【奥多摩】川苔山、絶好の山岳写真練習スポットを歩く、撮影練習の旅
2018年5月12日、奥多摩にある人気登山スポット川苔山へ行ってきました、
標高は1,363mとなり奥多摩の中でも登り応えのある山です。
川苔山は奥多摩でも特に人気のある山の一つ。
序盤の渓谷歩きからたどり着く百尋の滝は落差40メートルで
一見の価値があるものとなっています。
高尾山や日の出山といった山々からのステップアップで歩く人も多いのではないでしょうか?
今回は新緑時期、川苔山を歩くには最適な時期を選んで山岳写真の練習をしに行きました。
山岳写真は読んで字のごとく山で写真を撮影することなのですが、
ちゃんと撮影をしようとすると登山の難易度が危険な方向へ激変します。
三脚や重量級のカメラ機材を持ち運び、定点で数十分の撮影時間することが普通になるので
コースタイムの組み方や、実際に歩く速度などがとても厳しく難しいものになるのです。
最近はカメラを嗜む方々が山にやってくることも多いですが、山での撮影は先ず登山が重要です。
今回は川苔山を利用して、実際に山岳写真目的で歩くと
どれくらい普段の登山と変わるのかを試してみたいと思います。
川苔山撮影登山について
奥多摩の登山ガイド本では必ず登場する山の一つ、百尋の滝が有名です。
そこまでのアプローチとなる渓谷も美しく、奥多摩駅からバスで簡単にアクセス出来ることから、
一年を通して多くの方が歩いている場所です。
危険箇所は百尋の滝手前の急登、滑落事故も起きている場所があります。
奥多摩野山の中でも標高は1,300m近くあり、
コースタイムも長いので、全くの素人向けという山ではありません。
登るにはちゃんとした登山装備が必要です。
新緑の季節は渓流沿いが美しく、川沿いで水と戯れるのが楽しくなる山でもあります。
滝までは苔むした岩の隙間を縫うように流れる清流や、
大小様々な滝があり、ネイチャーフォトの練習スポットとしてもおすすめできる場所です。
- 1.概要、川苔山日帰り登山について
- 2.電車でゆく奥多摩川苔山、アクセスはエモさの塊
- 3.山岳写真練習スポットを探し川苔山を登る
- 4.百尋の滝、川苔山のメイン撮影スポットへ
- 5.山頂へ向かい奥多摩駅へ、まだまだ先は長かった。
- 6.奥多摩駅へ下山、温泉とビールを求めて歩く
- 7.まとめ
1.概要、川苔山日帰り登山について
川苔山へのアクセス
【電車:JR線】新宿→奥多摩 1,080円
【バス】 奥多摩→川乗橋 260円
【電車:JR線】奥多摩→新宿 1、080円
川苔山登山の合計運賃 2,420円
撮影登山をする場合はホリデー快速ではなく始発電車を利用して始発のバスを使いましょう。
川苔山登山のコースタイム
川乗橋7:40→細倉橋8:35→第一撮影ポイント8:50-9:00→第二撮影ポイント9:05-9:30→
百尋の滝10:00-10:40→足毛岩分岐11:10→川苔山山頂11:55→大ダワ分岐12:15→
本仁田山山頂13:40→本仁田山登山口14:50→奥多摩駅15:20
合計登山時間 7時間40分(標準CT7時間10分)
僕は比較的歩く速度が速いほうなことと、鍛えているので標準コースタイムよりも
少しだけ遅れる程度で歩けていますが、基本撮影を2時間とかとると下山で日が暮れます。
この登山で使ったお金
交通費 2,420円
水と行動食 960円
温泉料金 780円
ビール代金 580円
もつ鍋料金 380円
合計 5,120円 飲み会一回分くらいの料金で1日楽しめます。
この登山で使用したカメラとレンズ
NIKON D850+AF-S NIKKOR 28mmf1.4E
NIKON D850+AF-S NIKKOR 58mmf1.4G
2.電車でゆく奥多摩川苔山、アクセスはエモさの塊
2018年5月12日午前5時00分、都内某駅。
おはようございます、久々の電車登山でテンションが上がっていますRedsugarです。
駅で見る朝焼けはいいですね、
後ろで二日酔い寸前の若者がうめき声を上げている気がしますが、清々しいです。
朝帰りの方々と出勤する人々のカオスを乗り越え中央線に飛び込み、東京の西へ西へと進む。
やがて車窓に朝日が照りつけ首筋に温かい熱を感じるようになります。
車窓から眺める朝日のエモさに若干の感動を覚えます。
そうそう、登山を始めた頃奥多摩や丹沢に通っていて、
毎週末こんな景色を見ていた気がします。
三年前くらいのことなのにずいぶんと昔のように感じますね。
中央線を乗り継いで奥多摩へ、朝日が照りつける駅のホームはストーリーがある感じ。
午前7時20分、奥多摩駅。
奥多摩登山のスタート地点である奥多摩駅に到着しました、
ここから各方向へのバスが出ているのですが初心者の方は迷わないように注意しましょう。
川苔山は日原鍾乳洞方面のバスに乗ります、奥多摩湖方面ではないので注意です。
川苔山方面のバス車内は満車です、カメラ装備が詰まった一際重いザックを
床にドスンと置かせて頂きましたが、車内はギュウギュウで申し訳ない気持ちに。
午前7時40分、川苔橋前。
バスで川乗橋登山口へやってきました、さすが人気の山ですね…人で溢れかえっています。
靴紐をしっかりと結んだら川苔山撮影登山プレイボールです。
川苔山のスタンダードコースはまず林道を歩き、渓谷入り口を目指します。
この林道も歩いていて気持ちのいいところなので、森林浴を楽しむにはとてもおすすめです。
スタートして5分も経たないうちに、森を流れる渓流が姿を表します。
杉林に差し込む光が眼下の渓流を少しだけ照らします、
水面の反射光とその周囲の無骨な岩がこれから訪れるであろう景色への期待度を上げてくれます。
谷底の渓流を眺めながら林道を先へ先へと進みましょう。
川苔山はスタート地点からいい景色が広がっています、
苔むした岩やそれを取り巻く新緑のシダ、杉林から差し込む光が美しく
林道を歩くだけで撮影が捗ってしまうのです。
とは言っても本日の目的地は百尋の滝です。
撮影時間は最大で2時間程度とすると先を急がねば日没が近づいてしまいます。
午前の清々しい光に照らされる新緑がひたすら気持ちいい。
地面を見れば朝露に濡れた濃い緑が地面を覆い尽くします、
奥多摩は標高が低いため鬱蒼としていてじっとりとした景色が特徴的です。
林道を撮影するときはどうしてもカーブ地点でこういうのを撮影してしまいます。
画面の右下から円弧を描き画面中央左と
右上をいっぱいに使い切るように配置できると気持ちが良くて……。
実際は道路自体をこうやって撮影するよりは、
道路の輪郭を意識させる別のものを有効に活用したほうが
道路の奥行きが表現されることが多いようです。
登山口から少し上がってくるとヤマツツジが姿を表します。
川苔山でのツツジは道中の疎らな単体ツツジと、山頂直下の群生、この二種になります。
上を見上げれば杉林、一本だけグルグルに曲がった木があって面白かったです。
こういうのは類似の法則……かな?
画面を同じパターンで構成しつつ仲間はずれを作るとそこに視線が誘われるというもの。
ですが対象が小さすぎて一目では目がいきませんね。
もっと明暗や色相の違いがあればよかったのですが、目の前に広がっていたのは広大な杉林でした。
グネグネ曲がる林道を進みます、ジグザグ状に奥に突き進む道は構図の練習に最適です。
道を川に見立てて撮影すると渓流を撮影する勉強になったりします。
川苔山は基本杉林の山。
午前中であれば差し込む光が気持ちよく、
林道の左右に列柱上に配置された杉のおかげで参道を歩いているような体験ができます。
撮影装備をザックに入れている今回もやはり歩く速度は遅め、どんどん抜かされていきます。
三人組のおじさんとかを見ると、年をとっても遊べる友達っていいなーと思いますね。
おじさんたちを尻目に僕はダッフィーを壁に埋め込んで遊んだりしていたわけですけども……。
こういった石垣はいいですよね。
パターンの中に面白い光の入り方や特徴的な植物は無いのか探してしまいます。
杉林を出てこの大きな岩があるカーブまで来れば細倉橋は近いです。
一気に日光が降り注ぐので気持ちの良いスポットですよ。
杉林の合間に新緑を背負った広葉樹たちが現れます。
空を見上げてみれば新緑の緑色の光が降り注ぎ気分はリフレッシュです。
この写真は画面左上に向かってすべての線が集中して向かうことにより、
高さが演出されるようになっていて好きです。
道行く登山者の方々も林道歩きを楽しんでいる様子、
川苔山って森もきれいで楽しい場所なんです。
午前8時35分、細倉橋到着。
川苔山の渓谷ルートの入り口に到着しました。
バイオトイレが設置されているので
緊急事態を迎えてしまった人はここで用を足すことが可能です。
3.山岳写真練習スポットを探し川苔山を登る
ここから先は本格的ガチムチカメラハイキングです。
コンクリの道に別れを告げて土の大地を踏みしめていきましょう。
渓谷ルートは橋を利用して何度も川を渡る楽しいルートです。
ご覧のように苔と草と渓流と木漏れ日、森林浴の宝石箱みたいな景色が広がります。
……いい例えなので山の彦摩呂を名乗ろうかな、森林浴の宝石箱っていいこと言いましたよね僕。
所々にツツジもあります、緑に対して赤という補色を見せてくるので小さくても目を引きます。
いや、だがしかしここで見るべきは新緑と岩と水です。
どこかいい渓流撮影スポットはないかなーとウロウロし始めます。
まずここで登山速度が減速、コースタイムどおりに歩けなくなります。
最初に計画したコースタイムを見直し、
何時までなら今の場所に滞在しても安全なのかをここで考えなくてはなりません。
僕の場合はこの日最大限遅くなった下山時刻を16時としており、
百尋の滝を11時前に出発できていればあとは大丈夫という感じで歩いていました。
午前8時50分、第一撮影ポイント。
渓流がいい感じの場所を見つけたので撮影開始です。
三脚を立てて構図を探して切り撮る、ここまでで意外と時間がかかります。
現場を見た瞬間に「やりたいこと、撮りたい絵」がすぐに浮かばないと
その場で構図を探すこととなりコースタイムをどんどん食いつぶした結果日没が迫ってきます。
なので見た瞬間に「これかな?」と思ったものをとれるように
瞬発力を鍛えておく必要があるでしょう。
D850+AF-S nikkor 58mm/f1.4G iso40 f/16 ss1/8秒
渓流で撮影を行いながら登山をする場合、渓流付近では長秒を多用するかと思います。
そうすると、一回のシャッターが十数秒かかることもあり
その場で待っている時間が蓄積していきます、
コースタイムの貯金がなくなる代わりにいい写真を撮影できるというわけです。
しかし、涼しげな渓流です、水の温度はそこまで低くないんですけども、
雰囲気もあってとても水が澄んで見えます。
この渓流では10分ほど撮影を行い、次に向かうこととなりました。
いい感じに水と苔で癒やされました……。
後方から来た登山グループの方に道を譲りながら、百尋の滝へ向かいます。
百尋の滝手前にもいくつかの滝があります、
登山道脇に現れる清流を目に止めながら進みましょう。
滑滝って感じですね。
午前9時5分、第二の撮影スポット。
水でパシャパシャと手を洗う方も見かけたこの滝スポット。
正面に滝があるので渓流と滝の組み合わせで撮影ができればいい感じになるかもしれません。
谷底に行く道があるので降りさせてもらいます。
D850+AF-S nikkor 28mm/f1.4E iso31 f/16 ss2秒
このとき初めてと言っていいほど撮影フロー慣れしていなかったので
撮影するのに非常に時間がかかりました。
まずこういう撮影をするときは
1.一度目星をつけた構図で撮影
2.ライブビューで確認
3.構図を調整
4.本撮影
といった感じにするのが良いです、更に撮影前に撮影目標を観察し、
主となる被写体とその周辺の組立を考えるのが良いでしょう。
僕は画面右上と左下の対角線構図しか頭になく、
最初からこの構図固定で撮影してしまいましたが
最初の観察をしっかりとしていれば別の構図などが発見できたことでしょう。
D850+AF-S nikkor 58mm/f1.4G iso31 f/16 ss2.5秒
滝をメインに撮影するとこんな感じでしょうか、
この滝は新緑シーズンであれば水面に緑が反射して素晴らしい色を出してくれます。
撮影ステータスを見るとわかりますが、
NDフィルターが無いため絞りを最大にし、isoを拡張感度にして秒数を稼いでいます。
NDがあればもっと余裕のある撮影ができたので、滝を撮影するときは必ず携帯したいです。
D850+AF-S nikkor 28mm/f1.4E iso31 f/16 ss3秒
少し広めに撮影してみました、左側にある卵みたいな岩がやたら主張するので困ります……。
視線の誘導的には画面中心から右上なので、
もっとズームして卵みたいな岩のシルエットを切り取り、
図の力をなくせばよかったなと思いました。
D850+AF-S nikkor 28mm/f1.4E iso31 f/16 ss2秒
角度を変えて撮影してみました、いわゆるローポジション、ハイアングルに近い構図です。
卵みたいな岩にやっぱり視線が吸い込まれます、あいつを爆破しろ!
全開まで絞っているので画面全体にピントがあっているように見えますが
これは良かったのかなとも思います。
右側の岩に前ボケをかけて奥の滝に視線を誘導するというテクも
使えたかなとは思いますけども。
4.百尋の滝、川苔山のメイン撮影スポットへ
午前9時30分、第二撮影ポイント出発。
百尋の滝手前でかなり時間を使ってしまいました……、滝に急がないと。
後ろからやってくる登山客もタイプが変わってきます、基本早朝始発組は手練が多く
時間があとになるほどファミリーやライトな感じで訪れた学生が多くなります。
僕も最初はホリデー快速で奥多摩に来て山に登ると思っていたのですが、
時間を考えるとコースタイムが日没ギリギリになるので危ないんですよね……。
道中も撮影しながら歩きます。
清流の流れる谷底を遡行していきます。
雰囲気はたいへん良く、川苔山はいつ来てもいいところだなと感じます。
苔むした橋などいい雰囲気なんですけど、
濡れてるときに下手に踏んじゃうと滑ったりするので注意したいですね。
落ち葉、緑、岩、特に岩がいい……。
百尋の滝へ向かって標高を上げます、少し急な坂を登りますがゆっくり上がれば大丈夫。
百尋の滝は登山道から少し外れた窪地にあります、指導標に従い滝に降りましょう。
手前が少し滑るので慎重に降ります、虎ロープはあるのですが、
撮影機材を運んだ超重量装備だとなかなかきついので注意です。
午前10時00分、百尋の滝到着。
ザーザーと滝の流れる音の中に人々の話し声がこだまします、百尋の滝は目の前。
滝壺の遥か上から膨大な量の水を降らせていました。
D850+AF-S nikkor 28mm/f1.4E iso31 f/16 ss1.3秒
百尋の滝です、川苔山を代表する観光スポットにして撮影スポットでもあります。
D850+AF-S nikkor 28mm/f1.4E iso31 f/16 ss1.3秒
滝が画面左上の始点に向けて一点透視法的に収束するような縦構図です、
壁の高さがあるので対岸に構えて壁がそそり立つような構図もあるとは思いますが
一回目はこちらで。
D850+AF-S nikkor 28mm/f1.4E iso31 f/16 ss1.3秒
真下からの撮影を切り上げ少し距離を取ります。
スタンダードなこの位置からの撮影は滝の全体を捉えることができる半面、
滝のスケール感やサイズ感が失われてしまいますね……。
再度滝によりますが、長秒をする気力がわきません。
そう、撮影って結構体力使います、カメラの位置を合わせて、
立ち位置を探して、何度も撮影して微調整して……
後ろから登山する人が来るから、場合によっては一回一回カメラに入らないように避けて……
三脚を利用して登山しながら撮影は体力もすごい勢いで集中力が持っていかれてしまいます。
逆側の岸で滝を画面右側に入れてみます。
この構図だと滝と周囲の新緑輝く空、
そして光のあたった岩と川苔山っぽい要素が広がり構図の選択肢の幅があるなーと思います。
もっとカメラを傾けて滝が画面右下から左上に行くように、
壁がこちらに倒れてくるような感じが出せればよかったのかなと思いました。
午前10時40分、百尋の滝撮影完了。
百尋の滝滞在時間の限界に近づいたので、山頂から奥多摩駅を目指して下山します。
今日の目的の一つである滝の撮影は終わりましたが、ここからは下山があります。
5.山頂へ向かい奥多摩駅へ、まだまだ先は長かった。
百尋の滝から脱出して川苔山山頂を目指します。
なんだろう、今日二回登山している気分だ。
百尋の滝を越えてからは一気に標高を上げていく形になります、
沢沿いコースというのは終わり、斜面をつづら折りで登るような感じに。
「ほう、山頂まだまだやんけ……」
下山して橋から駅まで歩いたほうが近いのでしょうけども、目的は登山でもあるのです。
杉林と広葉樹の森を交互に越えていきます、
パッチワークみたいに植林されているこれは何なんだろう。
休憩ポイントが用意されていますが、後半のコースはまだまだ長いのでスルーします。
というかさっきまで撮影していてほとんど体力使ってないしね。
今回は普通のコースで登ります、前回は足毛岩の肩から上がりましたね。
一応沢筋という感じではありますが水はない。
苔に覆われた感じがひときわ強く、北八ヶ岳には及ばないものの、
綺麗な森っていうのを感じれますよ。
ブナ林が現れると森の雰囲気は明るくなりますね。
午前11時45分、尾根合流。
山頂手前の分岐路にやってきました、ここまで来たら山頂はすぐそこです。
尾根の上には立派なツツジも咲いており、登山道を盛り上げてくれます。
苦労して登ったご褒美ですね。
新緑と紫やピンクのツツジはこの時期の登山の特徴でしょう。
ツツジを見ると夏山が近づいてきたと言う気持ちになります。
身体、作っておかないとね……。
尾根の新緑は太陽の光を浴びてとてもきれいになるので、
このように逆光で撮影すると壁紙みたいなもみじが取れます。
撮影していて楽しくなっちゃう。
解像力の高い最近のカメラであれば葉脈までしっかりと撮影することができます。
山頂までは一本道、防火帯のように切り開かれた道を登るのみです。
人々の談笑する声と、人影が見えたら川苔山山頂です。
午前11時55分、川苔山山頂到着。
川苔山にきました、こっから下山なのですが、
奥多摩駅まで歩いていくのでまだまだ先は長いのです。
なので休んでいる暇はありません、このまま下山しようぜー!
一応三角点には触れておこう……。
渓流での撮影時間が非常に長かったため空はどんより高曇りです、
今日の予報では午前の早い段階しか天気は持たなかったんですね。
山頂から少し引き返して本仁田山への縦走路へ向かいます。
本仁田山方面の道は登山者が少ないため道の状態はそこまで良くはないです、
注意して進みましょう。
川苔山周辺の山は基本的に展望はありません、森を楽しむタイプの山です。
「大ダワ」方面の指導標が出てきたらそちらに向かいましょう。
本仁田山はこの先にありますが、
見た感じどう見てもマイナールートですありがとうございました。
道が細くあんまり歩かれてない感じがありありと出てくるのがこの川苔山→本仁田山間。
緑にまみれた景色を見るにはいい道なのですが、
これまでに比べると急にアップダウンが激しくなり、岩場も出るスパルタンコースとなります。
防火帯を下ります、また杉林かーという景色。
人の入りが少ないコースなため、コース脇の植生がややワイルドです。
道の雰囲気も光の差し込み方がカッコよく、歩いていて楽しい。
道もガチガチに踏み固められていないのがいいですね。
落ち葉でサクサクと音を立てる道に、新緑も緑色の光が差し込みます。
登山道をはさんで杉林と広葉樹が住む世界がパッキリと別れます。
広葉樹の緑の天井から降り注ぐ木漏れ日が視界の先を明るく照らしてくれました。
「ん、でべそ?」
「でべそだな……」
面白かったのでつい……撮ってしまいました。
巨大な岩を侵食するように木々が育っています、
川苔山本体の方ではなかなか見ない景色です。
道中ちょっとした岩場というか、地面に岩がむき出しになった登山道などがありますが
基本的には普通の道が続きます。
川苔山から来た場合このへんで疲れが出始めるので注意しましょう。
この看板が出てきたら本仁田山、奥多摩駅方面ということで画面右に向かいます。
尾根道は杉の根が這う高尾のような道です。
杉の間に低木が紛れ、低木の先にはヤマツツジがオレンジの花を咲かせています。
特に目立った鑑賞物はないので、杉のトンネルを抜けて根の這う登山道を進みます。
「本仁田山、すぐそこ」
6.奥多摩駅へ下山、温泉とビールを求めて歩く
午後1時40分、本仁田山到着。
川苔山百尋の滝から数えると結構な時間歩きました……、流石に疲れたので少し休憩します。
本仁田山からの展望はご覧のような感じです、展望というほど展望はありません。
お情けなのか山頂が一部伐採されており、
奥多摩駅方面が少し見えるといったところでしょうか。
山頂から少し下ると杉林の奥に山々が続く景色を見ることが可能になります。
見ていて改めて思いますが、杉林は本当に暗い……、
森の砂漠と呼ばれる所以がよくわかります。
本仁田山を出発したらあとは奥多摩駅まで下山するだけです、
この下山の行程が一番事故率が高いので気をつけましょう。
人間身体が降るためには出来ていない上に、
長時間の登山後の下りとなると疲労が蓄積し思ったように足が上がらなくなります。
すると無意識に木の根や岩に靴を引っ掛けて顔面からペシャーンと転んでしまうのです。
斜度のキツい下り道では直線的に降りるのではなく、
ジグザグに降りることを気にかけたいですね、暗い杉林の中をスルスルと下ります。
新緑の若芽を眺めながら下山を続けます、
下山付近ではレンズの絞りを開放にして玉ボケを出す遊びをしていました。
木漏れ日がたくさんあるなら玉ボケで遊ぶのは楽しいです。
下り→平坦→下りと交互に道が続きます。
下りの斜度が地味にキツいので足には優しくない。
標高が下るほどトラロープによる登山道の指示が多くなります、多分道迷いが多いのでしょう。
尾根道は基本一本道なんで迷うことって少ないのですが、
降ると道ってわかりにくくなるんですよね。
サラサラと流れる水の音が聞こえたらゴールはすぐそこです。
先行していた女性グループに追い付く形で下山完了しました。
登山口が民家の脇っていうのも奥多摩あるあるですね……、民家の人怖くないのかな?
脇にあるのは畑でしょうか?
清流が流れ込む段々畑の隙間を塗って駅に向かいます。
コンクリに足がついた今、もはや難しいことは何もない。
あとは奥多摩駅まで鼻歌を歌いながら歩きましょう。
下山すると現れる椰子の木的な裸子植物、こいつ標高が少しでも上がると姿を消しやがる……。
奥多摩駅に向かう途中、奥多摩のコンクリ工場が姿を表します。
コンクリ工場と川沿いのキャンプ場、この2つが奥多摩の景色と思っている。
橋を渡れば奥多摩駅までは一本道。
橋を歩いているとキャンパーの子たちとすれ違いますが、
汗まみれの単独登山お兄さんは不審者以外の何者でもありません……。
結構巨大なこの工場、一体どれくらいの人が働いているんでしょう?
ていうかどこに住んでるんだ……。
午後3時20分、奥多摩駅到着。
スタート地点の奥多摩駅に戻ってきましたが、
体は汗でベトベトンなので温泉に向かうことにします。
奥多摩の温泉は何箇所があるのですが、今回は定番中の定番であるもえぎの湯で
お風呂→ビール→もつ煮のコンボを決めて帰ろうと思います。
奥多摩駅から歩くこと10分位でもえぎの湯です。
休日は気をつけて欲しいのですが、めちゃくちゃ混雑して芋洗いになります。
手前のこのトンネル、何度も通ったのでいい加減通ると「エモさ」を感じるようになってきた……。
もえぎの湯は手前に足湯、奥に温泉という感じです。
休日は駐車場が混雑し、とまれないこともあるので、
奥多摩駅から歩いてくることを推奨したい。
もえぎの湯で露天風呂を味わい体の汗を流し尽くしたら風呂上がりの牛乳です。
信州安曇野牛乳とかいいもん仕入れてんじゃないのよ。
そして、今回は久々の電車登山。
近畿地方でもそうでしたが車を運転しない場合はその日のうちにビールが飲めます!!
もつ煮を頼んだあとに、「絶対気持ち良さそう」という理由で瓶ビールを頼みました。
はい、ここ生じゃないのが重要です、テストに出ますよ!
結果もつ煮をビールでちびちび味わい、今日の写真を確認して満足感に浸る……
という幸せな時間を過ごせました、最高じゃん?
頬を赤らめながら奥多摩駅に戻ってきましたが、まだ空が明るい。
奇跡のような一日……。
帰りは東京駅まで一直線、中央線に乗り込んで新宿までぐっすりと寝て帰宅するのでした。
7.まとめ
川苔山撮影登山を終えて
奥多摩ではメジャーでアクセスがよく撮影スポットもわかりやすい川苔山。
登山と撮影を両立して歩くレッスンをするにはとてもいいスポットだと思います。
本格的な撮影をしながらの登山をするのにとても勉強になったのは間違いありません。
百尋の滝までは被写体も多く、ポイントで立ち止まりつつ
三脚を設置していると大幅に登山のコースタイムを遅らせる原因にもなります。
そのため、綿密に登山計画を立てて、
○時から○時までここで撮影するといった形の行動をしっかりと実行する必要があります。
川苔山は公共交通機関を利用したアクセスがよく、
景観も良ければコースもよく整備されています。
高尾山や日の出山で登山デビューをして、
高水三山や御岳山といった山々を経て歩く奥多摩の本格的な山としてはとてもおすすめです。
登山に慣れてきて、山の撮影がしたいという方は
いきなりアルプスなどに行くのではなく、
まずはこの山を登ってみてもよいのではないでしょうか?
人生最高の山は続く。
川苔山の地図はこちら
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撮影登山では三脚が必要です、登山ができてカメラもあるのであれば軽量三脚を
購入してみるのはいかがでしょうか?
この時僕はVEO2 264CBという機種を利用していますが、ベルボンの三脚が欲しかったです。
ジオカルマーニュN645っていうモデルが欲しかったのです。
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今使用している三脚はこれです、重量で人が殺せます。
鍛えてない人には全くお勧めできません。