Red sugar

山と写真とカメラが趣味の人にお勧めな登山ブログ、全国の山の登山情報と山岳写真情報を書いています

【北海道】旭岳、悠久の北の大地を駆け抜ける登山者憧れの旅、真夏の旭岳トムラウシ縦走【1日目】

2016_07_22_トムラウシ1日目

2016年7月22日-24日、北海道大雪山旭岳からトムラウシ山への縦走をしてきました。

北の大地の中心に位置する巨大な大雪山国立公園、日本で最も巨大な国立公園です。

北海道の最高峰旭岳をスタート地点として、大雪山を構成する山々を歩きます。

 

最高地点の旭岳の標高は2,291m、目標となるトムラウシ山の標高は2,141m。

2,000m級の山岳地帯ですが、緯度が高いため内地の3,000m級の山岳と同じ環境が広がります。

北海道の山々の最高の時期は7月三連休から7月の終わりまで…、

そんなベストシーズン中の三日間を歩いた旅は人生で忘れることのできない思い出になりました。

 

百花繚乱に咲き乱れる花と動物達、そして地平の果てまで続くような雄大な山を歩く。

最高の北海道の旅の始まりです。

 

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穏やかな道が視界の限りに広がり、稜線に沿って敷かれた道が見渡す限りに続いてゆく。

砂利と土の入り混じった登山道を一歩一歩踏み締め、大雪山の奥地へと進んで行く。

ここから先は誰もが行けるわけではない、覚悟を持って来た者だけが許される道。

 

一度天気が崩れればいとも簡単に遭難者を生み、夏であろうとも氷点下の空気に覆われる。

そんな危険を承知した上で、大雪山でなくては見ることのできない美しい大自然を収めるため

僕たちは少しずつトムラウシへと近づいてゆく。

 

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7月のお鉢平は雪と新緑に覆われ、北の山にありがちな夏の姿をしていた。

美しい景色とは裏腹に深奥では有毒ガスが湧き上がり、ヒグマ達を死に至らしめることもある。

美しさの中に狂気を秘めた大雪山、これから始まる試練の道を微塵も感じさせない

ただただ大きく美しい景色を、少し不安な面持ちで眺めているのであった。

 

 

はい、今回は旭岳トムラウシ縦走の1日目です。

今回の記事では北海道最高峰旭岳から1日目の宿泊地、白雲岳避難小屋までの道のりを描きます。

北海道の中心に位置する大雪山系、北海道の尾根とも言える旭岳トムラウシ間は

様々な動植物、広大な花畑の絶景や巨大な池塘、見渡す限りの山々が広がる山の天国です。

 

取り付き部分である旭岳はロープウェイで標高を稼げるため、

初心者の方もたくさん登られている山です、手軽に標高2,291mまで上がれるのはいいですね。

 

前回の序章となる記事にこの旅の概要が書かれていますが、各記事にも書いていきます。

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大雪山トムラウシ縦走のアクセス

まず前提に、行きの飛行機はJALがオススメです、帰りはLCCでもOK。

帰りは新得から新千歳空港まで直通の電車があるのでLCCを利用しても大丈夫です。

 

JAL利用/一人の場合

【飛行機】羽田→旭川      16,000円〜26,000円(おともdeマイルor特別割引3利用)

【バス】旭川空港→旭川駅               620円

【宿泊費】ゲストハウス宿泊費  3,000円

【タクシー】旭川駅→旭岳ロープウェイ 約10,000円

【宿泊費】白雲岳避難小屋利用代 1,000円

 

【バス】トムラウシ温泉→新得  2,000円

【汽車】新得→富良野      1,640円

【汽車】富良野→旭川      1,070円

【宿泊費】ゲストハウス宿泊費  3,000円

【バス】旭川駅→旭川空港    620円

【飛行機】旭川→羽田      16,000円〜26,000円(おともdeマイルor特別割引3利用)

登山必要経費合計金額 54,950円〜73,310円

 

飛行機代金は普通に買うと片道4万円なので、早割やお供でマイルを駆使しましょう。

また、ロープウェイ行きのバスは時間が遅いのでタクシーを利用しますが

複数人いれば代金をシェアし負担を軽くできるのでオススメです。

 

LCC利用

【飛行機】成田→新千歳空港   10,000円〜15,000円

【汽車】新千歳空港→札幌    1,590円(エアポート急行)

【汽車】札幌→旭川       4,810円(スーパーカムイ)

【宿泊費】ゲストハウス宿泊費  3,000円

【タクシー】旭川駅→旭岳ロープウェイ 約10,000円

【宿泊費】白雲岳避難小屋利用代 1,000円

【バス】トムラウシ温泉→新得  2,000円

【汽車】新得→新千歳空港    5,470円

【飛行機】新千歳空港→成田   10,000円〜15,000円

登山必要経費合計金額 47,870円〜57,870円

LCCを利用した場合初日旭川までの移動が大変です、飛行機は始発を使う必要があります。

帰りは新得からそのまま最終便で東京に帰れます。

 

 

全体地図

とても長い距離を歩く登山なので、地図は必ず携帯しましょう。

また、緊急時に備えて携帯用トイレ等を持ち歩くことが必要になります。

  

概要のおさらい、全体コースについて。

【1日目】

姿見7:05→八合目8:45→旭岳山頂9:15-10:15→間宮岳11:50→北海岳12:45→

白雲岳分岐14:10→白雲岳15:00→白雲岳避難小屋16:05

合計登山時間 9時間

 

【2日目】

白雲岳避難小屋4:45→高根ヶ原分岐6:00→忠別岳9:30→五色岳11:05-11:50→

化雲岳13:00-13:20→ヒサゴ沼避難小屋14:10

合計登山時間 約9時間30分

 

【3日目】

ヒサゴ沼避難小屋3:25→北沼分岐6:55→トムラウシ山頂7:30-8:30→

トムラウシ公園8:50→コマドリ沢出合10:35-10:50→カムイ天上12:15→

トムラウシ温泉14:15

合計登山時間 約11時間

全合計登山時間 約29時間30分…だいたい30時間くらい。

 

初日は旭川を出発し、旭岳ロープウェイを利用して姿見から入山。

1日目の宿泊地を白雲岳避難小屋、2日目の宿泊地をヒサゴ沼避難小屋

最終日3日目トムラウシ山へアタック後下山するという2泊3日の工程です。

3日間すべての日で行動時間が10時間近いという非常にタフなコースになります。

もちろん装備はテント泊装備です。

 

地図1日目

さて、1日目の細かい概要です。

早朝旭川を出発し旭岳ロープウェイ始発を利用し姿見駅へ、ここをスタート地点として

旭岳へ登ります、その後お鉢平を歩き白雲岳を目指し、白雲岳登頂後避難小屋へ向かいます。

北海道の山は内地に比べると小屋や幕営可能な場所が限られているため、

1日の行動時間が長くなりがちです、1日結構歩くことを覚悟して挑むのが良いでしょう。

 

【1日目のコースタイム】

姿見7:05→八合目8:45→旭岳山頂9:15-10:15→間宮岳11:50→北海岳12:45→

白雲岳分岐14:10→白雲岳15:00→白雲岳避難小屋16:05

合計登山時間 9時間 18キロ担いで初日から結構がんばります。

 

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2016年7月22日旭岳ロープウェイ駐車場。

旭岳トムラウシ縦走をついにやる時が来た…、ロープウェイの始発に合わせて旭川から

タクシーを利用してロープウェイまで移動、4人いるからできる力技である。

 

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ロープウェイの始発はまだだろうと思っていたら運転のアナウンスが…

ちょっと早いけど動かすということだったので急いで準備してチケットを購入する。

ロープウェイは片道、片道切符です。

 

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天国への片道切符か、はたまた地獄への片道切符か、この時点では夢と希望が胸にあった。

 

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午前6時40分、ロープウェイ出発!

結局ロープウェイの始発だからと急いだのだが、

「ウォッシュレット付きの綺麗なトイレ使ってから行きたい」という僕のわがままにより

少し遅めの出発となった、トイレは重要である。

 

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ロープウェイで上がって行く途中の景色には池塘や高層湿原がちらほらと見えます。

北海道は標高が低いところでも高層湿原が見れます。

 

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ロープウェイ山頂駅に到着、観光客の方々も沢山います。

さすが世界の大雪山、外国人もいらっしゃりました。

 

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姿見駅を出ると目の前には旭岳の雄姿が、シュゴーーーーーッ!!と噴煙を巻き上げるその姿

とても漢らしい景観です、形も富士山みたいでかっこいい。

 

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姿見駅を降りると早速花々が百花繚乱で迎えてくれます、これはウコンウツギ?

 

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おなじみのチングルマ、大雪山といえばチングルマです。

巨大な花畑がいくつもみられます、夏の大雪山を一級の花の山にしてくれる立役者ですね。

 

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水々しいチングルマに囲まれた登山道を旭岳に向かって歩いていきます。

でも、チングルマを撮影するだけで1日過ごせそうです。

 

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エゾノツガザクラですかね、チングルマと仲良く咲いています。

 

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イワブクロですね、タルマイソウとも言います。

旭岳でもたくさんの群生を見ることができます、花の種類はそれなりですが咲いてる量がすごい。

 

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姿見池まではハイキングコースなのでこのように整備された道を歩きます。

若干の登りですが、登山をしに来ている方なら問題無し。

 

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旭岳に雲が迫ると途端に焦る我々、山頂まで天候が持ってくれることを祈ります。

 

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後ろを見返すと旭川の街などは全く見えない、すべて雲の下に隠れてしまっている。

朝早いうちで雲が低かったのでこのような景色になったようだ。

 

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午前7時40分、旭岳石室。

旭岳にある避難小屋です、宿泊などは基本的にできません、この目の前に姿見の池があります。

 

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石室前の鐘の塔にはカラスが、こいつ去年もいたぞ…。

この付近でご飯を食べるとカラスがザックの中に入っている食料などを狙ってきますので

ここで荷物を広げる際は注意してください。

 

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誰もいない姿見の池で記念撮影、北海道は偉大である。

 

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池の湖畔に佇むイワブクロ、水辺は見ているだけで気分が休まる。

 

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ちなみにこのイワブクロ、花に毛が生えてます。

個人的に白と紫という高級感のあるカラーリングがとても好きです、金色を追加したいぜ。

 

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姿見の池を後にした僕らは旭岳への移動を開始します、ここからが本格登山のスタート。

 

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火山特有のがれきの中をテント装備で上がっていきます。

 

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雲が近い、俺だけでも晴れを撮る!と意気込んだゆうちゃんがすごい速度で上がっていきます。

自転車やってたアスリートなので当然ついていくことができません。

 

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ところどころにペンキで丸がつけられています、旭岳の登りはコースの足跡が

複数本あるような状態なので、自分の判断で道を選択する必要があります。

 

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徐々に迫る山頂、そしてばっくりと大地に切れ目が入ったような爆裂火口。

切りつけた傷跡のように山が二つに裂けています、本当にすごい景色だ。

 

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後ろの二人が撮影を始めたので先に行かせてもらうことにしました、ゆうちゃんを追う。

 

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上を見上げれば青空と雲とがれき、それ以外は何もない。

 

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登りと平らな場所を3回ほど繰り返して旭岳の方を登っていきます。

富士山のような砂利道を歩いて行くので、登山靴以外で歩くのはお勧めしません。

 

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したからどんどん雲が迫ってくる…、一同焦る。

 

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午前8時45分、旭岳八合目。

八合目の指導標はポッキリ折れたのか地面に無造作に転がっていました。

 

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八合目から見上げると金庫岩が見えますね、金庫岩まで行けば山頂は目と鼻の先です。

 

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午前9時00分、九合目到着。

八合目から比較的すぐに到着します、途中に危険箇所はありません。

 

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九合目のすぐそばには金庫岩があります、下から見るといまにも落ちそうですが

上から見ても随分と不安定なところにあるんだなと思います。

 

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山頂に近づいてきて、上から大地の裂け目を見渡す。

綺麗な地層が何重にもできているのがわかります、噴火によるものでしょうか?

 

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2016年7月22日午前9時15分、大雪山旭岳山頂到着。

この縦走の最初のピークに到着しました、ここが今日から先の山行のスタート地点となります。

 

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空は青空と白い雲に覆われている、夏らしい爽やかな空模様。

去年に引き続き大雪山旭岳に登れたことをまず感謝したい。

 

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姿見方面を見ると裂け目がよく変わります、すごいでかい谷間だ。

 

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地層がくっきりと見える、火山の圧倒的生命力を感じる。

 

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お鉢平方面の山々には雲がかかっていました。

 

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最初のピークを登れたことに感謝、そして無事晴れたことにも感謝です。

 

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くまちゃんがいつの間にか熊Tに着替えていてびっくりしました。

全員で熊のポーズをとる、どうかこの旅の間熊に会いませんように…。

 

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三角点を踏んで休憩をとったらスタートとします。

 

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休憩の間に遊び始める面々、全員でジャンプ写真を撮り始める。

この飛ぶ瞬間が好きですね、ウルトラマンみたいで。

 

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ありがとう旭岳、サンキュー北海道。

こちらのジャンプ写真はAF-S NIKKOR 24mm f/1.8G EDで撮影していますが

24mmだと割と普通の写真に撮れてしまう悩みがあります。 

 

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veryblue氏の超広角15mmで撮るとこんな感じに。

やっぱりジャンプ写真を撮る時は超広角レンズがオススメです、跳躍感が段違い。

 

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山頂で行動食を補給したら次なる目的地、間宮岳へ向かいます。

夏のテント泊で重要なのはこまめな水分と塩分補給、そして休憩です。

 

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旭岳山頂から今日の目的地である白雲岳を見る、見た目以上に遠いことが想像出来る。

間の尾根は緩やかだがとにかく距離が長いのだ。

 

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午前10時15分、旭岳山頂出発。

旭岳の山頂を少し下るとキバナシャクナゲの群生とぶつかります。

 

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内地の山では普通に木に咲くキバナシャクナゲですが、

北海道では地べたに這うように地面の上に可愛らしく咲いています。

 

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旭岳から裏旭キャンプ場への下りは旭岳最大の難所です。

斜度がきつく、足場が非常に悪いため足元を確認しながらゆっくりと降りる必要があります。

 

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急な斜面を下ったら巨大な雪渓に入ります、ここも斜度があるので慎重に進みましょう。

ここを歩いているとき僕のみに悲劇が起こります……。

 

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凄い景色だと見とれながら歩いていたら悲劇は突然起こりました……

真夏だとしても大雪山の雪渓は非常に危険です。

 

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たいした斜度には見えませんが、歩いていると自然と体が下に進んでいくレベル。

そして地面の雪渓は滑るのです……。

 

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ずてーんと転びました、テント装備の加重があり勢いよく足が滑りました。

ストックで無理に踏ん張ろうとしたのですが失敗、右手の上腕三頭筋がつって激痛が走る。

最初に笑ってたみんなが一瞬で青ざめた瞬間でした、僕も生きた心地がしない瞬間だった。

 

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下から見上げる大雪渓、これだけの巨大な雪渓を夏に見ることができるのは大雪山だけかな…。

 

 

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裏旭キャンプ場付近を経由して間宮岳への登り返しに入ります、

キバナシャクナゲが再び咲き乱れます。

 

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目の前には巨大なピークが見えますが、こちらは上ることはできません。

 

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ダッフィーとキバナシャクナゲで記念写真を撮る、また大雪山にこれてよかったね。

 

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お花の撮影と休憩を済ませたら間宮岳への登り返しに取りかかります、

テント装備の重量が非常に辛い。

 

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間宮岳への登りはちよっとしたお花畑撮影スポットだと思います。

チングルマやエゾノツガザクラの群生が沢山咲いています。

 

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赤茶けた砂利の大地の上に可愛らしく咲いた花達の可愛い事よ。

 

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一見緩やかに思えた登り返しですがテント装備なのでとても体力を使います。

10歩進んで休むような速度でゆっくりと上って行く。

 

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ようやく稜線が見えてきました、旭岳の大地とも違う赤と白の地面が印象的です、まるで砂浜。

 

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後ろから撮影するから前を歩いてもらっていたのですが、3人がいつの間にか遥か先へ。

 

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稜線からは巨大な雪渓が見える、湯気がもうもうと出ていました。

 

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間宮岳分岐で全員休憩している様子、ここでいったん休憩です。

 

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午前11時40分、間宮岳分岐到着。

テント装備が響いたのか、数名昼寝の体勢に入っていました、さすがに僕も疲れた。

穏やかな道に見えて距離が非常に長いので疲れは相当なものです。

 

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分岐に荷物をデポして間宮岳へ向かいます。

最南の百名山である屋久島のシャツをここで着るとは粋ですね。

 

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午前11時50分、間宮岳到着。

とても平坦な道の上に立っている山頂標ですが、ここからはお鉢平の絶景を見ることができます。

 

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本日二つ目のピーク、間宮岳到着の図。

今日登るピークは北海岳と白雲岳のみとなりました。

 

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間宮岳からのお鉢平、ここから先はお鉢平の外周を北海岳に向かって歩くこととなります、大雪山のメインの見所と言えるでしょう。

 

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間宮岳分岐に戻り北海岳へ向かいます。

 

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北海岳へは緩やかな稜線を歩き続けます、この稜線歩きは最高なのでまた歩きたい。

向かい側にある北鎮岳等を見ながら、お鉢平の回りを歩きます、お鉢平が本当にきれいに見える。

 

 

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お鉢平は非常に大きな景色なので、撮影には広角レンズが必要となるでしょう。

北海道旭岳では24mmを多用、これ以上狭い画角は景色の大きさに対応できませんでした…。

 

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四人全員が広角レンズ装備でした、お鉢平を収めようとしたら広角以外は選択肢がない……。

 

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緩やかなアップダウンを繰り返す稜線、足の体力を着々と奪っていきます。

 

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お鉢平の側面に回り込む下りが結構な下り、絵になるスポットですが歩くのは大変。

 

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北海岳へ向かうルートがお鉢平に最接近する場所とここで初めて知った。

前回の裾合平側へ向かうコースに比べるとお鉢平をとてもよく見ることが出来ると思う。

 

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画面中央のこんもりしたところが北海岳だろうか、近いようで全然距離が縮まらない。

黙って18キロ近い装備を背負いながら歩き続ける。

 

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午後12時40分、北海岳山頂到着。

本日3つ目のピークです、これで残る山頂は白雲岳のみとなりました。

その白雲岳が最もつらいとこの時点では予測しています、だって通り道にないんだもん。

 

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北海岳から見るお鉢平らはこんな感じです。

左側の雪渓は緑の草原とコントラストが激しくゼブラ模様になっています。

中心には川のようなものが流れてますけど、あれ本当に温泉なのかな。

 

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皇海山から数えて1年、ふたたび辺鄙なところに来たものです。

4人だから登れていると言える、ソロと比べると圧倒的な安心感があります。

 

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僕がこの旅を忘れることは決してないだろう…。 

 

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北海岳を過ぎた先は白雲岳です、北海岳から南に分岐が伸びているので南に進路をとる。

 

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画面奥、登山者の左手に特徴的なピークが常に見えます。

黒岳方面を眺めながら表大雪にさよならを言って南へ向かいます。

 

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ここでキバナシオガマが登場します、初めて見たよこれ!!

普段内地の登山ではピンク色のミヤマシオガマを見ることはありましたが

黄色いシオガマを見たことはなかったのでとても驚きました。

 

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こちら側も相変わらずチングルマやエゾツガザクラがたくさん咲いている。

 

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チングルマに混じってハクサンイチゲの群生を見つけました。

旭岳側では見なかったのですが、北海岳から先にはハクサンイチゲが咲いているようです。

 

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キバナ シオガマ、本当に綺麗です。

花びらは透き通るような透明感があり、青空の下だと輝いているように見えるのです。

 

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エゾオヤマノエンドウが咲いていました、青い花は比較的レア。

 

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イワヒゲです、斜面側に群生していることが多いこの花ですが。

近くに寄ってみるととても可愛らしいことがわかります、スズランみたいな花です。

 

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ヨツバシオガマですね、これはどこの山でも見るのではないでしょうか?

 

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いたるところにある花畑の誘惑を振り切り歩みを進める、まだまだ小屋までは長いのだから。

稜線とは思えない広さの大地を奥へ奥へ歩いていきます、これが北海道です。

 

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白雲岳分岐の手前で休憩スポットがあるので一瞬休憩、

ベンチがあるところでは積極的に休むことが大事です、荷物重いので。

 

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白雲岳分岐は画面の雪渓を左に歩いて行った先にあります。

 

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この雪渓はどうやら大地の裂け目を塞ぐかのように存在しているようです。

大きな谷が雪で埋め尽くされているわけですね。

 

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白雲岳分岐までの登りは思いの外長い、またお花畑が出てくる雰囲気がするし…。

 

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案の定途中このようなお花畑が現れます、写真だとわかりにくいのですが

チングルマやエゾツガザクラが本当にたくさん咲いているのです。

 

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午後2時10分、白雲岳分岐点到着。

白雲岳と避難小屋の分岐点にやってきました、白雲岳自体はルート上にあるわけではなく

分岐から分かれた道の先にあります、つまり通らなくてもいい場所です。

 

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しかし、白雲岳には大雪山でしか見れない希少動物【ナキウサギ】がいるため

その姿を収めるためにも白雲岳に行かなくてはならないという使命感が我々を動かします。

 

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他の登山者に合わせて僕らも荷物をデポって白雲岳へ向かいます。

 

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ちなみに白雲岳の反対側をみると赤岳方面です。

だだっ広い稜線の上にケルンがあるだけの衝撃的な景色が広がっています。

あのケルンはガス時の遭難防止対策らしいです。

 

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空身で白雲岳へ向かいます、ゆうちゃんがここで200m望遠レンズを装着。

ナキウサギを収めることに全力を注ぐことになりました。

 

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白雲岳に登り始めて気がついたのは圧倒的な景色、異形の山ですここは。

 

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山頂直下の広場がとても広いのです、野球場が二つくらいはいるんじゃないかというような

常識破りの平原が広がっていてとても驚きました。

 

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登山道が二股に分岐していたので二手に分かれて登ることにします。

この広幅人口ではなく天然とのことですが、どうやったらこんなに平坦な場所が山の上に?

 

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歩いていると突如鳥の鳴き声のような声…、ナキウサギだ!と周囲を見回すと

動く動物を発見し即座にシャッターを切りました。

その結果取れた動物を見て一同ナキウサギをゲットした!と喜んだのですが……。

 

写っていたのは後で確認したらただの野うさぎでした…。

一同ウサギってつくくらいだからウサギみたいなんだろう、と思い込んでいた模様。

確かにナキウサギってハムスターみたいなやつだったなと後で思いだす。

 

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トレースを辿って行くとなぜか岩場直登へ、足跡が続いているので登りましたが

どうやらこの道は間違いのようでした、岩場で危ないので注意です。

 

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登れないことはないのですが、浮石があると非常に危険なので

雪渓の上を通る正規のルートを見逃さないように注意しなくてはいけません。

 

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午後3時00分、白雲岳山頂到着。

岩場を直登したら山頂の直下に出ました、今日最後のピークです。

 

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白雲岳に着く頃には周囲がガスっていたのですが、表大雪山方面は晴れており青空が見えます。

 

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正面方向はガスなのでちょっと残念でした、ナキウサギの山ということでナキウサギポーズ。

 

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上から見る白雲岳の登山道、広場がいかに巨大か分かるだろうか?

ここは本当に広角レンズじゃないと全体を写すことができません…、

僕の撮影だとこの先24mm前後以外は本当に使うことがなかったです…。

 

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白雲岳からはゼブラ模様になった大雪山が見れます。

 

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帰りは尾根を通ります、雪渓の上を歩くのがちょっと怖い。

 

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白雲岳は岩の積み重なった山でもあるので、歩く際は気を使わなくてはいけません。

転ぶとタダでは済まない…。

 

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白雲岳の尾根道から見たこの景色は感動しました、僕たちはすごい場所を歩いてきたんだ。

そういう実感がまじまじと沸く景色でした。

そしてこの写真、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gで撮影したのですが、すごい解像しました。

遠景解像力がすごいと聞いてましたけどここまですごいとは…、神レンズとはこのことか。

 

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白雲岳を登った後は避難小屋まで下るのみです、本日の登りは終了…。

重たいザックを背に登山道を下って行きます。

 

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白雨岳避難小屋へは雪渓を歩いたりしながら向かうことになります、

時間帯によっては雪渓が非常に滑ることもあるので注意してください。

 

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雪解け水で川のようになった登山道を下ります、白雲岳避難小屋前はハイマツの藪。

ダニがいたりするようなので素肌を露出しないよう注意です。

 

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水場を通り過ぎたら白雲岳避難小屋は目と鼻の先です。

 

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水場の周りにはたくさん黄色い花が咲いている、そして水は美味しそう…。

煮沸とかしないでそのまま飲みたいよ。

この後濾過器を持ってきていないことを本当に後悔しました、北海道の登山では必須アイテムです。

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午後4時00分、白雲岳避難小屋テント場到着。

最初に予定していたコースタイム通り、午後4時に避難小屋に到着しました。

 

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避難小屋の外見はこちら、二階建ての簡素な避難小屋です。

早速ここで宿泊の手続きをします、我々は一応テントを二つ装備していたのですが

隊長であるveryblue氏は管理人に会い、こう言いました

 

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「避難小屋泊、4人お願いします」

テントを張ると撤収がめんどくさいし、朝遅くなるから小屋があるなら小屋を使おう

という方針だったので速攻で小屋を申し込みました。

夏の時期は一人1000円で小屋に宿泊することができます。

中はこんな感じで綺麗な床の間が広がっています。

 

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午後4時を回っていたので急いで晩御飯の支度をします、ビストロの開始だッ!

いつもながらアルミホイルで作ったまな板で僕が野菜を切る、アルミホイル万能。

登山でご飯を作るなら必需品ですね、世界が変わります。

 

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この日のご飯はミートソースパスタとチーズフォンデュ。

チーズフォンデュはアルミホイルがなければ調理することはおそらく無理でしょう。

後片付けがめんどくさいのですが、アルミホイルがあれば後片付けが超楽になり

フライパンも汚すことなく使うことが可能になるのですっ!

 

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見るからに美味しそうなチーズフォンデュ、トマトが最高にいい味を出していました。

山で食べるご飯としては最上級のお洒落なご飯だったと思う、カロリーも高いし。

 

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ミートソースパスタはペンネを使用しました、こちらは安定した美味しさ。

こちらもアルミホイルを下に引くことにより、片付けを簡略化しました。

 

山を彩る食事を済ませた僕らはこの後食器を利用して水を煮沸することに…。

そう、アルミホイルを積極的に利用したのは食事後水を煮沸するからだったのです。

味のついた水は飲みたくないので…。

 

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4人分で合計8リットルの水を煮沸するのは大変でした。

お湯を沸かす間にどんどん日が沈んで行き、気がつけば寝る時間になっていたのを覚えています。

テント装備で9時間も歩きつくしたこともあり、この日は一度も起きることなく熟睡する事に。

 

明日の忠別岳への期待を胸に床につくのでした…。

 

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圧倒的な景観と美しさを誇る大雪山、お鉢平の景色は何度見ても飽きません。

北海道の大地は内地とは違った別天地の世界観を提供してくれます。

 

溢れる花とむき出しの大地が、地球の大きさを語っているかのようです。

 

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大雪山の織り成す景色はスケール感が大きく、内地の山々とは違う感動を与えてくれます。

急な岩山やそびえ立つ山々ではなく、巨大な大地が目の前に広がります。

まるで雑誌で見る外国のような景色には目を疑うばかりです。

白雲岳から見たこの景色は今でも鮮明に覚えています。

 

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旭岳トムラウシ縦走1日目、初日から9時間を歩き続けることとなりましたが

二日目以降はもっと長い時間を歩きます、そしてそこに待ち受けていたのは

縦走の核心地高根ヶ原、どこまでも続く一直線の道と高山植物の楽園。

 

そして稜線の先に見える王冠のような形をしたトムラウシ山…、人生最高の山が姿を見せる。

憧れの北海道トムラウシ縦走の核心部へ迫ります。

 

次回は高根ヶ原と忠別岳を歩きます、さらに現れる美しき北海道の自然をお楽しみに。

 

 

大雪山旭岳、トムラウシの地図はこちら 

北海道の山 (ヤマケイアルペンガイド)

北海道の山 (ヤマケイアルペンガイド)

 

地図は必携です、必ず紙の地図を持って登山しましょう。 

 

この登山で役に立った、本当に必要だったもの。

レック 携帯用 おしり ウォッシュ ソフト (お尻洗い)

レック 携帯用 おしり ウォッシュ ソフト (お尻洗い)

 

北海道の山のトイレ事情は悪いです、なので携帯ウォシュレットを利用したのですが

これが最高でした…、山のトイレ事情に革命を起こすアイテムです。 

 

20キロ近いテント装備を担ぎながら3日間歩き続けましたが、

こちらのタイツを履き続けたおかげか膝は無事でした…、

それと自分の汗でズボンがべたつくこともなくなるのがよかったです。

 

GREGORY(グレゴリー) バルトロ75 L ダスクブルー

GREGORY(グレゴリー) バルトロ75 L ダスクブルー

 

僕が使用したのはこちらのグレゴリーのバルトロです、

ドリンクホルダーやベルトポケットが使いやすく、負荷を分散するシステムがよくできてます。

正しくフィッティングした状態のグレゴリーのザックは本当に背負いやすいです。

人によってザックの形は合う合わないがあるので、お店でフィッティングするのをお勧めします。