと天候はよりエクストリームになってきました、

とんでもなく視界が悪くなってきたんでけど…。

そして風もよりいっそう威力を増します、ハードシェルがバタバタ言い始めてるんだけど。

 

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空を彩る霧氷だけが清涼な世界を演出しています、ここはあの世か。

 

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午前11時10分、黒檜山山頂到着。

なんとか山頂に到着しました…、着いたらすぐに集合写真撮影。

昼飯を食べてるほど暖かくありません。

なんか風速18とかそんくらい風が吹いてる気がするんだけど…。

あまりの寒さにおしっこチビりそうです。

 

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そんな中発生する仲間割れ、赤城山と笠取山という2択を迫ったことにご立腹の模様。

カンチョーとピッケルで無事昇天させられました。

 

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本当に-10度なんだよね、風も強いんだけど…、いい加減指が言うこと聞かなくなってきた。

 

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しばらく待つと時折青空が見えるようになってきました。

青空が見えると気持ち暖かく感じるから凄いよね。

 

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赤城の展望台はこんな感じでなにも見えないどころか強風が吹き付けており

急速な冷気により僕の体の体温が低下していく…、マジでヤベェ寒い…最低かよ。

 

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展望もくそもないガス空を堪能した我々は急いで下山に取りかかります、

黒檜山からの下山では幻想的な霧氷の姿が見れました。

背景が青空だったら最高だったと思うよ、うん。

 

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黒檜山からの下山は駒ヶ岳よりも岩が多いので今日のようなコンディションでは苦労します。

岩の上に薄い氷が張ってその上に雪が積もっているわけです、つまり通常よりもとても滑ります。

冬靴とか関係ないくらいに。

 

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青空が、青空がほしい…!

 

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日の光が少し入るだけで全然景色は変わります、素晴らしく美しい景色になるのにね。

曇りだとひたすら寒い景色しか見れません、曇天の時は大人しく別の山に行くのが正解。

 

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大沼が見えてきました、全然凍ってない。

12月に凍るわけがないんですけどね、15年は凄い暖冬だったのでこの時期は綺麗な湖でした。

 

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吹雪の山肌って言う感じがする、ビュービュー風が吹いているのでとてもお寒いです…。

大沼側から突き上げるように風が吹いているのが意外でした。

 

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赤城山は最後に僕らに青空をプレゼントしてくれましたが、もう下山間近だっつーの。

 

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青空と霧氷、綺麗なんですけどね…

歩いている方は四肢が冷えきってそれどころではありません。

 

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大沼が見える場所まで降りてきましたが、やはり下は晴れている模様。

僕らがいた赤城山だけが凄い曇っていたわけです、傘雲の際は登らない方がいいですね。

身をもって体験しました…。

 

そしてこの直後、僕のD810に入っていたメモリーカードが故障し

一切の写真がとれないこととなってしまうのでした…呪われてる?

SDメモリーはその後早急にアマゾンに返品され、別の商品と交換となりました。

今はCFカードを利用していますかこちらは全く問題ありません。

 

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因みに快晴の赤城山大沼はこちら。

晴れさえ掴みとれば最高の登山経験があなたを待っていることでしょう。

晴れていれば寒くないのでとても楽しいです。

 

という感じで曇りの日の赤城山でしたが、初心者向けの雪山だったとしても

曇天の日は全力で命を奪いにくるやばい山に変貌します。

曇天の日は山に登っちゃいけないよということがよく分かったでしょうか?

 

それでは続けて、これが谷川岳になった場合どんなコンディションになるんだろう?

ということをお伝えしたいと思います。

 

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2016年2月8日午前8時40分、土合駅。

早朝の土合駅を登る、谷川岳と言えば土合駅という刷り込みがなされている僕。

この日は谷川岳一回目の挑戦、再び濃雲の王なべしと共に登山に赴きます。

 

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土合駅を出たらまず雪が降っているという試合展開に卒倒しそうになりました

ヤマテン気象庁共に「9時から晴れるから、安心して上れや?」

という心強い予報を出していただいたので満面の微笑みでロープウェイに乗車しました。

なーに、天神平につけば晴れるさ!

 

この時はそう思っていたんだよね…

 

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ジーザス、クライスト イッツ ア ホワイト アトモスフィア!

午前9時50分天神平スキー場、なんということでしょう、雲の中です…。

この前日雲取山避難小屋泊で快晴を獲得し、天国のような気分から一転。

白銀の地獄が産声を上げ今僕らを養分として飲み込もうとしているのだ。

なんやこれ、ホワイトアウトしてるやん。

 

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この空のコンディション…二ヶ月前も同じような景色を見たような気がする、う、頭が…!

赤城山とにたような展開を迎える中、プレイボールの合図は下る。

無情にも開始される登山 雲の中の谷川岳天神尾根

トレースはあるし 人はたくさんいるけど 難易度はMAX、恐怖心もmax。

頭の中は雪崩とか遭難とかそんな単語で一杯です。

 

もう少ししたら晴れるかもしんないから少し上まで行ってみよう。

恐怖の言葉です、こんなコンディションの場合晴れることはまずないので

とっとと帰るのが正解です。

 

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赤城山と同じくなべしの背中を追いかけて登る、さすがなべしは体力があるので早い。

僕は雲取山の疲れもあり中々ペースが上がりません、焦る。

 

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雲は非常に薄く、青空がそこかしこから顔を覗かせます。

ほんの1枚雲がとれるだけで青空が一面に見える、だから諦めきれない。

 

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天神尾根は非常に風が強い場所です、この日の風速は間違いなく15m以上。

そして気温も間違いなく-10度以下、赤城山よりも過酷な状況が僕らを襲います。

 

初級者風情が耐えれるのは気温-15度、風速15mが関の山です。

ハードシェルがバタバタいって互いの声が聞こえづらい…。

 

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天神尾根の怖いスポットで苦戦するなべし、その姿勢逆に怖いぞよ…。

 

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避難小屋までは完全なホワイトアウトといったことにはなりません、

何故なら樹木が多いので風が少し弱い。

しかし、避難小屋を越えてからは谷川岳は本気を出し、登山者絶対殺すマンに姿を変えます。

 

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吹き付ける強風、舞い上がる粉雪、顔に当たる雪礫。

歩いているため体温は高く、バラクラバのお陰で凍傷も予防できてはいる状態。

しかしこの強風と寒さは強烈です、それでも登り続ける登山者達。

この日普通に30人以上の人が登っていましたが、酔狂ですね…。

 

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因みに晴れているとこんな感じでだだっ広いゲレンデのような感じになります。

おかしい、予報と違いすぎるから帰りたい…。

 

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時折期待を煽る青空が見えるのが本当に腹立たしい、なぜ煽ってくるのか。

周りの登山者も諦めることなく皆山頂を目指しています。

一直線で隊列を組んだかのように列を形成し歩いて行くこの日の登山者達

無言の連帯感で結ばれていたにちがいない。

 

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そしてついにホワイトアウトする瞬間が…、足元とトレースと先は辛うじて見える。

しかしなべしの先はもう見えない、トレースがなくなれば遭難する。

 

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一応前が見えないだけで横や後ろは見えます、もはや撤退しかない状態。

しかし恐ろしいのは中々それを切り出せないメンタル。

不思議と諦めってつかないんですよね、これは本当に不思議でした。

 

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白い雲に吸い込まれて行く登山者達、もう俺こえーわ、無理だわと思ったその瞬間でした。

 

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と思った瞬間に晴れた。

雲が切れて晴れ間が、そして先まで割と鮮明に見える…前にも登山者がかなりいるのを確認。

 

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振り替えればこれくらいの視界は確保できているので、

取り敢えず肩の小屋まで行くことにしました、やばくなったら即撤退。

 

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午前11時50分ザンゲ岩到着、この登山事態が懺悔である。

天神平が曇っている時点で登ってはいけない山なんです谷川岳は。

 

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青空とブリザードを包まれた世界、バラクラバがなければ一発で凍傷になることだろう。

 

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正午12時3分、肩の小屋到着。

長かった…、小屋付近で再びホワイトアウト気味になる天候。

小屋周辺は雪原になっておりトレースが不明瞭になっていました。

さらにこの時点で僕らは隊列の先頭に出てしまっていたようです。

つまり先行するトレースが全くないのです、それに気がついたのは小屋についてから。

 

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因みに晴れているとこのような感じに素晴らしい景色に恵まれる谷川岳。

小屋から見える稜線の偉大さは感動的です。

標高2000m足らずの山でこんな景色を拝めるというのは素晴らしい。

 

ただし曇天の場合は簡単にホワイトアウトする恐怖の山。

 

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正午12時30分、撤退開始。

来た道もなんかよくわかんなくなってきてるので撤退を開始。

後続の登山者の方々を目印にして下山することにしました。

肩の小屋での風速は体が浮きそうな位だったので18mとか20mでしょうか。

足跡がさらさら消えていくのがよくわかりました。

 

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小屋もなんかよくわからない雪のオブジェになってる、入り口ってどこだっけ?

 

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晴れているとこんなもんなん、吹雪いている中で小屋は白い饅頭みたいになっていました。

 

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下山を開始して少しすると晴れ間が見えてきました、風は相変わらずの暴風。

山頂は全く晴れ間はない様子、とっとと降って命拾いしたわ…。

 

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失意の中天神尾根を下ります、この空模様は予報とは真逆…。

やはり谷川エリアの天気は難しい、晴れ予報でも普通に暴風雪です。

 

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雲に覆われる主稜線、あそこも凄まじい風が吹いているんだろう。

僕らの歩いている場所まで下ると大分天候はマイルドになりました、晴れ間もなんとか見える。

 

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山頂は凄まじい空気の流れ、渦巻くとはこういうことを言うんだろうなぁ…

下山の最中、この敗退が非常に悔しく必ずリベンジすると心に決める。

そして結果4日後にリベンジを果たしたんですけどね。

 絶景が写っているので見ていただけると幸いです。

 

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スキー場に向かってシリセードするなべし。

谷川に12ラウンドKO敗けを下された僕らは失意の中ロープウェイに吸い込まれていく。

 

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ロープウェイからの景色はいつの間にか晴天に。

この晴れを谷川岳本体でプレゼントしてくれると最高だった。

登山で悲しみを背負うということは中々ないと思いますが、

この時の僕たちの心にはガッチリと抉られた傷跡が残ったのでした…。

目的の山が曇っていたら他の山に移動しよう、命のためにも。

 

 

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死ぬかと思った二つの雪山登山でした…。

雪山は天候といったものか夏山よりも遥かに重要です。

1つ読み間違えて入山すればそこは極寒の世界。

 

そして吹き付ける風に体温を蝕まれ、視界を奪われて簡単に遭難していきます。

登山はなるべく晴れた日にというのは

【気持ちがいいから】というわけではなく【死なないために】ということです。

 

雪山登山をする際はちゃんと装備を整えて天候の良い日に出掛けることを心がけましょう。

そして谷川岳で天神平が曇っていたらそれ以上上に行ってはいけない、これ重要です。

 

登山をしているとヤバい!と思う瞬間が必ず一度は訪れると思いますが

今回は冬のマジでヤバいと思った二回の登山でした。

皆さんはこんな思いしないように、気持ちの良い登山をしていただけると幸いです。