【山と写真】山岳写真とは、山で撮れる写真やカメラをもって山を登る注意点
こんにちは、Redsugarです。
登山ブログRedsugarですが、最近は山岳写真というキーワードでたどり着く人も多く。
SNSでも風景写真を撮影している方々が山に登ったりすることも多くなる昨今
山岳写真というか、山ではこういう写真が撮れるよっていう紹介をしてみようかなと思います。
主に今回は下記のような感じで、登山と写真についてお話します。
■登山で撮れる写真について
・山に登って写真を撮るとどういうものが撮れたりするの?
・山を登っている途中に見れる特徴的な景色たち
■山で写真を撮るときに気を付けたいこと
・山登りをしたことがないけど、山の写真を撮りたい人へ。
・山を登りながら写真を撮るときの注意点
・山特有のリスク
山岳写真に興味がある、いつか山で写真を撮ってみたいけど
どこに登れば、どんなものが撮れたり見れるのか、
宣伝ですけど
それらを知りたいという人向けにこのブログはたくさんの記事があります。
公共交通機関を利用したアクセス方法やコースタイムに関しても書いてあるので。
少し山で撮る写真に興味がわいたらほかの記事も見ていただけると幸いです。
また、この記事で山岳写真特有の危険性、というか登山の危険性も
知ってもらえると嬉しい限りです。
登山で撮れる写真について
■稜線から見る世界
山に登って写真を撮るとどういうものが撮れたりするの?
山で撮る写真ってのはどういうものなのか、僕の知っているものをご紹介します。
僕の撮影したことあるものに限りますが、世の中の展示会などに行くと
この記事で上げてるのはほんの入門程度で、めちゃくちゃいろいろな写真があります。
とりあえず、まずは稜線からの景色です。
山の上の稜線は地球の造形の一端をこの目にすることができるエリアです。
地上の街などでは絶対にお目にかかれないような複雑かつ美しい造形が広がっています。
光を受けて複雑な表情を携える山肌と、青空と雲が織りなす景色は夏山の景色の醍醐味です。
登山で撮れる写真といえば多くの場合、山の稜線から撮影される絶景を指すことでしょう。
登山者はこの山の上からの絶景を撮影したくて山の上に登るのではないでしょうか?
そう思えるくらい素晴らしい景色が山の上にはあるのです。
特に、森林限界という気温や積雪の関係で木々が大きく成長できないエリアを越えると
山々の稜線や地上では見ることができないような巨大な山々のひしめく世界を見ることができます。
■朝日と夕日の織り成す山の世界
稜線で迎える朝日や夕日は稜線で見ることのできる絶景の中でもとりわけ美しく
この景色を収めるために山に挑むカメラマンも多いです。
ですが、山の上で夜を迎えることや、朝を待つことは非常にリスクが高いです。
山の経験が浅い人が下手に真似をすると、低体温症や凍傷、
暗闇での滑落などにつながり危険なので、
登山経験やしっかりとした装備といった前準備が必要です。
ガイドさんと一緒に歩いたりすることも当然考えたほうが良いです。
夏のシーズンの山では多くの登山客が山を歩きます。
山の中にある営業小屋と呼ばれる宿泊施設であれば
外で夕暮れや朝日を見る人も沢山いるので、もし朝や夕方の景色を見るのであれば
まずは普通に登山を行い、多くの人と朝夕を共にして山に慣れてゆくのが良いのかなと。
そして撮影を続けて経験を積んで自信をつければ、自分なりの撮影スポットを見つけて
そこで朝日を迎えるために暗闇の中をナイトハイクしてたどり着き
自分だけの一枚を収めることができると思います。
僕は上記の写真のように山の上から見た朝焼けの空とかを撮影するのが好きです。
これも山の写真ではないのですが、山の上から見た景色です。
朝の山頂付近からはこのような街の景色を見たりすることができます。
山では素晴らしい景色が広がっていますが、危険も当然ある世界です。
なので、山で写真を撮るというときはしっかりと登山の準備をしたり。
何よりもまず登山に親しんでみてからカメラを持っていくことが、
安全につながると僕は考えています。
山で撮れる様々な景色
■山中を流れる水の流れ
森の中や山の中を流れる川や滝も、立派な山の景色です。
稜線以外にも登山中ではこのような滝をいくつも見る機会があることでしょう。
この写真は関西の大台ケ原へと登る際に通りがかった堂倉滝の景色です。
山は雄大です、稜線だけではなく山のすそ野、中腹、それぞれに様々な物語があります。
渓流は空と山の恵みたる水が生み出す芸術です。
稜線まで行かずとも楽しむことはできるのですが、渓流沿いは渓流沿いで足元が悪く
滑落のリスクなどがあるため、しっかりと注意して歩かなくてはなりません。
はじめての場所で足場もわからないままカメラを構えることは、危険につながります。
なので、渓流だからといって突撃するのではなく
こちらも一度ロケハンというわけではないのですが、しっかりと歩いてみてから
そのあとで撮影に入るのが良いのではないかなと僕は考えます。
■高山特有のお花
高山地帯でしか咲かない高山植物のなどは植物写真、
花のポートレイトとしては撮影の対象になるでしょう。
中々平地で見ることがないような花が朝露を纏っていたりする姿は中々感動します。
図鑑的な写真を撮りたいという欲求が生まれるかもしれません。
ただ、よくある事案として花を撮りたいばかりにほかの植物を踏んだり
柵の向こう側に行くということがあります、これは植生保護の観点から
それと山の管理の側面から見てNGな行為なので気を付けなくてはなりません。
シーズンによって景色は変わる
■山は都会よりも季節が豊かにめぐってゆく
山の景色は自然豊かであるため、シーズンごとに撮影できるものは全く違います。
大まかな特徴で言えば、春は花や残雪、新緑も芽吹きの季節。
山ではツツジが咲き誇り、大気が少し霞んだ景色が特徴的に写ります。
花と雪をかぶった山々の景色などが撮れる半面、高所では雪がまだ残り
下界は春なのに高所は冬という複雑な天候になるため、しっかりとした装備がなければ
中々挑むのは難しい季節かなと思います。
夏は登山シーズン、多くの人々が山に押し寄せます。
6月から8月は山の短い夏で、高山植物が開花し山は花で覆われます。
また、雪渓なども消え去り夏道という整備された登山道が顔を出すのもこの季節。
山らしい景色を撮影するには最高の時期ですが、天候が変わりやすいという特徴があり
稜線上では晴天から雨、雷への急な気候の変動に悩まされる時期でもあります。
撮影でのんびりと行動をしていたら雨に降られた、雷が落ちてきたという
洒落にならない事態も想定されるので、夏だからといって油断することはとても危険です。
秋は紅葉の季節、山肌を染め上げる紅葉を目的に多くの人が山にやってきます。
紅葉は確かに美しく、何を見てもほれぼれとするものです。
登山としてみてみれば、春同様日中と夜間の気温差が激しくなり
日中は暖かいけど夜になれば氷点下という状況になります。
春夏秋通して、登山におけるコースタイム管理というものがルーズでいいことはなく。
夜は常に危険が沢山待ち受けているのに変わりはありません。
秋は夜になると氷点下を下回るようになる季節、しっかりとした防寒具は必需品となるため
撮影機材や登山装備が非常に膨れ上がる時期でもあります。
秋もまずは登山をしっかりと楽しんで、登山をベースに
写真撮影装備を追加するという工程を踏んだほうが危険を減らすには良いと僕は思います。
冬は雪景色の山ですが、素人が下手に手を出すと凍傷、滑落、簡単に命の危険に陥れます。
本当に危ないので詳細は省きます、興味本位で冬山に写真を撮りに行くのは本当に危険です。
山を登っている途中に見れるもの
■景色以外にも見れるもの
山では景色以外にも動物や昆虫などその場で生きる生態系の景色を見ることもできます。
そういった山の生き物たちをメインで撮影する方もいます、きのこ写真家とかもいる。
高所では珍しい昆虫もいるようなので、そういったものを撮影する方々もいます。
動物も山の中でなければ見かけないものもたくさんいます。
私は動物はあまり興味がないので撮影することはないのですが、
ライチョウを筆頭に鳥は良く撮影する人がいるなという印象があります。
山で写真を撮るときに気を付けたいこと
さて、ここまで軽く紹介させていただいたのが、
僕が撮影したことのある山で写真を撮ると撮れるものたちです。
ちょこちょこっと説明に加えましたが、山は危険が沢山です。
街では撮れない景色が見れる代わりに、
山には都会のような便利なインフラや安全といったものが保障されません。
なので、命を脅かす危険を一つ一つ丁寧に排除してあげる必要があります。
特に、撮影をメインにして登ると登山としての側面で重視すべきことがスルーされたりします。
登山ではコースタイムを超過し夜になることや、歩き疲れてバテることは
街でのそれと違って死に直結する可能性があり非常に危険です。
なので、山で写真を撮ろうという興味がある人は
まず登山を楽しんでみて、そのうえでカメラを山に持っていくのが良いのではないでしょうか?
■山登りをしたことがないけど、山の写真を撮りたい人へ。
山を一度是非歩いてみてほしいのですが、いきなり絶景を求めてアルプスなどに行くと
そもそも山を登れるような体力がなかった、登山用の靴がなくて転んでけがをしてしまった。
そういうことはなるべく避けたいところですよね。
現に僕は西沢渓谷で足を滑らせて流血するおじさんや、
大岳山で転んで骨折したおばさんを見てきました。
何度も言いますが、まず登山に慣れ親しむことから始めてみてほしいです。
カメラをいきなり持っていくとコースタイムを大幅に超過して
暗い中怖い思いをしながら下るなども容易に発生します。
まずは、カメラを持たないで身近で人がたくさんいる場所でハイキングから初めて。
そして、楽しかったら登山の本を読んだりして勉強したりするのがお勧めです。
■山を登りながら写真を撮るときの注意点
コースタイムの超過
写真撮影をしていると無限に時間が過ぎていきます。
登山では出発地点と山小屋以外に人がいるような場所は多くの場合ありません。
コースタイムを事前に計算し、しっかりと人のいるところに日が暮れるまでにたどり着く。
そういったことが命を守るためにも重要ですが、写真を撮ることに夢中になると
コースタイムを無視した行動をしてしまいがちです。
結果、日が暮れて行動が出来なくなるということもあり得ます。
日が暮れればヘッドライトがなければ行動できません、ヘッドライトがあったとしても
歩いたことのないコースを正確に歩くことができるかといわれると
僕はちょっと自信がないです……。
コースタイム超過以外にも、撮れ高を求めてコースからはみ出てしまうこともあります。
登山では設定されたコース以外は植生保護のため入れないことも多いです。
そういった部分を踏み荒らしたりすると、
植物がどんどん傷んできて景色が失われたりしていきます。
なので、山のルールをしっかりと守って歩く、これはとても大事です。
■山特有のリスク
山岳写真において3つリスクを上げなさいと言われたら僕は次の3つを人に説明します。
・山は夏でも気温が低い
・カメラ装備で滑落はただでは済まない
・人は容易に道に迷う
何度も書きますが、山の上は本当に寒いです。
真夏だとしても標高3,000mの稜線では防寒具が必要なくらい、温度は一桁の世界です。
そんな中で迷って行動不能で、防寒具がないなんて状況になれば人は容易に低体温症になります。
また、風の強さによっても寒さは変わります。
なので、山に行くときに防寒をけちるようなことはしないほうがいいですし、
天気をちゃんと確認するために天気予報にお金をかけるくらいはしてもいいと思います。
滑落は本当にただではすみません、僕は滑落の経験がありませんが。
山岳写真用のカメラを持った状態で滑落すれば、
普通の登山と違いまず間違いなく助かることはないと考えています。
それだけカメラって重いですし、何よりも転んだときに体を防御するときに邪魔になります。
ミラーレスとかレフ機とか関係なくそもそも身体を守るのに邪魔なんです。
ストラップショットなどをつけてる人は試しに一度前のめりに転ぶとわかりますが
転んだときに体をとっさに守ることが空身に比べるととても難しいです。
那須岳で前のめりに転んだ際、胸につけていたカメラが邪魔で受け身を撮ることが出来ず
頭から砂利の地面に墜落して口を切った覚えがあります。
カメラが胸に食い込んで痛くて、下手したら転んだだけで肋骨を折っていたかもしれません。
カメラ持ってて転ぶわけがない、そういう平地の感覚は山では全く通用しません。
だって足元普通に滑るし、石ごつごつしてて足上がらないと躓くし……。
最後に、人は容易に道迷いに陥ります。
僕も何度も道に迷った経験があります、地図を持っていてもGPSを持っていても
歩いていると自然とこっちでいいはずだと思い込んで間違った道にすすんでしまったりします。
登山中にコースタイムが切迫し、先を急いだりするとどうしてもミスに気が付きにくくなります。
幸いなことにこれまで迷ったことにすぐに気が付くことができたので遭難の経験はありません。
ですが、山をどれだけ歩いていても
初めての山では道迷いを容易に起こすという感覚があります。
暗がりであれば、その危険性はさらに増すことでしょう。
山で道に迷い、地図もGPSもなければ打つ手がなくなります。
なので、そういった装備を整えることはもちろんのこと
コースタイム通りに歩けるように登山をしっかりとやる、というのはとても大事です。
まとめ
山岳写真で見れる世界の一端、私はプロではないので入り口も入り口の作例ですが
山の写真のすばらしさが少しでも伝われば幸いです。
そして、山岳写真における山のリスクというものも少しでも伝わるといいな。
という思いで今回の記事を書かせていただきました。
風景写真の中でも山岳写真は壮大な世界を楽しめます、かといって素人でもイケる
と思って突撃すると肉体的に痛い目を見るジャンルでもあると思います。
もし山の写真に興味のある方がいれば、まずは登山を楽しむ。
そのうえで、余裕が出てきたらカメラを持って歩く
そんな感じで、安全第一で登山を楽しんでみるのが良いのではないでしょうか?
興味がわいたら、いろんな登山記事を読んでみてね!