【山と写真】山岳写真にエッセンスを、角型フィルターがもたらす写真の世界
こんにちは、Redsugarです。
登山と写真が趣味の方の中には角型フィルターが気になっている方もいるんじゃないでしょうか?
当ブログRedsugarでもですね、2018年の年末から実は角型フィルターを導入していて、
1年ほどシステマティック三脚と角型フィルターを背負って山を登ってみたので
角型フィルターの紹介というか、どういうものが撮影できるのかっていうのを
今回ご紹介させていただこうかと思います!!
角型フィルターはとても高いものなので、なかなか手を出しずらいのですが
撮りたいものが合致すれば、心強い道具になってくれるのかなぁと思います。
今回は僕が利用しているKANIの角型フィルターでの作例となります。
それではいってみましょう。
■角型フィルターとは
読んで名のごとく正方形、または長方形の形状をしたガラスフィルターをレンズの
先にはめ込んで使うフィルターシステムです。
カメラを購入した際に大体の人が購入する丸型フィルターの四角版といえばいいでしょうか?
丸型フィルターを装着することができない超広角レンズなどで威力を発揮したり
ソフトGND/リバースGNDといったフィルターのNDのかかり具合や
位置を調整できるという利点があるフィルターです。
超ざっくりと作例を出すと、那須の朝日岳でSIGMA14-24㎜という超広角レンズに
角型フィルターにND1000をつけて1分とか露光させると……
このような感じで雲が移動していく様を捉えた写真を撮影することが可能になります。
海辺や川などで水を糸のようにして撮影するのと同じ原理ですね。
山岳写真では雲とか川など動くものはたくさんです。
今回はKANIのフィルターシステムを利用した作例とこんなものが撮れるよというご紹介。
例えば那須茶臼岳を見上げたこちらの写真、快晴の下でND1000とND64を二枚装着。
するとこちらのような感じのモノクロに近いくらい写真を撮影したりすることができます。
超広角につけるものというイメージの強い角型フィルターですが
フィルターホルダーにアダプターリングを装着すると82㎜、77㎜、72㎜、67㎜などの
丸型フィルターでも使用することが可能になります。
角型フィルターではND以外にも朝夕の撮影で、空は明るいけど地面は暗いというときに
効果を発揮するグラデーションフィルターなどが威力を発揮します。
個人的にはソフトGNDとリバースGNDが一番良く使うフィルターです。
■NDフィルター
NDの効果をわかりやすく表現すると、こちらの写真。
ND1000をつけると……
こんな感じで雲が動いた軌跡を撮影することが可能です。
ではこれを山に持っていくとどういうものが撮れるのか、ということなんですけども。
角型のNDフィルターは超広角でこのような川を撮影するときは定番かもしれませんね。
角型の特徴はKANIであれば3枚までフィルターを重ねることができるので
NDの重ね掛けやCPLとの合わせ技を楽しむことが可能です。
超広角を利用しつつ難なく長秒を行うことができます。
アダプターリングを利用すれば超広角以外にも装着が可能なので、
望遠レンズに取り付けてこのような撮影をすることもできます。
丸型フィルターを持ち歩かなくても良くなるという点はありがたいかも。
こちらも超広角を利用しつつND1000とソフトGNDを利用した写真です。
ND1000で秒数を稼ぎつつも、画面上部の明るい部分が白飛びしてしまわないように
ソフトGNDを利用してディテールを残しています。
角型の特徴はこのようにソフトGNDの位置を調整したり、NDとの組み合わせで
画面内の輝度の差を中和させて撮影することができるところ。
川以外にも夕日の前を流れる雲などにNDを向ければこのような抽象的な景色を
撮影することも可能です、夕暮れ時や朝焼け時に山の稜線と動く雲とか
印象的に撮影できるのではないでしょうか?
NDの重ね掛けによる秒数によってはこんな感じであんまり雲が動いている感じを
閉じ込めることが出来なかったりします。
NDは時間を1枚に封じ込めるものと考えると、どれくらい段数を暗くして
どれくらいの秒数を待てばいいのか、その間震えない三脚はあるか、
などが気になる部分になってくるのかなと思います。
■ハーフGND/リバースGND
僕が良く使うのはこちらのハーフグラデーションとリバースグラデーションフィルター。
角型の一枚の板の半分あたりまでNDの効果が入っているフィルターです。
「明るい空を3段分暗くして地面と同じにしたい」
というような状況で活躍するのですが、
山の上……の特に明け方や夕暮れ時に活躍することが多いです。
こちらの八方池の写真はND64とハーフGNDを利用して撮影しています。
夜明けで空が明るくなっていく一方、水面の反射は結構暗く、空と水面を合わせるのに
ハーフGNDを利用しました。
似たような状況でND1000を利用しました、山の上で明け方などは空は明るいが……
ということが多いと思いますので、そういう時はソフトGNDは効果を発揮してくれます。
こちらの北横岳の山頂からの一枚は自然に見えますが、ハーフGNDを利用しています。
夜明けの逆光などは空側がめちゃくちゃ明るくなっちゃったりするんです。
長秒などをしない撮影でも、画面の上下での輝度差に悩まされる場合
ハーフGNDを利用すれば自然な感じの一枚を撮影することが可能です。
というか本来はこっちの用途が普通なんでしょうね……。
ハーフGNDとリバースGNDを組み合わせるとこのような感じで空を潰すことも可能です。
後処理なしに撮って出しでこんな感じの1枚を撮影することが可能なので
風景写真のエッセンスの一つとして
角型フィルターを使ってみるのも楽しみの一つではないでしょうか?
今回はsigma 14-24mm f2.8 dg hsmという超広角レンズ用の角型フィルターを利用して
こんなものが撮れるよーという紹介の記事となりますが
興味のある人はメーカーのフィルター情報を調べてみるとよいかもしれません。
僕はKANIを利用しています。
頑丈なガラスらしく山の上で使っていても割るようなことはありませんでした。
■最後に
角型フィルターを利用すると超広角でNDが使えるので
非常にダイナミックな動きのある風景を撮影することができるでしょう。
注意点としては角型フィルターシステムを登山で使用する場合は三脚含めて
非常に重量がかさんでしまうので、装備が重くなるということでしょう。
登山の合間に撮影するというよりは、撮影のために登山するという感じになるので
そこは良く考えて使ったほうがいいかなと思います、僕は後者なので
普段の登山では角型フィルターはもっていかないことが多いです。
今回の記事ではこちらの超広角レンズを使用しており、
角型フィルターもこちらのレンズに合わせたものを使用しています。
170㎜のフィルターセットとCPLがあれば、動く雲や渓流。
朝日や夕日を撮影するときも大体対応が可能になるかと思います。